月は上りぬの紹介:1955年日本映画。大スター田中絹代の監督2作目。脚本は小津安二郎が斎藤良輔と共同で執筆している。日活の製作ではあるが笠智衆や佐野周二が出演しているため、まるで松竹映画のような雰囲気になっている。
監督:田中絹代 出演:笠智衆(浅井茂吉)、山根寿子(浅井千鶴)、杉葉子(浅井綾子)、北原三枝(浅井節子)、安井昌二(安井昌二)、三島耕(雨宮渉)、佐野周二(高須俊介)、増田順二(田中豊)、小田切みき(女中文や)、田中絹代(下働き米や)、汐見洋(禅寺の住持慈海)、ほか
映画「月は上りぬ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「月は上りぬ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「月は上りぬ」解説
この解説記事には映画「月は上りぬ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
月は上りぬのネタバレあらすじ:起
奈良の古刹に下宿している安井(安井昌二)のところに、ある日、中学からの親友雨宮(三島耕)がやってきます。雨宮は東京の大日本電気に勤めている技師です。出張で関西に数日滞在することになり、安井の部屋に泊まらせてもらいに来たのです。
話をしていると、浅井節子(北原三枝)が顔を見せました。彼女は近所の浅井家の三女。安井の兄が浅井家の長女・千鶴(山根寿子)と結婚したことで親戚となり、兄が死んだ後も親しくしていました。雨宮も学生時代から浅井家に出入りしていたので旧知の仲です。
月は上りぬのネタバレあらすじ:承
話をするうち、次女である綾子(杉葉子)のことも話題となり、雨宮は彼女がまだ独身であることを知ります。節子は雨宮が綾子のことを話している様子を見て、彼が姉に惚れている、と確信します。
やがて雨宮は浅井家を訪問しますが、綾子の方も雨宮と一緒にいるとどことなく落ち着かず、食事が喉を通らない様子です。どう見ても相思相愛なのに、2人はあと一歩が踏み出せません。
雨宮はやがて東京に帰りますし、綾子にはお節介な叔母から縁談の話が持ち込まれていました。
月は上りぬのネタバレあらすじ:転
21歳ですが末っ子のせいか子供っぽいところのある節子は、2人の態度に業を煮やし、彼らの恋のキューピットになろうと決意。そのことを安井に話し、彼もその恋愛成就計画に巻き込みます。
まず、安井がそれとなく雨宮に綾子をどう思うか探りを入れますが、返事は要領を得ません。節子の方も同様に姉に尋ねるのですが、こちらも曖昧。こうなったら策略をめぐらして2人をくっつけるしかありません。
2人を騙して月夜の晩に猿沢池に呼び出してみると、ロマンチックなムードが功を奏し、ついに彼らはお互いに気持を通じ合わせます。
月は上りぬの結末
雨宮が東京へ戻ると、綾子は後を追うように自分も東京へ。これで節子の目論見は成功でした。ところが就職活動のことで彼女は安井と大喧嘩となり、2人は口もきかなくなります。
住職の紹介で安井は教師として東京へ行くことになりますが、節子との仲はこじれたままです。しかし東京へ向かう土壇場になって2人は和解。お互いが深く好き合っていることを確認し、一緒に東京へ行くことになるのです。
急にバタバタと2人の娘が出て行き、浅井家には父親の茂吉(笠智衆)と長女の千鶴だけが残ります。ただ、千鶴にも高須(佐野周二)という意中の人がいました。茂吉は彼との結婚を勧め、千鶴もその気になりました。
以上、映画「月は上りぬ」のあらすじと結末でした。
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