アミューズメント・パークの紹介:1973年アメリカ映画。家族連れやカップル、若者たちでにぎわう遊園地。白いスーツに身を包んだ優しそうな老人はひとり、罵られ、突き飛ばされ、頭から流血し、スーツはボロボロ。孤独と屈辱に耐えられず、行き場を失った老人は泣き崩れ、精神が崩壊する。そして遊園地を出ると…。ゾンビ映画の巨匠・ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手掛けた幻の未発表作。年齢差別や高齢者虐待について世間の認識を高めるために、ルーテル教会がロメロに依頼し製作されたものの、あまりの衝撃的な内容に依頼者は慄き、危険なため封印されていた。2019年に存在が発見され4Kレストアが行われた。
監督:ジョージ・A・ロメロ 出演:リンカーン・マーゼル、ほか
映画「アミューズメント・パーク」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アミューズメント・パーク」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アミューズメント・パークの予告編 動画
映画「アミューズメント・パーク」解説
この解説記事には映画「アミューズメント・パーク」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アミューズメントパークのネタバレあらすじ:起
白い部屋にうなだれている老人。
頭からは流血しており、白いスーツは泥だらけ。椅子にうなだれるように腰をかけ、視点の合わないうつろな目で唸っていました。
その部屋にもうひとりの老人が入ってきます。こちらの老人はアイロンがかけられた白いスーツに綺麗な身なり。血色もよく好奇心旺盛な様子でボロボロの老人に訪ねました。
「外出しないのか?」と。
ボロボロの老人は
「外は楽しくないぞ」と答えました。
しかし、後からきた老人は
「過去の人生観を見直し、ポジティブに人生を謳歌せよ」と助言すると、白い部屋か出て外の遊園地へ意気揚々と繰り出していきました。
アミューズメントパークのネタバレあらすじ:承
遊園地はたくさんの家族連れやカップル、若者たちで賑わっていました。
人混みに圧倒されて戸惑う老人にぶつかりそうになった女性から「前を向いて歩いてよ!」とヒステリックに言い放たれました。
老人はさらにごった返す人の間をふらつきながら歩いていくと、再び人とぶつかった反動で眼鏡を落とし、踏まれてしまいます。
そんな老人に遊園地スタッフは「65歳以上はバスに乗れ」と冷たく言いました。老人はしかたなくバスに乗り移動するのでした。
その後、老人は園内のレストランで食事をとろうとしました。
しかし、店員は富裕層の男に付きっ切りでサービスをしているため、老人と、その他の老人客はまったく相手にされません。
やっと提供された料理は、富裕層の男が食べているものと比べて明らかに質素で見るからに不味そうでした。しかも料理提供が遅れたことへの謝罪はありませんでした。
アミューズメントパークのネタバレあらすじ:転
その後、老人はゴーカートに乗ろうとすると、他の客の事故を目撃します。
若者が運転する車に高齢者がぶつかってきたというのです。しかし実際は若者の過失による事故でした。
老人は目撃した通りに警察官に訴えますが、ぶつかったドライバーも高齢者であったことから、老眼や判断能力がないと決めつけられてしまいました。
さらに園内を歩くと、今度はバイクに乗った若者たちに囲まれます。暴行された上、園内チケットをすべて取られてしまいました。
しまいにはスリの被害にもあってしまいます。
ショーを観るために劇場に入ると、舞台に登場したのは何人もの老人。
ショーを楽しみにしていた人々は大激怒し、観客席に老人を見つけると「お前も仲間か!」と言いながら大勢で追い回しました。
アミューズメントパークの結末
身も心もズタズタにされ、肩を落として歩いていると少女から手招きをされました。
「これを私に読んでほしい」と絵本を差し出します。
存在を認められ、人に必要とされる喜びを感じながら、一生懸命読み聞かせる老人。
しかし、それも中断を余儀なくされてしまいます。
少女は母親に手を引かれ去ってしまいました。
老人は追い詰められ、ボロボロになりその場に倒れ込みむせび泣きました。
肩を落とし歩く老人の後ろ姿に重ねて、メッセージが現れます。
“誰もが行き着く先・・・”
老人は遊園地を出て白い部屋に戻ってきました。
うなだれるように椅子に腰かけ、うつろな目で唸っています。
そこへもうひとりの老人が入ってきました。
「外出しないのか?」と。
以上、映画「アミューズメント・パーク」のあらすじと結末でした。
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