イカルイトの紹介:2016年カナダ映画。北極圏の町で命を落とした夫の死の原因を探るうちに、カルメンはこの町で夫が若い女性を関係していたことを知った。夫は預かり知らぬ地で何を思い暮らしていたのか。
監督:ベノワ・ビロン 出演:マリ=ジョゼ・クローズ(カルメン)、フランソワ・パピノー(ジル)、ナター・アンガラアク(ノア)、(ビクター)、クリスティン・トゥート(アニ)、Paul Nutarariaq(ダニー)ほか
映画「イカルイト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「イカルイト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
イカルイトの予告編 動画
映画「イカルイト」解説
この解説記事には映画「イカルイト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
イカルイトのネタバレあらすじ:起・北極圏の工事現場で
イヌイットたちが独自の生活を営む北極圏の町、イカルイト。建設作業員のジル(フランソワ・パピノー)は岩山でも、バーでも、一人で酒を飲むことが多かった。
イカルイトに降り立った妻カルメン(マリ=ジョゼ・クローズ)が、崖の下で発見されたジルが運ばれた病院を訪れると、明日には緊急でオタワに搬送すると告げられた。
しかし、その前にジルの容態は急変して亡くなり、検死解剖でオタワに送られることになった。気丈に振舞うカルメンだったが、遺品と共に夫の暮らしていた部屋で初めて泣いた。
イカルイトのネタバレあらすじ:承・ジルの死の謎
カルメンは警察を訪ね、ジルの死因を知ろうとしたが、分かったのは発見者からの通報があったという事だけだった。
ジルの仕事現場を見て帰ろうとすると、カルメンは空港でジルが集めていた彫刻の人形が売られている事に気がつき、帰るのをやめて彫刻を作っている人物を探すことにした。
再びジルの仕事場へと戻り、ジルの部下ノア(ナター・アンガラアク)に出会い、滞在先のホテルまで送ってもらった。
イカルイトのネタバレあらすじ:転・彫刻家パウロシー
ノアから、ジルがコレクションしていた彫刻家を聞き、その元を訪ねると、ジルとは面識があると言った。そして、ジルが住んでいた家の片づけをしていた同僚ビクター(セバスティアン・ユベルドー)から、ジルがイカルイトでイヌイットの女性との間に子供を授かっていたことを知った。
写真の女性の後をつけたカルメンは、まだ20歳で彼の子供を産んだ彼女は、子供を持てなかったカルメンよりもしたたかだった。
ノアをバーに呼び出したカルメンは、ノアの姪アニがジルと関係を持っていた事を話し、怒りを露わにするも、そのまま酒に飲まれて眠ってしまい、翌朝、ノアのテントで目を覚ました。
イカルイトの結末:ジルの死の真相
イワナ釣りについていったカルメンが、ノアを良い猟師だと褒めると、ジルもこの場所が好きだったことを明かした。二人がのんびりしていると、息子ダニーが警察にジルの事を聞かれ、アニと一緒に逃げたと彼の家族が告げに来た。
ダニーとアニを追うと、混乱して猟銃を持ちだしたダニーがいた。ジルを困らせようとしたダニーが崖から突き落としてしまったと、アニからその真相を聞いた。
翌朝、ダニーは岩山の上で一人猟銃で自殺しようとしたが、それができず、ダニーはカルメンに謝罪し、四人はボートでイカルイトの町に戻るのだった。
以上、映画「イカルイト」のあらすじと結末でした。
イカルイトのレビュー・考察:北極圏と言う異世界
同じカナダの中でもイヌイット達が暮らすイカルイトは、冒頭のアザラシを捌いて食べるシーンなど、どこか異質に映る。カルメンもイヌイット達には一線を引いて接しているように映る。しかしノアが神父たちの通う寄宿学校に入れられた件や、浜の近くにある十字架の並ぶ墓地などで、彼らの生活様式の中に、自分の持つ文化圏の物が混じり始めている事に気づき、自らも彼らに歩み寄ろうとしている。
亡き夫が現地で作った恋人に横恋慕する男によって命を落としただけではなく、イヌイットと新大陸に渡った西欧文化のせめぎ合いが見てとれるようだった。
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