選ばなかったみちの紹介:2020年イギリス, アメリカ映画。ニューヨークに住むメキシコ人移民レオ。作家であったが、若年性認知症を患い、誰かの助けがなければ自立した生活を送ることができない。献身的に介護をする娘モリーやヘルパーとの意思疎通も困難な状況に。そんなレオをモリーが病院へ連れ出そうとアパートを訪れた、ある朝からの24時間を描いた物語。レオはモリーといながらも初恋の女性と出会った故郷メキシコ、作家生活に行き詰まり一人旅をしたギリシャなど、娘の知らない世界の景色を脳内で従来する。実際にサリー・ポッター監督の弟が若年性認知症と診断され、自身の経験を基に書き下ろされた作品。
監督:サリー・ポッター 出演:ハビエル・バルデム(レオ)、エル・ファニング(モリー)、ローラ・リニー(リタ)、サルマ・ハエック(ドロレス)、ブランカ・カティッチ(クセニア)、ミレナ・チャーントケ(アンニ)ほか
映画「選ばなかったみち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「選ばなかったみち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
選ばなかったみちの予告編 動画
映画「選ばなかったみち」解説
この解説記事には映画「選ばなかったみち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
選ばなかったみちのネタバレあらすじ:起
ニューヨーク。
ヘルパーから連絡を受け、アパートの鍵を開けてくれない父レオを心配して急いで駆け付ける娘モリー。記者として日々忙しいモリーでしたが、今日はレオを歯医者と眼科へ連れていかなくてはいけない日でした。
ベッドに寝たままほとんど動かないレオ。
故郷のメキシコでの記憶を蘇らせていました。
メキシコの記憶。
初恋の女性、ドロレスが“死者の日”を迎え、墓地へ行こうとレオを誘っています。しかし、なかなか決心のつかないレオを置いて、ドロレスはひとり家を出てしまいます。
モリーに見守られた現在のレオが、うつろに見つめる視線の先には、今は亡き愛犬の写真が飾られていました。
「ネスター…」愛犬の名前を呼ぶレオに、写真を近くで見せてあげるモリー。そんな父をモリーは献身的に支えていました。
どうにか着替えを済ませ、歯医者を訪れた父娘でしたが、レオとの意思疎通ができず医師はイラつきを見せました。
歯医者をあとにした父娘はタクシーに乗り込み、眼科へ向かいました。ところが、その途中、レオに過去の記憶が蘇り、タクシーから飛び降りてしまいます。
選ばなかったみちのネタバレあらすじ:承
メキシコの記憶。
墓地に向かって車を走らせたドロレスを追ってレオも一緒に乗り込みましたが、2人は言い争いとなり、結局レオは車を飛び降りてしまいました。
現在のレオ。
怪我をして救急車で病院に運ばれたレオはドロレスの名前を口にしていました。モリーはレオの元妻で自分の母であるリタを呼びましたが、リタは、レオは仮病だと決めつけろくに見舞うこともせず立ち去ってしまいました。
病院を出て眼科へ向かったレオとモリーは、眼科医からひどい扱いを受け、父の名前すら呼んでもらえないことに苛立ちます。
レオは再び過去の記憶を旅します。
ギリシャの記憶。
小説の執筆に行き詰まったレオは、海辺で知り合った若いドイツ人女性アンニに物語の顛末を相談していました。その後、彼女に再会したレオは自身について話しました。作家活動のために家族を犠牲にしたことで後悔の念を抱いていました。
選ばなかったみちのネタバレあらすじ:転
一方、モリーは長引く父の付き添いのため、チャンスをつかみかけていたライターの仕事を失ってしまい、レオに辛く当たります。「パパのために決断をしなくてはならない」と。
モリーはレオをアパートへ送り届けましたが、泣きだす父を置いていくことはできず、泊まることにします。レオもまた苦しんでいたのです。
しかし、夜モリーが寝ている間にレオは裸足のまま外へ出て夜の街を徘徊してしまいます。モリーが必死に父を探しますが見つかりません。
その頃、レオの脳内では亡き息子の記憶が蘇っていました。
レオは交通事故で亡くした事故現場で泣き崩れています。その後、墓地へ向かったレオは、ドロレスに抱き寄せられながら、やっと亡くなった息子への想いを吐き出すことができました。ドロレスと心を重ね合わせた夜。墓には2人の子供の名前“レスター”と刻まれていました。
選ばなかったみちの結末
しばらくすると、タクシーの運転手が徘徊するレオを見つけ、警察に無事に保護されました。
その頃、モリーは父の部屋でみつけた写真から、彼と過ごした一日を振り返り、過去に苦しむ父を知りました。
自宅に戻りながら、レオの心はギリシャを見ていました。
アンニが乗るクルーズを追って、ひとりボートで沖に出るレオ。しかし、戻ることができなくなり、ボートに横たわったままじっと動かず、人生の最期を迎えるという幻想を見ていました。
レオは自分の選んだ今の道や、アメリカに移住したために犠牲にしたことなど、押し寄せる様々な感情に打ちひしがれていました。
しかし隣に寄り添うモリーに目をやると、レオは現実に立ち返り、父親として選んだ今の人生を受け入れるかのように、久しぶりに「モリー」と娘の名を呼んだのでした。
一方、モリーは父のもとを去りアパートを出て行く自分の選ばなかった姿を想像しながら、父と固く抱き合うのでした。
以上、映画「選ばなかったみち」のあらすじと結末でした。
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