ナイトウォッチの紹介:1997年アメリカ映画。オーレ・ボールネダル監督作品「モルグ(1994年)」をユアン・マクレガー主演でセルフリメイク。深夜の死体安置所を舞台に、恐ろしい狂気を描くサスペンス作品。卒業を控えた大学院生マーティンは、死体安置所で夜警のアルバイトを始めた。世の中では娼婦を狙った陰惨な連続殺人事件が起きており、死体安置所にはその被害者も運ばれて来る。怯えつつも仕事をこなすマーティンだったが、彼の周囲で不気味な出来事が起こり始めていた。
監督:オーレ・ボールネダル 出演者:ユアン・マクレガー(マーティン)、ニック・ノルティ(クレイ警部)、ジョシュ・ブローリン(ジェイムズ)、パトリシア・アークエット(キャサリン)、ローレン・グレアム(マリー)ほか
映画「ナイトウォッチ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ナイトウォッチ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ナイトウォッチの予告編 動画
映画「ナイトウォッチ」解説
この解説記事には映画「ナイトウォッチ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ナイトウォッチのネタバレあらすじ:夜警のアルバイト
1990年代のアメリカ。大学院生のマーティンは、金を稼ぐため検視施設で夜警のアルバイトを始めました。世間では娼婦を狙った連続殺人事件が起きており、その被害者も死体安置所に運ばれて来ます。
マーティンは自分の前任となる年配の警備員ジョンソンに挨拶し、施設内を案内して貰いました。1時間毎に各部屋を巡回し、異常がないことを確認するのが主な仕事です。死体安置所にはコードがあり、死体が蘇った時それを引くと非常ベルが鳴るシステムになっていました。警報が鳴った時は当直医に知らせろと話すジョンソンに、マーティンは顔を引きつらせます。
ジョンソンは1960年代に起きた、ある異常な事件について語りました。当時働いていた夜警が、死体安置所の遺体をレイプしたことがあったそうです。しかし世間体を考え、その夜警は刑罰に問われず解雇されました。ジョンソンは説明し終えると、一応と言って木製のバットをマーティンに手渡します。
マーティンは怯えつつも仕事を始めましたが、友人達には平気な顔を見せていました。悪友ジェイムズは笑い、彼の恋人マリーと、マーティンの恋人キャサリンは心配そうに顔色を曇らせます。
ジェイムズはふと、刺激に鈍感になってきた自分のことを話しました。もっと強烈な刺激を欲する彼は、初めてジョイスという名の娼婦を買ったとマーティンに打ち明けます。ジェイムズは、キャサリンの目を盗んでマーティンもジョイスに会うよう言い出しました。
ナイトウォッチのネタバレあらすじ:奇妙な出来事
マーティンは少しずつ仕事に慣れていきました。そんなある夜、娼婦連続殺人事件を担当するクレイ警部がやって来ます。彼は警部補のビルと共に、事件の被害者を見に来たのでした。クレイ警部は、映画などとは違い実際の殺人鬼は動機など持っていないと話します。
別の日、マーティンが1人詰所で勉強していると、突然非常ベルが鳴り響きました。慌てて当直に電話をすると、誤報だと思われるので原因を調べてくれと言われます。マーティンが恐る恐る死体安置所へ行くと、死体のひとつがうめき声と共に起き上がりました。マーティンの絶叫に、ジェイムズの笑い声が重なります。彼はマーティンをからかいに来たのでした。その後やって来た当直医は、言い訳をするマーティンを明らかに侮蔑して帰っていきます。
後日、マーティンとジェイムズはレストランでジョイスに会いました。ジェイムズは性的に異常な客の話を聞かせろとねだります。ジョイスが語ったのは、死体ごっこを楽しむ奇妙な客の話でした。彼女はそれが連続殺人犯の正体ではないかと怯えている様子です。
夜、マーティンがいつものように死体安置所へ巡回に行ってみると、死体がひとつ消えていました。連続殺人の被害者です。床には引きずったような血が付着しており、マーティンが急いで辿ってみると廊下の奥に遺体が座り込んでいました。
すぐに当直と警察へ連絡し、当直医と共に現場へ行ってみると、おかしなところは何もありません。遺体は元に戻っており、血痕もありませんでした。当直医はマーティンの精神状態を疑い、クレイ警部は心配して連絡先を渡します。
ナイトウォッチのネタバレあらすじ:犯人の罠
ある日、キャサリンの前にジョイスが突然現れました。彼女はマーティンと寝たと話し、死体ごっこをやめさせてと言い出します。ジョイスは連続殺人事件の犯人に薬物を投与され、マーティンを陥れるよう脅されていました。そうとは知らないキャサリンは、マーティンが裏切ったのだと誤解し絶望します。
キャサリンに責められ、ジョイスの行動に戸惑うマーティンの身に、更に事件が起こりました。死体安置所の遺体が屍姦されたのです。その時間施設内にいたのはマーティンだけでした。周囲がマーティンを疑う中、クレイ警部だけは潔白を信じると言います。
クレイ警部は、連続殺人犯がマーティンを利用していると推理しました。犯人はもう殺人をやめようと考えており、警察の捜査を終わらせるために自分の身代わりを作ろうとしているのだと。その身代わりに選ばれたのがマーティンでした。マーティンは疑心暗鬼になり、当直医やジェイムズまでも疑ってしまいます。
一方、犯人に操られたジョイスは、命令されるがままマーティンの部屋に電話をかけます。そして自宅の住所を留守電に残しました。そのメッセージを聞いたキャサリンは激怒し、ジョイスの部屋を訪れます。そこで彼女が見たのは、ジョイスの惨殺体でした。キャサリンは急いで通報しようとしますが、ドアの向こうに気配を感じて動きを止めます。
犯人はまだ部屋の中にいたのです。キャサリンは息を殺してジョイスの部屋から逃げ出しました。その後ドアの向こうから現れたのは、クレイ警部です。彼こそが娼婦連続殺人事件の犯人でした。
クレイ警部はキャサリンがいたことに気付かず、マーティンに罪を着せるための工作を行います。予め提出させておいたマーティンの精液をジョイスの遺体に付着させ、彼女の指で「マーティン」と血のダイイングメッセージを偽装しました。
ナイトウォッチのネタバレあらすじ:疑問点
ジョイスの遺体が発見され、警察はマーティンが犯人だと断定します。ビルがマーティンの部屋を訪ね、その場にいたキャサリン、ジェイムズ、マリーに事情を説明しました。すると、ジェイムズがダイイングメッセージについて疑問を口にします。
実は、マーティンとジェイムズはジョイスに対し、互いの名前を名乗っていたのです。つまりジョイスはマーティンの名前を「ジェイムズ」だと思い込んでいるはずでした。更に、キャサリンは自分が発見した時にはダイイングメッセージなど無かったと証言します。ビルは驚き、マーティンの犯行であるという結論に疑問を抱きました。
一方、マーティンはかつて屍姦の罪を犯した夜警について調べていました。施設内で資料を漁った彼は、それがクレイ警部であったことを知ります。マーティンはクレイ警部こそが真犯人だと確信しました。
ナイトウォッチの結末:クレイ警部の狂気
クレイ警部は検視施設を訪れ、マーティンに罪を着せるための最後の仕上げに入ろうとします。しかしそこにキャサリンが現れました。キャサリンがジョイス殺しの現場にいたことを知ったクレイ警部は、マーティンを死体安置所に閉じ込め、彼女を殺害しようとします。
マーティンは窓を割って脱出しましたが、キャサリンと共にクレイ警部に捕まってしまいました。すると、遅れてジェイムズとビルも施設に到着します。クレイ警部はマーティン達を部屋に閉じ込めた後、何食わぬ顔でビル達の前に現れました。計画の破綻を感じた彼は、今度はジェイムズに罪を着せようとします。
その時、施設内に非常ベルが鳴り響きました。助けを求めるキャサリンがスイッチを押したのです。これ以上誤魔化せないと悟ったクレイ警部は、ビルをバットで撲殺。ジェイムズを手錠でパイプに繋ぎ、先にマーティン達を始末することにします。
現れたクレイ警部に、マーティンは「どうしてだ」と問いかけました。クレイ警部は「殺す理由を聞いても無意味だ」と淡々と答えます。そしてマーティンを殺害しようと手を伸ばした瞬間、銃声が響きました。ジェイムズが自ら親指を切断して脱出し、助けに来てくれたのです。
クレイ警部はジェイムズに射殺され、マーティン達は無事警察に保護されました。傷つき果てたマーティン達が検視施設を後にし、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ナイトウォッチ」のあらすじと結末でした。
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