ミュータント・ハンドの紹介:1991年アメリカ映画。新薬によって作り出された奇怪な腕の恐怖を描くSF作品。科学者ハリソンは、父の研究を継いで万能薬「プラスミド」を作ろうとしていた。ある日、やっと完成したプラスミドは母ヘレナとその恋人ヴォーン博士に奪われそうになる。2人はプラスミドを金儲けに利用しようとしていた。諍いを起こしたハリソンはその騒ぎで右腕を切断してしまう。ヘレナ達から逃げたハリソンはプラスミドを自分自身に投与。すると切断された右腕が蘇生した。喜ぶハリソンだったが、腕は体を離れて次々と惨劇を引き起こしてしまう。
監督:デイモン・サントステファーノ 出演者:ビリー・モリセット(ハリソン・ハリソン)、エルケ・ソマー(ヘレナ・ハリソン)、オリヴァー・リード(ヴォーン博士)、ギャレット・モリス(ストライプス)、ロジャー・ペルコヴィチ(ローレンス)ほか
映画「ミュータント・ハンド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミュータント・ハンド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ミュータント・ハンドの予告編 動画
映画「ミュータント・ハンド」解説
この解説記事には映画「ミュータント・ハンド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミュータントハンドのネタバレあらすじ:奇跡の新薬
1990年代のアメリカ。若き科学者ハリソン・ハリソンは、同じく科学者だった父の遺志を継いで万能薬「プラスミド」の研究を行っていました。プラスミドは、完成すれば欠損した肉体の蘇生すら可能になる奇跡の新薬です。ハリソンの父も長年研究を続けていましたが、志半ばで死去してしまいました。
ハリソンの脳裏には、錯乱した父が研究のメモを燃やし、血まみれで炎に包まれる姿が映っています。それ以降、ハリソンは燃え残ったメモを手がかりに研究を続けていました。ハリソンは連続殺人犯の死体とトカゲからそれぞれ遺伝子を採取し、融合させることでプラスミドを作ろうとしますが上手くいきません。
実験はハリソンを溺愛する母ヘレナとその恋人ヴォーン博士によって監視されていました。2人はプラスミドで一儲けしようと企んでおり、完成を急がせています。そんなある日、ハリソンはついに実験に成功しました。金色に輝くプラスミドに大喜びするハリソンですが、成功を知ったヘレナとヴォーン博士が実験室に現れ、プラスミドの瓶を奪います。
2人と揉み合いになったハリソンは分厚いドアに右腕を挟まれました。腕はそのまま切断されてしまい、ハリソンは凄まじい痛みに悶えながら、プラスミドを持って外へ逃げ出します。傷口にプラスミドを注射すると、激しい痙攣の後、突然異形の腕が生えて来ました。その腕は意思を持ってハリソンを攻撃しようとします。しばらくすると、腕は完全に人間のものになり、制御も出来るようになりました。
ミュータントハンドのネタバレあらすじ:異形の腕
翌日。ヘレナとヴォーン博士は、一刻も早くハリソンを見つけるよう警察に圧力をかけます。逃げ回っていたハリソンはホームレスの黒人男性に絡まれました。彼の名前はストライプス。片足を失い、現在は義足で生活しています。彼は昨夜ハリソンがプラスミドで腕を蘇生させたところを目撃していました。
プラスミドを奪ったストライプスは、ホームレスが集う地下にハリソンを連れて行きます。そこでは「牧師」と呼ばれる男性が礼拝のような集会を開いていました。牧師はハリソンを異端だと騒ぎ、ナイフで殺害しようとします。すると右腕が勝手に動いたと思うと、ハリソンの体を離れて牧師に襲い掛かりました。驚くハリソンの目の前で、右腕は牧師の顔面の皮を剥ぎ取り殺害してしまいます。
乱暴な牧師を嫌っていたストライプス達は喜びました。ハリソンは、自分の腕に殺人犯とトカゲが存在しているのだと思い至り項垂れます。プラスミドの効果でハリソンの視界が腕にも伝わり、毛穴が発達して口まで出来ていました。ハリソンは腕に話しかけ、何とか制御出来るようにします。
騒動を見ていたストライプスは、自分にノーマルな脚を生やしてくれと頼み込みました。はじめは無理だと断っていたハリソンですが、牧師が使っていた蒸留器を見て可能性を感じます。彼はホームレス達に、一緒に世界を変えようと話しました。遺伝子の支配から救うと宣言するハリソンに、ストライプス達は戸惑いつつも協力することにします。
ミュータントハンドのネタバレあらすじ:喜びと憎しみ
実験に意欲を見せたハリソンの前に、美しい女性が現れました。彼女は牧師に虐げられていたホームレスで、自分を救ってくれたハリソンに好意を抱いているようです。ハリソンも美しく優しい彼女にすぐ夢中になりました。口が利けず、名前も話せない彼女のために、ハリソンは「イヴ」という名前を付けます。
ハリソンは必要な薬品を実験室から取って来るよう腕に命令し、腕の運搬役をイヴに頼みました。薬品の調達自体は成功しましたが、その現場をヘレナとヴォーン博士に目撃されてしまいます。2人はプラスミドを作ろうとして何度も失敗しており、大金が動く契約も立ち消えそうになって焦っていました。不気味な腕を目撃した彼らは、ハリソンがどこかで実験しているのだと気付きます。
ハリソンはストライプスの遺伝子を使ってプラスミドを作り出し、彼に新しい脚を与えました。ストライプスは大喜びでハリソンに抱きつき、皆でお祝いのパーティーを開きます。ヘレナの支配の下、ずっと孤独だったハリソンは初めて出来た友人達と一緒にパーティーを楽しみました。そして以前ヘレナから貰った指輪をイヴに贈ります。
幸せに包まれるハリソン達でしたが、そこに銃を持ったヘレナとヴォーン博士が現れました。彼らはホームレスを1人射殺し、攻撃しようとしたハリソンの右腕も撃ち落とします。ハリソンは父を殺害したのはヘレナだと糾弾しますが、それに構わず2人はイヴとプラスミドを奪い去っていきました。
ミュータントハンドのネタバレあらすじ:救出作戦
ハリソンは激しい怒りの中、牧師の遺伝子でプラスミドを作り、右腕に何度も注射します。すると凶暴な腕が数本新しく生まれました。腕はハリソンが気を失っている間に、4人ものホームレスの命を奪ってしまいます。ハリソンは自分の腕を肩に押し込み、残る腕にも言うことを聞けと命令しました。
彼は腕にヘレナ達を襲わせ、イヴを救出しようと考えます。生き残っていたストライプスを説得し、一緒に救出へ向かいました。イヴはハリソン家の実験室で拘束されています。ヴォーン博士はプラスミドをどんどん作ろうと、科学者のローレンスとユタを実験に参加させました。ヘレナはハリソンのことを諦めておらず、どうにかして連れ帰ろうと思っています。
そこへハリソンの軍隊となった異形の腕が現れ、攻撃を仕掛けました。ローレンスとユタを殺害し、イヴを救出しようとする腕達。しかしヴォーン博士の必死の抵抗で始末されてしまいます。ハリソンはイヴを助けるため実験室へ飛び込みました。
ミュータントハンドの結末:おぞましい悲劇
ヘレナはハリソンの心を奪ったイヴに強い憎しみを抱いていました。ヘレナは逃げようとするイヴを捕まえ、融合ガスが充満した実験機器の中へ押し込みます。止めようとしたハリソンはヘレナと揉み合いになりました。ハリソンに殺意を向けるヴォーン博士は、ハリソンの右腕によって殺害されます。
その騒ぎの結果、イヴとヘレナが機器の中に閉じ込められました。2人は攪拌されて肉体を失い、遺伝子が融合してしまいます。絶望するハリソンの前で、プラスミドによってイヴが再生されました。喜んだハリソンは彼女を抱き上げ、ストライプスと合流して実験室から脱出します。
実験室から火の手が上がり、瞬く間に燃え広がりました。庭にイヴを寝かせたハリソンは、右腕が彼女を威嚇していることに気付きます。目を開いたイヴは、ハリソンを抱き寄せ「ママを愛してる?」とヘレナの声で笑いました。イヴとヘレナが融合した結果、体はイヴ、心はヘレナという生物が生まれてしまったのです。ハリソンは今度こそ絶望で絶叫しました。
そして時間は経過し、ハリソンは絶望の中イヴの顔をしたヘレナと暮らしていました。彼は車椅子に鎖で拘束され、逆らう気力もありません。そんな彼に、ヘレナは恐ろしい計画を口にしました。ハリソンとヴォーン博士を融合させ、理想の男性を創りたいと言い出したのです。ヘレナは嫌がるハリソンの車椅子を無慈悲に押し始めました。ハリソンの悲鳴が響く中、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ミュータント・ハンド」のあらすじと結末でした。
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