映画に愛をこめて アメリカの夜の紹介:1973年フランス, イタリア映画。映画の撮影現場での様々な出来事を軽快なタッチで描いた名匠トリュフォーの傑作。米国アカデミー賞では外国語映画賞を受賞した(監督賞、脚本賞、助演女優賞にもノミネート)。『第三の男』などで知られる作家グレアム・グリーンが匿名で出演している。
監督:フランソワ・トリュフォー 出演:ジャクリーン・ビセット (ジュリー・ベーカー)、ジャン=ピエール・レオ (アルフォンス)、ジャン=ピエール・オーモン (アレクサンドル)、ヴァレンティナ・コルテーゼ (セブリーヌ)、フランソワ・トリュフォー (フェラン監督)、ダニ (リリアーヌ)、ほか
映画「映画に愛をこめて アメリカの夜」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「映画に愛をこめて アメリカの夜」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画に愛をこめて アメリカの夜の予告編 動画
映画「映画に愛をこめて アメリカの夜」解説
この解説記事には映画「映画に愛をこめて アメリカの夜」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
映画に愛をこめて アメリカの夜のネタバレあらすじ:起
ニースにあるオープンセットでは『パメラを紹介します』という映画の撮影が大詰めを迎えています。
エキストラを大勢使った場面では、アルフォンス(ジャン=ピエール・レオ)という若い男優とアレクサンドル(ジャン=ピエール・オーモン)というベテラン男優がフェラン監督(フランソワ・トリュフォー)の指示の下、何度もリハーサルを繰り返していました。
フェラン監督は左耳が難聴で、いつも補聴器をつけています。監督の仕事は忙しく、各部門のスタッフからの質問や確認を手早く片付けていく必要がありました。
映画に愛をこめて アメリカの夜のネタバレあらすじ:承
映画撮影では色々と大変な事が勃発しますが、最も厄介なのは俳優のトラブルでした。
アレクサンドルと親しかったセブリーヌ(ヴァレンティナ・コルテーゼ)というイタリア人女優がキャスティングされていますが、彼女はアル中で物忘れがひどく、セットの見えない所にセリフを貼っておかないと演技もできません。段取りも何度も間違えるために撮影に手間がかかり、フェラン監督を悩ませます。
監督はそのせいか、撮影中はよく悪夢を見ます。それはローティーンの少年が映画館から『市民ケーン』のスティル写真を盗む、というものでした。
映画に愛をこめて アメリカの夜のネタバレあらすじ:転
年若いアルフォンスはさらに厄介でした。撮影中は長期間に渡って同じホテルに泊まり込むため、彼は交際中の女性リリアンを連れてきていました。しかも監督に無理を言ってスプリクトガールの職も与えてもらっています。
しかし嫉妬深く子供のようなアルフォンスに飽き足りないリリアンは、撮影に参加したスタントマンと駆け落ちしてしまいます。アルフォンスは大きなショックを受け、自分の出演する場面の撮影もできず、自室に閉じこもります。
映画に愛をこめて アメリカの夜の結末
そんな困難な状況を救ったのは、ハリウッドから呼ばれてきたスター女優のジュリー(ジャクリーン・ビセット)です。
アルフォンスと寝て彼の機嫌を直したのはいいのですが、夫にそれがバレてまた騒動に…。しかもアレクサンドルが急死して映画の完成も危ぶまれます。ここでスタッフとキャストは一丸となって事に当たり、アレクサンドルと似た俳優を使って何とか最後の撮影を終了。
ジュリーも夫の寛容さに救われ、離婚も回避されます。一同は撮影の完了を祝い、それぞれが次の仕事に向かっていくのです。
以上、映画「映画に愛をこめて アメリカの夜」のあらすじと結末でした。
「映画に愛をこめて アメリカの夜」は、フランソワ・トリュフォー監督自身が演じる、映画製作についての映画だ。
ニースの撮影所で製作されている映画が完成されるまでを描いた映画で、女優が妊娠したり、スタッフが駆け落ちをしたり、男優が事故死したり、撮影は様々な難問をクリアしながら進行していく。
これは、監督役を演じているトリュフォー自身の体験でもあり、俳優、スタッフたちの人間模様や様々なエピソードは、全て実話に基づいているという。
因みに、タイトルの「アメリカの夜」というのは、フィルターを使って、昼間を夜間に見せる撮影技法のフランスでの呼称だ。
とにかく、この映画はトリュフォーの映画への愛に満ちている。