クリスチナ女王の紹介:1933年アメリカ映画。17世紀のスウェーデン。戦死した父に代わりわずか6歳の女の子が王位に就く。賢明な君主に成長した彼女は、しかし、重大な人生の選択を迫られる。グレタ・ガルボがかつて恋仲であったと言われるジョン・ギルバートと共演。ギルバートは名作『ビッグ・パレード』に主演しガルボとも何度も共演したサイレント時代の大スターだったが、映画のトーキー化以後人気を落としていた。監督のルーベン・マムーリアンはトーキー到来と共にハリウッドに招かれて映画監督として成功した舞台演出家の一人。
監督:ルーベン・マムーリアン 出演者:グレタ・ガルボ(クリスチナ)、ジョン・ギルバート(アントニオ)、イアン・キース(マグヌス)、ルイス・ストーン(オクセンシュルナ)、エリザベス・ヤング(エバ)、C・オーブリー・スミス(オーゲ)そのほか
映画「クリスチナ女王」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クリスチナ女王」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
クリスチナ女王の予告編 動画
映画「クリスチナ女王」解説
この解説記事には映画「クリスチナ女王」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クリスチナ女王のネタバレあらすじ:起・女王の孤独
1632年、三十年戦争に介入していたスウェーデン国王グスタフ2世アドルフが戦死した。娘でありながら男の子のように世継ぎとして国王が育てた幼女クリスチナが王位に即く。クリスチナは宰相オクセンシュルナが手を貸そうとするのを嫌い、一人で玉座に上り戦争の勝利を誓う。
年月を経て、男装を通すクリスチナは、老僕オーゲが朝起こしに行くと必ず本を読んでいる、賢明で理想家の君主となった。戦争で勝利したカール殿下の凱旋を喜ぶが、財政難と農民の苦しみを考え、宰相を務め続けるオクセンシュルナを始めとする貴族たちや、主教による戦争継続の主張を退け、敵との和平交渉をすることにする。
宰相はクリスチナといとこのカール殿下の結婚を望むが、クリスチナは大蔵大臣マグヌス伯爵と二人きりになるとキスを交わす仲であった。しかし、そのマグヌスも野心家で信用しきれない。
クリスチナが最も愛しく思っているのは女官のエバだったが、彼女が恋人に、女王様が怖くて結婚できないと嘆いているのを立ち聞きしてがっかりする。気晴らしにオーゲ一人を連れてお忍びで狩りに出た。
クリスチナ女王のネタバレあらすじ:承・雪中の宿での語らい
クリスチナとオーゲは雪道で溝にはまって立ち往生している馬車を見て動かすのを助ける。馬車の主であるスペイン王の特使から、助けた例にチップをもらってしまった。
その夜、クリスチナがたった一つ残った部屋を借りた宿屋に遅れてスペイン特使一行がやってくる。特使のアントニオと酒を酌み交わして、美や芸術について話をして仲良くなるが、困ったことにアントニオと相部屋で一つのベッドで寝なくてはならなくなる。
部屋でクリスチナが上着を取った時、アントニオは新しい友人が女であるとわかる。雪に閉じ込められた宿屋で三日三晩二人はいっしょに過ごし愛しあう。アントニオはクリスチナが女王とは知らず、ストックホルムでの再会を約束して別れる。
王宮に戻ったクリスチナは珍しくドレスに身を包み、スペイン特使を迎える。礼をしてから顔を上げたアントニオは、女王の顔を見て驚き、挨拶の言葉もしどろもどろになった。
クリスチナ女王のネタバレあらすじ:転・板ばさみになる女王
アントニオの任務はスペイン王のクリスチナ女王への求婚を伝えることだったので、彼は困った立場に追い込まれるが、クリスチナとアントニオとの恋は燃えあがる。嫉妬したマグヌスは国民に噂話を流し、国民の間に反スペイン感情が広がる。
クリスチナとアントニオが遊ぶ馬橇を追いかけて暴徒が王宮に殺到する事態に。クリスチナは、臣民を恐れないと言い、あえて王宮の扉を開け、暴徒たちにお互いの職務に戻りましょうと呼びかける。暴徒たちもそれに従う。
だが、王宮を去るアントニオが暴徒に囲まれ、彼はマグヌスに保護されることになる。マグヌスはアントニオを人質にして彼をスペインに返すようにクリスチナに要求する。クリスチナはそれに屈し、アントニオに国境までの通行証を出す。しかし、アントニオはエバを通じてクリスチナの伝言を渡される。
クリスチナ女王の結末:船出
翌日、クリスチナは王宮でカール殿下との婚約を宣言するはずだった。だが、彼女が宣言したのは退位して王位をカール殿下に譲ることだった。宰相は驚き、国民は涙する。女王として生きるのでなく自分の人生を生きたいというクリスチナの決意は固く、王冠を自ら脱いで玉座を離れる。
クリスチナは関所までエバと馬車で行きスウェーデンに別れを告げてから、オーゲだけをともなって馬を走らせる。港からアントニオと共に旅立つつもりだった。だが、船上でクリスチナを待っていたのはマグヌスとの決闘で傷つき横たわるアントニオだった。
アントニオはクリスチナの腕の中で息を引き取る。それでも旅立ちますかとオーゲは問うが、クリスチナは追い風に乗ってアントニオの故郷へ向けて船出することにするのだった。
以上、映画「クリスチナ女王」のあらすじと結末でした。
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