遠い雲の紹介:1955年日本映画。『日本の悲劇』『女の園』『二十四の瞳』といった傑作群の後、木下惠介が少し肩の力を抜いて脚本演出したメロドラマ。未亡人と彼女の幼馴染との恋模様を飛騨高山を舞台に描く。前年、木下監督の『女の園』でデビューした田村高廣がこの映画でも好演。木下作品には三作連続での起用となった。
監督:木下恵介 出演:高峰秀子(寺田冬子)、佐田啓二(寺田俊介)、高橋貞二(石津幸二郎)、田村高廣(石津圭三)、中川弘子(石津貴恵子)、小林トシ子(野島時子)、市川春代(お次)、桂木洋子(芸者千成)、ほか
映画「遠い雲」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「遠い雲」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「遠い雲」解説
この解説記事には映画「遠い雲」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
遠い雲のネタバレあらすじ:起
石津圭三は久しぶりに生まれ故郷の高山に帰ってきました。駅で出迎えたのは母と妹の貴恵子、それに女中のお次です。
林野庁に勤めている圭三はこのあと辞令により北海道に転勤するのですが、帰省しやすい今の時期に実家でのんびりしようと考えたのです。
家に向かう途中では野島時子に出会い、貴恵子は家に遊びに来るように誘います。石津家は造酒屋、そして時子は小売の酒屋の娘なので、昔から付き合いがありました。時子は実は圭三のことが好きなのですが、ずっとその事を告げられずにいます。
遠い雲のネタバレあらすじ:承
圭三は実家に落ち着くと改めて墓参りに行きます。そこで久しぶりに顔を合わせたのが、時子の姉の冬子でした。彼女は圭三と相思相愛の仲だったのですが、父親が融資を受けるために裕福な寺田家に嫁ぎました。
その結婚は3年続き、夫の敏彦が病没。未亡人となった冬子は一人娘絹子とともに寺田家で暮しています。
その時は少し話をしただけでしたが、圭三は帰宅してからも美しい冬子の姿が忘れられません。鬱々とした気分でいる圭三に、兄の幸二郎が飲みに行こうと誘います。
遠い雲のネタバレあらすじ:転
ところが幸二郎の馴染みの芸者千成と飲み屋で遭遇。千成が冬子の亡夫である敏彦の愛人だった事を知らされ、圭三の気持ちは却って荒れてしまいます。彼の冬子への恋情は高まるばかりです。
やがてジャズバンドが高山にやってきて、映画館でコンサートを行なうことになります。貴恵子から行こうと誘われても圭三は気乗り薄でしたが、冬子も誘うと聞いて俄然行く気になります。
圭三は映画館に遅れてやってきた冬子を外へ連れ出し、自分の気持ちをそれとなく告白。明日滝のそばで会うことを約束させます。
遠い雲の結末
翌日、冬子と会った圭三は結婚を彼女に迫ります。しかし冬子は娘と寺田家で暮らすことに満足している上に、義弟である俊介との結婚話も持ち上がっていました。
ところが圭三と会った事が町の噂となり、そのことで冬子の心が揺れ動く事になります。圭三が待つ駅へ向かう冬子。切符も買って改札を抜けようとしますが、ちょうど出張から帰ってきた俊介と鉢合わせします。
事情を悟った俊介は冬子を説得。踏ん切りのつかない冬子は結局俊介と帰宅するのです。そして圭三を乗せた列車は東へと走り去ります。
以上、映画「遠い雲」のあらすじと結末でした。
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