ベルファストの紹介:2021年イギリス映画。1969年に北アイルランド・ベルファストで起こった動乱を背景に、ベルファスト出身の俳優・監督・舞台演出家ケネス・ブラナーが自身の幼少期の体験を投影して描き上げた半自伝的作品です。平穏に暮らしていた主人公の少年の一家は動乱を機に新天地に移住することを決断しましたが、そのことをきっかけに家族の絆にヒビが入り・・・。本作は第46回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞、第94回アカデミー賞でも7部門にノミネートされて脚本賞(ケネス・ブラナー)を受賞しています。
監督:ケネス・ブラナー 出演者:ジュード・ヒル(バディ)、カトリーナ・バルフ(マー(バディの母))、ジェイミー・ドーナン(パー(バディの父))、ジュディ・デンチ(グラニー(バディの祖母))、キアラン・ハインズ(ポップ(バディの祖父))、コリン・モーガン(ビリー・クラントン)、ララ・マクドネル(モイラ)、ジェラード・ホラン(マッキー)、コナー・マクニール(マクローリー)、ターロック・コンヴェリー(首相)、ジェラード・マッカーシー(ボビー・フランク)、ルイス・マカスキー(ウィル)、オリーヴ・テナント(キャサリン)、ヴィクター・アリー(兵士)、ジョシー・ウォーカー(ヴァイオレットおばさん)ほか
映画「ベルファスト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ベルファスト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ベルファスト」解説
この解説記事には映画「ベルファスト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ベルファストのネタバレあらすじ:起
1969年、北アイルランド・ベルファスト。9歳の少年バディは温かく仲の良い家族や友人たちに囲まれ、経済的に決して裕福ではなかったものの楽しく幸せでのびのびとした日々を過ごしていました。
大工であるバディの父“パー”はロンドンに出稼ぎに行っており、ベルファストの自宅には時々戻ってきていました。家の留守を守る母“マー”は厳しくも愛情をたっぷりとバディと兄ウィルに注いでくれ、ウィルもバディに優しくしてくれていました。
バディは同年代の子供たちと同様に映画や音楽を楽しみ、同じ学校に通う同級生の女子キャサリンに想いを寄せていました。
ところが、そんな平穏な日々も長くは続きませんでした。1969年8月15日、バディの住む地域にプロテスタント系の武装集団が突如現れ、カトリック系の住民を襲撃するという事態が発生しました。
この日を境にベルファストは一気に悪夢のような世界へと変貌してしまいました。暴徒たちは車に火をつけるなど破壊の限りを尽くし、バディは一体外で何が起こったのかよく理解できないまま、ウィルと共に家の中で恐怖にうずくまっていました。
ベルファストのネタバレあらすじ:承
バディ一家の住む地域ではプロテスタント系武装集団を防ぐためのバリケードが築かれましたが、プロテスタント系攻撃は止むどころか一層悪化の一途を辿っていました。やがて動乱はベルファスト全体にまで及び、たまたまベスファストに戻ってきていたパーは武装集団の男から仲間に加わるよう勧誘されましたが断りました。
パーは家族のことが気がかりながらも仕事のためロンドンに戻っていき、マーは引き続き家庭を守ることになりました。
やがて再びロンドンから戻ってきたパーは暴力から逃れるために一家全員でロンドンもしくはオーストラリア・シドニーかカナダ・バンクーバーに移住しようと言い出しましたが、マーは住み慣れたベルファストから離れる考えはありませんでした。
そんなある日、プロテスタントの暴徒がカトリック教徒の経営する雑貨屋を襲撃し、略奪を繰り広げました。バディも近所に住む年上の友人モイラから何か盗めとそそのかされ、やむなく店から洗剤を盗んで家に持ち帰りました。
ベルファストのネタバレあらすじ:転
そのことを知ったマーは激怒し、バディを店に連れて行くと洗剤を返すよう命じました。ところが、店にいた暴徒のひとりが洗剤を戻すなと怒鳴り、バディを恐怖に陥れました。そこに警察が駆け付け、暴徒たちはバディとマーを人質にとるという暴挙に出ました。
バディとマーの危機を知ったパーが店に駆け付けました。暴徒のひとりはパーを仲間に勧誘した者であり、拳銃を引き抜こうとしましたが、パーとマーは連携して窮地を脱し、暴徒たちは警察に逮捕されました。バディとマーは無事でしたが、パーは暴徒たちは必ず仕返しに来るだろうと険しい表情で語りました。
結局、バディは洗剤を店に返せずに帰宅しました。マーは今回の一件をきっかけに自分は一体何をしているのだろうと自問自答しており、その結果家族全員でベルファストを離れて新天地に移り住もうと呼びかけました。それから程なくして祖父“ポップ”がこの世を去りました。バディら一家は優しかった祖父を弔いました。
ベルファストの結末
バディ一家がベルファストを去る日。一家は荷物をまとめ、イギリス本土に向かうためバスを待っていました。バディはまだキャサリンに別れを告げることができずにいました。
バディの様子を見かねたパーは彼をキャサリンのところに連れて行ってくれました。バディはキャサリンに別れを告げ、キャサリンもバディにお別れの品をプレゼントしてくれました。キャサリンのもとを離れたバディはパーにいつか自分はキャサリンと再会して結婚できるのかと問いかけました。
キャサリンの家はカトリック教徒でしたが、パーはキャサリンが優しくて温かい人ならば宗教は関係なくいつでも家族として迎え入れると語りました。
バディ、ウィル、パー、マーは祖母“グラニー”に見送られてバスに乗り込みました。バディの耳には振り向かないでまっすぐ進むよう告げるグラニーの声が聞こえたような気がしました。そしてバディ一家は新たな人生に向かって旅立っていきました。
以上、映画「ベルファスト」のあらすじと結末でした。
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