デッドロックの紹介:1970年西ドイツ映画。荒野を彷徨い逃げてきた若い殺し屋キッド。腕には何者かに撃たれた傷があり死にかけているところを、この地に住む中年男ダムが見つける。キッドが手にしているのは大金が入ったジュラルミンケース。ダムは大金目当てにキッドを殺しきれず、彼を介抱することに。狂った娼婦、口のきけない美少女が住むここデッドロックに黒ずくめの殺し屋が静かにやってくる。100万ドルを奪い合い、男たちの闘いが繰り広げられる。スピルバーグをはじめ、ホドロフスキーやタランティーノなどの有名監督が絶賛し影響を与えた作品。音楽は、日本人のダモ鈴木がボーカルを務めたクラウトロック(ジャーマン・ロック)を代表する伝説のバンドCAN(カン)が担当。
監督:ローラント・クリック 出演:マリオ・ドルフ(チャールズ・ダム/ネズミ)、マンソニー・ドーソン(サンシャイン/年長の殺し屋)、マルクヴァルト・ボーム(キッド/若い殺し屋)、マーシャ・ラベン(ジェシー/小娘)、シーグルド・フィツェック(エンゾ/おせっかい)、ベティ・シーガル(コリンナ/娼婦)ほか
映画「デッドロック」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「デッドロック」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
デッドロックの予告編 動画
映画「デッドロック」解説
この解説記事には映画「デッドロック」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
デッドロックのネタバレあらすじ:起
炎天下の荒野を歩く撃たれた男キッド(マルクヴァルト・ボーム)。奪った100万ドルもの大金が入ったジュラルミンケースを抱えて、やがて閉鎖された鉱山デッドロックで行き倒れました。
そこを通りかかった監督官ダム(マリオ・ドルフ)。キッドとジュラルミンケースを見つけると、銃を突きつけ家まで運びました。ここデッドロックに住みついているのは、腐れ縁の中年娼婦コリンナ(ベティ・シーガル)と口の聞けない若い娘ジェシー(マーシャ・ラベン)、そしてダムの3人。
動けなくなったキッドは抵抗しますが、「それが命の恩人に対する態度か?」とダムに抑えこまれてしまいました。ダムは採掘会社の代理人で「警察権を行使してお前を殺すことができる」といきりました。
デッドロックのネタバレあらすじ:承
翌日、砂ぼこりを舞い上げてたくさんの荷物を積んだ車がやってきました。食品から必需品まで物資を売り渡るエンゾ(シーグルド・フィツェック)です。軽快なしゃべりで缶詰やウイスキー、トイレットペーパーなどを下ろしダムに金を要求します。
ダムが金を取りに小屋に戻ると、そこにはダムの銃を奪ったキッドの姿がありました。銃口を向けられたダムは「エンゾは懸賞金のためなら母親も殺すような男。発砲すればキッドはエンゾに見つかり首を取られるだろう」となだめ、キッドから銃を取り上げました。
「それなら俺を殺せ!」そう言うキッドにダムは銃を向けましたが、殺すことはできませんでした。
その後、キッドの目の前にジェシーが現れ、心配そうに傷を見つめました。再びダムが現れ、キッドの撃たれた腕に残った弾を取り出してやりました。ダムはキッドを殺すことを諦め、介抱しました。
キッドの話では次の列車で仲間のサンシャイン(マンソニー・ドーソン)が来るとのこと。デッドロックで落ち合い、金を山分けすることになっていたのです。キッドはサンシャインを待っていました。
デッドロックのネタバレあらすじ:転
サンシャインがやってきました。彼は非情な殺し屋でその姿はまるで死神のようでした。ダムをからかっていびりまくり、あっさり金を奪いました。
その夜、キッドはサンシャインに言いました。「金を強奪して列車に乗ったときに誰かに撃たれた。つまり乗る列車がバレていたということだ」キッドはサンシャインの仕業だと言いたい様子でした。
すると2人は外で物音を聞きます。こっそり外を見てみると、ダムが車に荷物を積み夜逃げしようとしているところでした。2人は寝たふりをし、ジュラルミンケースに手をかけようとしたダムの足元を狙って銃を撃ちました。やがてサンシャインはとどめを刺すようキッドに銃を渡しました。キッドはわざと狙いを外しました。
次の日、殺されることを恐れたダムは荷物を持って走って逃げました。そこへ運よく通りかかったエンゾ。車をとめ乗せてもらおうとしました。しかし、後部席から降りてきたのは、なんとサンシャイン。ダムのトラックでキッドも合流します。
逃げまとうダムを執拗に追い回すサンシャイン。その姿を見たキッドは「そんなに奴をいじめて楽しいか」と気乗りしない様子でしたが、サンシャインには関係ありません。スピードを加速させたサンシャインは無残にもダムを轢き殺しました。
デッドロックの結末
ダムがいなくなったことを心配したジェシーは2人の周りをうろついていました。邪魔者を消した2人は金を山分けし、その夜、ダムはジェシーを抱きました。
翌日になり、2人は発ちました。トラックの後をずっとついてくるジェシーに見かねて一度車を降りたキッド。しかしその一瞬の隙を見計らい、サンシャインはキッドに銃を向けました。サンシャインはキッドを裏切り、金とともに去っていきました。しかしこれはすべてキッドとジェシーが仕組んだことでした。
嫌な予感がよぎったサンシャインが車をとめジュラルミンケースを見てみると、そこに金はなく“すまない、老いぼれ”と書かれたメモが残されていました。自分の取り分もろとも奪われたサンシャインは怒りに震えました。再びデッドロックに引き返すと、銃を乱射しコリンナを撃ちました。そして、キッドの目の前でジェシーも撃たれてしまいました。
金のありかを教えろと詰め寄るサンシャインでしたが、キッドは動じませんでした。彼にとって命などどうでもよかったのです。サンシャインは「金なんてどうでもいい、くれてやる」と言い残し、去っていきました。
以上、映画「デッドロック」のあらすじと結末でした。
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