シラノの紹介:2021年イギリス, アメリカ, カナダ映画。1897年にパリで初演となり、以降舞台や映画等数々の形で作品となった、エドモン・ロスタンの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」。他の男を愛する女を深く愛し、それを成就させるために動いた主人公シラノの悲哀を描いています。不朽の名作を見事に再現したミュージカル映画。
監督:ジョー・ライト 出演:ピーター・ディンクレイジ(シラノ)、ヘイリー・ベネット(ロクサーヌ)、ケルビン・ハリソン・Jr.(クリスチャン)、ベン・メンデルソーン(ド・ギーシュ)、ほか
映画「シラノ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シラノ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シラノの予告編 動画
映画「シラノ」解説
この解説記事には映画「シラノ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シラノのネタバレあらすじ:起
17世紀のフランス。剣の達人であり、詩の才能もあるシラノ(ピーター・ディンクレイジ)は、文武両道の剣士として知られていました。しかし実際は自分の外見に自信を持つことができず、そのためにずっと思いを寄せているロクサーヌ(ヘイリー・ベネット)に気持ちを伝えられずにいます。
ある日、ロクサーヌから呼び出されたシラノ。告白されるのかと期待して向かうものの、それはロクサーヌがシラノの部隊にいるクリスチャン(ケルビン・ハリソン・Jr.)に想いを寄せているという恋の相談だったのです。
実はクリスチャンがロクサーヌに想いを寄せている事を、シラノは知っていました。シラノは胸の痛みをこらえ、文才のないクリスチャンのために、ロクサーヌへ送る手紙の代筆を引き受けるのでした。
シラノの見事な内容の手紙をクリスチャンのものだと喜ぶロクサーヌ、内容に感動し文通は続きました。ロクサーヌはある日、二人で会いたいと提案し、クリスチャンと会います。しかし、クリスチャンはシラノが手紙に書いたような感動的なセリフを口にすることができません。
そのあまりにもかけ離れたイメージにロクサーヌは戸惑い、立ち去ってしまいました。二人の仲をどうにか取り持ちたいシラノは、クリスチャンをロクサーヌのバルコニーの下に立たせ、陰で隠れているシラノの言葉をクリスチャンに伝えさせます。
シラノのネタバレあらすじ:承
その言葉をクリスチャンの言葉と信じたロクサーヌはいたく感動し、クリスチャンを呼び寄せるとキスをしました。その姿を見てシラノはさらに胸を痛めました。
ド・ギーシュ公爵(ベン・メンデルソーン)という男が、以前からロクサーヌに求婚していました。何かと強引な男で、もちろんロクサーヌにはその気はありません。ロクサーヌは嘘をついてまでクリスチャンと結婚しようとします。
二人の結婚式に現れたギーシュは、一介の兵士と結婚したロクサーヌに強い怒りを見せ、クリスチャンを出兵させることを決めました。
出兵していくクリスチャンを呆然と見送るロクサーヌ。ロクサーヌはシラノにクリスチャンを守るよう願います。シラノは、約束はできないが手紙は書くように伝えると話しました。
戦地に赴いたシラノとクリスチャン。相当に過酷な状況でしたが、シラノは危険を顧みずクリスチャンを語り、ロクサーヌのために手紙を出し続けたのです。
シラノのネタバレあらすじ:転
戦況から兵士たちは次々と自らの死を覚悟し始めます。クリスチャンも同様でした。ある日、自らの言葉を手紙に綴り、ロクサーヌに送りたいと考えたクリスチャンでしたが、シラノは断ります。
クリスチャンがシラノの書いた手紙を見せてくれと願い、シラノの書いた手紙を見たとき、その心のこもった内容と涙を流した跡を見て、シラノもロクサーヌを愛しているのだと気づきます。
ロクサーヌは手紙の中のクリスチャンを愛してるのだと、本当にロクサーヌを愛しているのは誰かを悟ったクリスチャン。それをシラノに問い詰めるも、シラノは首を振ります。その後、何かを覚悟したかのように前線に飛び出したクリスチャンは、敵に狙撃されてしまいました。
シラノはクリスチャンを抱き起こし、最後の手紙を彼の胸ポケットに入れました。
シラノの結末
3年の月日が経ちました。シラノは無事戦いを生き抜きました。しかし、傷だらけのシラノはろくに食事もとらず、段々と弱ってきています。そんな状態でもシラノはロクサーヌのいる修道院へと足を運びます。
ある日、シラノはロクサーヌにこんなお願いをしました。クリスチャンの最後の手紙を見せて欲しい…そう願います。ロクサーヌは大切に持っていたクリスチャンの手紙をシラノに渡しました。
声に出して読み始めるシラノ、しかしロクサーヌは気づきました。彼は手紙を見ておらず、まるで暗記しているかのように読んでいることを。そしてこれまでの手紙を書いていたのがシラノだということを。
ロクサーヌは薄々、自分が手紙を書いた人に惹かれていたことに気づいていました。それがクリスチャンだと信じて疑わなかったわけですが、それが違い、目の前にいるシラノだと分かったのです。
自分は愛されるはずはないと語るシラノに、ロクサーヌは愛していると伝えます。首を振り否定するシラノに、ロクサーヌは近づきキスをしました。しかし、シラノはそこで力尽き息絶えてしまったのです。
長きに渡りロクサーヌを愛し続けたシラノ、最後は愛するロクサーヌの腕の中で静かに眠りにつきました。
以上、映画「シラノ」のあらすじと結末でした。
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