ロンボックの紹介:2017年ドイツ映画。ドバイの富豪の娘との結婚を目前に、故郷へ婚姻の書類を取りに帰ったシュテファン。昔馴染みのヤク中仲間カイや、元彼女のジェニーと再会した彼は無事にドバイで結婚できるのか?
監督:クリスティアン・チューベルト 出演者:ルーカス・グレゴロヴィチ(シュテファン)、モーリッツ・ブライブトロイ(カイ)、ルイス・ホフマン(ヨナタン)、ヴォータン・ヴィルケ・メーリング(フランク)、アレクサンドラ・ネルデル(ジェニー)、メラニー・ウィガー(ヤスミン)、マヴィー・ホールビガー(ザビーネ)、ダール・サリム、エルマー・ウェッパー(ムショ10年)ほか
映画「ロンボック」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロンボック」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ロンボックの予告編 動画
映画「ロンボック」解説
この解説記事には映画「ロンボック」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロンボックのネタバレあらすじ:起・お相手は富豪の娘
ドバイで弁護士として働き、ヤスミンとの結婚を三週間後に控えた、逆玉の輿目前のシュテファンは、生まれ故郷であるヴュルツブルク市役所に結婚申請書を取りに一時ドイツへ帰国した。
昔から大麻を吸っていた友人のカイが空港でシュテファンを迎えた。カイの恋人ザビーネは息子ヨナタンがインターンの準備をしていない事に困り果て、カイに説き伏せて欲しいと頼むが、カイは助言をするどころか、夜中にヨナタンの部屋から「ポーランドの呪い」という名の大麻を持ち出し、かつてレストランのていで麻薬を提供していた『ロンボック』で、シュテファンに大麻を薦めて吸いながらゲームに興じた。
翌日の土曜日、市役所の窓口に遅刻してしまったシュテファンだったが、ロンドンで美術を学び今は市の文化アドバイザーとして働く元彼女ジェニーのおかげで無事に書類を手に入れる事ができた。シュテファンの父親は、結婚式は大富豪ばかりだと言ってくるのを渋り、大麻をふかしていた。
ロンボックのネタバレあらすじ:承・フライト前のトラブル
シュテファンはドバイへ出発しようと手続きを済ませ、カイと一緒に車に乗って駐車場で待っていると、そこで麻薬捜査官に見つかり、カイは現行犯で摘発された。同乗していたシュテファンにも疑いがかかった。
ヤスミンからの電話で、ドバイでの永住権のために麻薬検査を受けろ言われたが、前日の夜シュテファンも吸っていた。そのためシュテファンは、カイが実はガンを患っていて少しでも一緒に過ごしたいと言い訳をして、大麻が身体から抜けるまで二週間フライトを遅らせる事にした。
カイは相変わらずヨナタンにインターンへ行く説得ができず、彼女のエミリアを訪ねると、すでに別れており、今は自転車を乗り回して変な奴らとつるんでいるらしいという事が分かった。カイはヨナタンがどこへ行くのか車で追いかけ、シュテファンはその道すがらネットで恋人を探して失敗した元彼女ジェニーのフォローをした。
ヨナタンが大麻の運び屋をしている事を突き止めたカイとシュテファンは、麻薬のディーラーは良くないと説き、それでもやめようとしないヨナタンに母親ザビーネに伝えると言うと、ヨナタンは逆に、彼の部屋から大麻を持ち出す二人の映像を見せ、既にクラウド化されていると脅した。
ロンボックのネタバレあらすじ:転・昔はワルだった
二人は、今は『ムショ10年』を名乗り昔この町を牛耳っていた知り合いに、「ヨナタンを止めて欲しい」と頼むが、妻子持ちになった彼はすっかり丸くなっていた。
その夜、シュテファンはジェニーと思い出話に花を咲かせ、結婚前に二人でベッドを共にした。尿検査で大麻が抜けたことを確認したシュテファンがドバイに戻ろうとすると、彼らに大麻を売っていたフランクが捕まり、精神科病院に入れられてしまった。病院で朦朧としているフランクからは、かろうじて『フォルカッハ』という彼の出身地が聞き取れた。
同じくして、大麻の運搬中に男たちに脅され荷を奪われたヨナタンが「二日後までに上役のアラブ人に大麻かお金を渡さないと殺される」と泣きついてきた。黒幕はムショ10年で、大麻の返却に提示された金額は払えるものではなかった。そこでフランクが「いつも持ってきている大麻の栽培場所に行こう」と、フランクを病院から連れ出し、フォルカッハへ向かった。
しかしそこにあったのは豚舎で、うっかり警備員を呼ばれ、パニックを起こしたフランクを黙らせて麦畑に隠そうと、シュテファンはせっかく抜いた大麻を再び吸ってしまった。そしてシュテファンは、弁護士として働いてはいるものの経営には加わっておらず、小遣い程度の月給で彼女の支払いで暮らしているというコンプレックスを吐き出した。
ロンボックの結末:最後の偽造と事実
いつもの調子になったフランクは、自分が売人からちょろまかした大麻を二人に渡し、カイはヨナタンに足を洗うように促し、無事インターンの申請書も仕上げた。しかしザビーネは研修先で新しい恋人を作っていた。
シュテファンはドバイに戻り、ヤスミンと結婚式の最終確認をし、彼女は薬物検査のスケジュールも入れた。真実を話そうとしたシュテファンだったが、カイから話すなというメールと、シュテファンも薬物検査を偽装するために偽の性器と尿を持ってドバイにやって来ていた。
そして、偽装した尿を提出し、パーティーまでこぎつけたシュテファンは、ヤスミン本人が大麻を吸っている事実を知り、ドバイを離れている間にあった事すべてを話し、自分はふさわしくないと話した。そして父親にばらされてシュテファンは国外退去となった。
またロンボックような店をやろうと言うシュテファンとカイは、最後に空港のトイレの屋根裏で大麻をを吸おうとすると、警報機が鳴るのだった。
以上、映画「ロンボック」のあらすじと結末でした。
ロンボックのレビュー・考察:男性版ウェディングブルー
はたから見れば逆玉でいわゆる勝ち組なシュテファン。しかし故郷へ帰ると、昔一緒に悪さをしていた友人や、別れた彼女との再会、逆玉をあまり良く思っていない父親等、後悔がいっぱいあることに気づかされる。挙句、渡航前に大麻に手を出し、20年前に別れたはずのジェニーとまだ挙式や手続き前とは言え、仮にも婚約中に一夜の過ちを犯してしまう。弁護士として社会的信用もあり、富豪の娘と結婚し人生のハッピーエンドを目前にして、自分のコンプレックス、後悔、そして欲望のままに手に入れるはずのものを、すべて失ってしまうのだが、最後にカイと空港で合流する顔は晴れ晴れとしているのが、見ていて気持ち良い。
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