恋するレストランの紹介:2005年オランダ映画。嵐のような厨房で繰り広げられる、若い男女の恋愛模様を描いたロマンス&コメディ。モロッコ人青年ノルディップは、父親から医者になれと命令され思い悩んでいた。勝手に医学部への進学を決定されてしまうが、ノルディップ本人は学問に希望を見いだせずにいる。そこでノルディップは、密かにホテルの厨房でアルバイトを始めた。理不尽な先輩、陰湿な嫌がらせ、山積みの仕事。早々に嫌気が差すノルディップだったが、ウェイトレスのアグネスに一目惚れしてしまった。懸命にアプローチを続けるが、ある問題が大きな壁になる。アグネスはホテルの社長の姪であり、後継者でもあったのだった。
監督:マルティン・コールホーヴェン 出演者:ムニール・ヴァレンタイン(ノルディップ)、ブラハ・ファン・ドゥーシュバーグ(アグネス)、ヤハ・ガイール(モー)、ミモウン・オエイシャ(エミモン)、ティゴ・ヘルナンド(ゴラン)ほか
映画「恋するレストラン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「恋するレストラン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「恋するレストラン」解説
この解説記事には映画「恋するレストラン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
恋するレストランのネタバレあらすじ:社会の底辺
舞台は現代、オランダの町オブデイネン。優秀な成績で高校を卒業したモロッコ人青年ノルディップは、父から多大な期待をかけられていました。父は自分が諦めた医師になるという夢をノルディップに託しており、勝手に医学部への進学も決めてしまいます。
ノルディップの兄ナディルが軽薄な不良と化してしまったため、かける期待もプレッシャーも人一倍でした。しかし正直ノルディップは医学に興味がありません。自分がこれからどうしたいのか、ゆっくり考えられる場所がノルディップには必要でした。
そこで彼は大学入学までの間、落ちこぼれが行き着く巣窟として有名なホテル「青いコンドル(ブラーウェ・ヒール)」の厨房でバイトしてみることにします。バイト初日、家族には図書館で働くと嘘を吐いて家を出たノルディップ。厨房の洗い場に配属されますが、その環境は劣悪なものでした。
常に怒鳴り声が飛び交い、床には食材が散乱し、仕事中に喫煙しているスタッフも珍しくありません。汚れたままの食器が山と積まれており、ノルディップは思わず絶句しました。早々に後悔し始めたノルディップでしたが、ウェイトレスのアグネスに一目惚れしてしまいます。
アグネスは遅刻の常習犯で、注意されても不遜な態度を取り続け、何故かそれが許されていました。ノルディップはアグネスの気を引くため、きつい仕事にも文句を言わず黙々と取り組みます。
恋するレストランのネタバレあらすじ:厨房の人々
厨房では様々な人種の人が働いていました。中には不法就労の移民もいます。厨房に入って4年目の先輩サンダーは、非常に暴力的で威圧的、しかも陰湿な嫌がらせを繰り返して来ました。ノルディップがいい加減嫌になって仕事を辞めようとすると、アグネスに弱虫だと言われてしまいます。
そこで彼は気合を入れ直し、サンダーを睨み付けながら洗い場に戻りました。そんなノルディップを気に入ったモロッコ人男性エミモンとモーのコンビが、親しげに話しかけて来ます。2人は厨房で上手く生きていくためのアドバイスをしてやると言い出しました。
エミモンとモーはノルディップに仕事を押し付けつつ、様々なことを教えます。ノルディップがアグネスに惚れていると知ると、諦めろと忠告しました。アグネスは社長の姪であり、ノルディップとは身分が違う存在でした。
それでもアプローチを諦めないノルディップは、ある日ついにアグネスとキスすることに成功します。アグネスもノルディップに惹かれているようですが、家のこともあり好意を受け入れるつもりはないようでした。
恋するレストランのネタバレあらすじ:実った恋と見えない明日
そんなある日、ノルディップに好機が訪れました。アグネスが質の悪い客に絡まれているところを、咄嗟の機転で救ったのです。アグネスは会員制のバーにノルディップを誘い、2人で静かに語り合います。
アグネスはホテルの後継者であるものの、罰として底辺の仕事をさせられているのだと話しました。アグネス自身はホテルを継ぎたいと思っていません。ノルディップは自分と彼女の境遇を重ね合わせ、ますます夢中になっていきました。
後日、ノルディップは真面目な働きぶりを評価され、料理長ウィレムのアシスタント・シェフに大抜擢されます。アグネスとはようやく思いが通じ、交際することになりました。
順調に回り始めた人生に上機嫌のノルディップでしたが、厨房スタッフのゴランに早く辞めろと忠告されます。こんな所で人生を終えてはいけないと言うゴランは、まっすぐノルディップの顔を見つめて訴えました。
恋するレストランのネタバレあらすじ:八方塞がり
そんなある日、ノルディップのバイトがついに父親にばれてしまいました。ナディルがわざわざ嗅ぎ回っていたのです。激怒する父に、ノルディップは医者にはならないと告げました。しかし将来的に自分が何をやりたいのか、ノルディップにはまだ見えていません。
更に順調に交際していたと思われたアグネスとの間にも亀裂が入り始めました。アグネスは両親に交際が露見しないよう、ノルディップとのことを徹底的に隠し続けています。それがノルディップには気に入りませんでした。何故隠すのかと問い詰めると、身分が違うこと、そもそもモロッコ人だからと人種を問題にされてしまいます。
更に悪いことに、サンダーの告げ口で社長に交際がばれてしまいました。ノルディップと引き離すため、アグネスは翌日から社長の補佐として働くよう命令されます。そしてノルディップはホテルを即日解雇されました。
溜め込んだ鬱憤が爆発したノルディップは、厨房でサンダーと殴り合いの喧嘩を始めます。仲裁に入ったウィレムはサンダーに解雇を告げました。サンダーの横暴に辟易していた厨房スタッフ達は、その決定に拍手喝采を送ります。
恋するレストランの結末:ノルディップの決断
ホテルを解雇されたノルディップは、家にこもって将来について考えました。明確な答えはまだ出ませんが、少なくとも医者になる気はありません。それを父に告げたノルディップは、「旅に出るよ」と言って家を飛び出しました。
ノルディップは自転車でホテルに向かい、レストランで食事中のアグネスの前に現れます。父親と一緒だった彼女は、はじめノルディップを睨みつけて拒絶しました。しかしノルディップが笑い出すと、アグネスの顔にも笑みが広がります。
アグネスは席を立ち、ノルディップと共に逃げ出しました。若い2人の旅が始まり、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「恋するレストラン」のあらすじと結末でした。
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