テスラ エジソンが恐れた天才の紹介:2020年アメリカ映画。電力産業黎明期の19世後半。トーマス・エジソンは白熱電球の実用化により電力産業の事業拡大を考えます。送電方式として直流送電を進めるエジソンですが、ヨーロッパからの移民ニコラ・テスラ(1856年−1943年)は交流送電を主張し二人は対立します。『テスラ エジソンが恐れた天才』は、19世紀後半から20世紀前半に多くの発明をし、アメリカ産業と科学の発展に多大な貢献をしたニコラ・テスラの栄光と挫折を描いた映画です。エジソン、J・P・モルガン、ウェスティングハウスなどの当時のテスラのライバルと支援者や、サラ・ベルナールなどの当時の有名人がテスラとともに描かれています。
監督:マイケル・アルメレイダ 出演:イーサン・ホーク(ニコラ・テスラ)、イヴ・ヒューソン(アン・モルガン)、エボン・モス=バクラック(シゲディ・エボン)、ジム・ガフィガン(ジョージ・ウェスティングハウス)、カイル・マクラクラン(トーマス・エジソン)、ハンナ・グロス(ミーナ・エジソン)、レベッカ・ディアン(サラ・ベルナール)、ドニー・ケシュウォーズ(J.P.モルガン)、ほか
映画「テスラ エジソンが恐れた天才」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「テスラ エジソンが恐れた天才」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
テスラ エジソンが恐れた天才の予告編 動画
映画「テスラ エジソンが恐れた天才」解説
この解説記事には映画「テスラ エジソンが恐れた天才」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
テスラ エジソンが恐れた天才のネタバレあらすじ:起・テスラとエジソンの対立
(大財閥J.P.モルガンの娘アン・モルガン(イヴ・ヒューソン)のナレーション)ニコラ・テスラは雷を見てインスピレーションを得たという、クロアチアでの少年時代のエピソードを語ります。
1884年、移民としてニューヨークへやってきたニコラ・テスラ(イーサン・ホーク)は、憧れの存在であるトーマス・エジソン(カイラ・マクラクラン)のもとで働き始めます。エジソンの研究所で、テスラはエジソンと話しています。エジソンはすでに発明家、実業家として成功しており、移民であるテスラを見下した態度をとります。当時は電力産業の黎明期で、エジソンは直流送電を中心としたシステムを考えていました。
(アン)テスラは少年時代から学業優秀だったが大学は卒業せず、彼のヨーロッパでの不遇の日々を語ります。
テスラはエジソンと社内会議に参加します。エジソンと社員たちがアイスクリームを食べながら話し合っていると、テスラは送電方法として交流送電を提案します。しかし、エジソンは直流送電のほうが優れていると主張します。二人は対立し、アイスクリームをお互いの顔にぶつけます。結局、テスラはエジソンと決別することになります。
(アン)エジソンの結婚と離婚、そして成功への道を語ります。
独立したテスラは、エジソンに対抗し自らの交流送電方式を実現するため、誘導モーターの制作に取り組みます。エジソンは新しい恋人ミーナ(ハンナ・グロス)と出会い結婚を考えます。テスラの誘導モーター開発はうまくいき、交流送電による電力事業発展の見込みが出てきます。そんな時、テスラはJ.P.モルガンの娘であるアン・モルガンと出会い、二人はお互いに惹かれあいます。そしてテスラの誘導モーターは実業家ジョージ・ウェスティングハウス(ジム・ガフィガン)の目に留まります。
(アン)ウェスティングハウスは成功した実業家で、多くの特許を買い、事業に結びつけていると語ります。
テスラ エジソンが恐れた天才のネタバレあらすじ:承・テスラの交流送電の成功
(アン)ウェスティングハウスはテスラの誘導モーターの特許を買い、電力事業の拡大を考えていると語ります。1888年、テスラはウェスティングハウスと手を組み、ピッツバーグへ招かれ、彼の電力事業に関わり始めたと語ります。
ピッツバーグでテスラはウェスティングハウスに会います。ウェスティングハウスはテスラを信頼し、交流送電による電力事業について話し合います。ウェスティングハウスとエジソンそれぞれの電力事業は電流戦争だと言います。一方でエジソンは直流送電のプロジェクトを推し進めます。
ある日、テスラはアンに再会します。テスラの友人シゲディ・エボン(モス・バグラック)は、「アンの父は実業家のJ・P・モルガンで、テスラの事業に資金援助をするかもしれない」と言います。
(アン)父のJ・P・モルガンは金持ちの家庭に生まれ、銀行事業でで大成功したと言います。そして、彼の最初の結婚と妻の死、そして2回目の結婚、そして自分は4人の子供の一人だと話します。そしてJ・P・モルガンはエジソンの事業に投資をしていると言います。
1890年、世界で初めて電気椅子による死刑執行が行われます。使用された電気はテスラとウェスティングハウス陣営の交流送電でした。エジソンはニュースを聞き、複雑な心境になります。結果的にこの死刑執行は大きく報道され、ウェスティングハウス陣営の宣伝になります。
テスラはアンと交友を深め、彼女は父であるJ・P・モルガンに会うことを勧めます。テスラは、J・P・モルガンはエジソンへの事業投資で忙しいのではと話します。そしてアンとテスラは1893年のシカゴ万国博覧会について話します。
(アン)テスラの交流送電技術は、シカゴ万国博覧会で成功し大きな注目を浴びたと語ります。
シカゴ万国博覧会では、交流電流の優位性が証明され、電流方式をめぐる戦いにテスラの勝利が決定的となりました。そしてエジソンはテスラに会います。エジソンは過去のことは水に流して、テスラとの共同事業を呼びかけます。しかし、テスラは拒絶するのでした。
テスラ エジソンが恐れた天才のネタバレあらすじ:転・テスラの発明の成功
テスラはウェスティングハウスとミーティングを持ちます。テスラの交流送電によるさらなる事業拡大を考えるウェスティングハウスは、彼とビジネスの契約を結ぶことを提案します。テスラはウェスティングハウスに同意し、2人はビジネスパートナーとして電力事業を拡大することになります。そしてウェスティングハウスはナイアガラの滝での電力事業を考えます。
(アン)サラ・ベルナールは当時の国際的な舞台女優であったと語ります。
当時、国際的スターでフランスの舞台女優サラ・ベルナール(レベッカ・ディアン)がアメリカを訪れます。サラはエジソンに会い、彼の蓄音機の前で語ります。ある夜、彼女のパーティーにテスラが現れます。テスラはサラに興味を持ちますが、彼女は自分をただ見つめる真面目そうなテスラを不可解な人物だと感じます。そこへエジソンが現れ、彼はテスラに簡単な挨拶をした後、サラとともに会場を去ります。
(アン)テスラとウェスティングハウスは、ナイアガラの滝を利用した水力発電を行い大成功したと語ります。
アンは父J・P・モルガンにテスラのことを話します。J・P・モルガンはテスラの才能に興味を持ち、ビジネスに投資することを考えます。そしてアンはテスラと食事をします。テスラは事業の夢を語り、コロラド州でテスラ・コイルと呼ばれる共振変圧器の実験を開始すると話します。しかしアンは、現実を無視した妄想だと感じます。
テスラ エジソンが恐れた天才の結末:テスラの夢のテクノロジーの最後
1899年、テスラはコロラド州でテスラ・コイル(共振変圧器)の実験を開始します。しかし、実験中に火災が発生してしまいます。結果、テスラは火災で地元の住民を怒らせてしまいます。失意のテスラは、再び女優のサラ・ベルナールと会います。そしてサラとテスラはお互いに魅かれます。テスラはJ・P・モルガンのオフィスを訪れ、自らの科学実験と事業への出資を求めます。J・P・モルガンはテスラに懐疑的ですが、とりあえず彼に10万ドルの小切手を渡します。
(アン)エジソンは電力事業から鉱山事業に力を向けますが、失敗し多額の損失を出したことを話します。
1901年、テスラはアンに会います。テスラは宇宙人とコミュニケーションできるテクノロジーについて話します。しかしアンは非現実的だと言い、マルコーニの大陸間の無線電信のような現実的なテクノロジーを勧めますが、テスラは乗り気ではありません。そしてアンとテスラは口論になります。
(アン)父がテスラに渡した10万ドルは当時としては大金であったと語ります。
その後、テスラはJ・P・モルガンとアンを訪ねます。テスラは相変わらず自らのテクノロジーについて話しますが、モルガン親子は非現実的な夢物語として、もはや相手にしません。テスラは失意と共に去り、一人“Everybody Wants to Rule the World”.(みんなが世界を支配したい)という歌を歌い始めます。
後年、テスラがベッドで寝ていると、アンが現れます。アンは昔話を始めますが、テスラは無言で去ります。
(アン)アンは結婚し、フランスで子供達のための慈善事業を始めたと語ります。テスラはエジソン、J・P・モルガン、ウェスティングハウスよりも長生きし、1943年7月に86歳のとき、ニューヨークのホテルで独身のまま寂しく死去したと話します。彼の葬儀には二千人を超える人が参列したということです。
以上、映画「テスラ エジソンが恐れた天才」のあらすじと結末でした。
テスラの半生が知れると思ったけど
謎が多いままでラストいきなり歌い出してそのまま終わってちょっと物足りなさが残った