エンドロールのつづきの紹介:2021年インド, フランス映画。2010年のインド、グジャラート州の田舎町。学校に通いながら父親の店でチャイ売りを手伝う9歳の少年サマイ。ある日、いつもは映画を低俗なものとみなしていた厳格な父親が、信仰するカーリー女神の映画を特別に見せてくれることに。ギャラクシー座という小さな映画館で、サマイは初めて目にする世界に大興奮。それ以来、学校をさぼってギャラクシー座に忍び込むようになり、やがて映写技師のファザルと出会う。サマイの母親が作るおいしいお弁当との交換条件に映写室から映画を観られるようになったサマイは、いつか「映画を作りたい」という夢を抱きはじめる。今もなおインドに存在する階級制度や貧困問題を背景に、大きな夢を追い続ける少年の姿に希望をもらえる感動作。アカデミー賞国際長編映画賞インド代表にも選出され、世界中の映画祭で喝采を浴びた話題作。
監督:パン・ナリン 出演:バヴィン・ラバリ(サマイ)、バヴェーシュ・シュリマリ(ファザル)、リチャー・ミーナー(母親)、ディペン・ラヴァル(父親)ほか
映画「エンドロールのつづき」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エンドロールのつづき」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「エンドロールのつづき」解説
この解説記事には映画「エンドロールのつづき」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エンドロールのつづきのネタバレあらすじ:起
インド、グジャラート州の田舎町チャララ村で9歳の少年サマイは両親と妹と4人で暮らし、学校に通いながら父が営むチャイ店を手伝っていました。
ある日突然、父が家族で街の小さな映画館ギャラクシー座に行こうと言い出しました。厳格なバラモン階級の父は映画を低俗なものとみなしていましたが、深く信仰しているカーリー女神の映画は別だとして特別に許可したのです。
映画館は人で溢れかえりやっとの思いでチケットを買い席に着くと、サマイの目に飛び込んできたのは後方からスクリーンへと伸びる光の帯。サマイは初めて見る世界に大興奮。満席の映画館で観客は笑って泣いて、時には踊り出し、すっかり映画に魅了されてしまいました。
エンドロールのつづきのネタバレあらすじ:承
サマイは次の日になっても興奮が冷めず、学校を抜け出してギャラクシー座に忍び込みましたが、係員に見つかりつまみ出されてしまいます。肩を落として母のお弁当を広げるサマイを見た映写技師のファザルは、ある提案を持ち掛けます。
料理上手なサマイの母が作ってくれるお弁当と引き換えに、映写室から映画を見せてくれるというのです。こうして毎日映写室に通うようになったサマイは映写窓から見る色とりどりの映画の世界に没頭し、ますます映画に惹きこまれていきます。
サマイはファザルに教えられて映写機の仕組みやフィルムの編集を覚え、「映画は“物語”だ」ということを教わります。ふたりの間には不思議な友情が芽生えていき、サマイはいつか映画を作りたいという大きな夢を抱きはじめました。
ところが、サマイが学校をサボってギャラクシー座に通っていることが父にバレてしまいます。サマイにバラモンとして真面目に生きてほしいと願う父は、厳しく叱りギャラクシー座へ行くことを禁止しました。
エンドロールのつづきのネタバレあらすじ:転
サマイの映画への情熱は冷めることはありませんでした。仲間たちを半ば強引に引っ張り、鏡と電球、ダンボールを使って光を捕まえることに成功しました。友人たちも少しずつ映画の魅力にのめり込んでいきます。
サマイたちは駅の倉庫に保管されている映画のフィルムを盗み出し、オバケ村へと運び出しました。次なるチャレンジとして、扇風機の羽や自転車などのガラクタから映写機を自作してみましたが、失敗に終わってしまいます。
映写機にはシャッターがあり開閉によってフィルムが動く仕組みになっていますが、サマイたちが作った映写機にはそれがなかったのです。ファザルからヒントを元に再び作り直し、ついに映写機が完成しました。
数日後、サマイの姿が見えないことに気付いた父が廃墟をのぞき込むと、目を輝かせたサマイと仲間たちが手作りの映写機で写したオリジナル映画の上映会が行われていました。全編子どもたちが吹き替えを行い、身体や物を使った効果音とともに大胆にアレンジされたストーリーのハンドメイドです。
この作品を観るために大勢の村人たちが集まっていました。声を出して笑い、楽しんでいる村人たち、そしてサマイの母と妹もいます。父はだまってその場を去りました。
エンドロールのつづきの結末
しかし、そんなサマイのもとにファザルから連絡が入ります。ギャラクシー座の映写機がデジタル映写機に入れ替えられてしまうとのこと。サマイは急いでギャラクシー座に駆け付けましたが、すでにギャラクシー座のフィルム映写機は大量のフィルムと共にトラックに積みこまれていました。
自転車に飛び乗りトラックを追いかけてバローダ村まで来たサマイ。工場で積み荷から降ろされた映写機は目の前で熱され鉄の塊になっていきました。大切な思い出がたくさん詰まった映写機が一瞬にして溶けてしまった光景にサマイは茫然と立ちつくしました。
大量のフィルムたちは薬品に溶かされて、長い筒状になっていました。生産ラインを辿っていくと筒は細くカットされて、女性の手首を飾る腕輪へと変わっていきました。
肩を落としたサマイに父親からサプライズのプレゼントがありました。それはサマイがかねてから行きたがっていた都会の学校に入学し、光の勉強をする許可でした。
両親が荷物を準備してくれていたため、サマイは次に来た電車に飛び乗り、仲間たちに見送られながら発っていきました。
電車内では、乗客の女性たちの腕が色とりどりの腕輪で飾られていることに気付いたサマイ。腕輪に優しい目を向けそっと微笑むのでした。
以上、映画「エンドロールのつづき」のあらすじと結末でした。
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