さらば愛しき大地の紹介:1982年日本映画。主人公のユキオは、農家の長男として生まれますが、もう少しおおらかな気持ちになれないものかと、呆れてしまうほど劣等感の強い人間です。兄弟間の待遇の違いを訴えて母親に歯向かいますが、覚せい剤に手を出したことをきっかけに、自ら破滅へと向かいます。肩肘張らずに役柄のその人になりきった根津甚八、また主人公を取りまく人間模様も、出演俳優ひとりひとりの持ち味がケレン味なく活かされています。1983年キネマ旬報ベストテン2位。第6回日本アカデミー賞「優秀監督賞(=柳町光男)」「優秀主演男優賞(=根津甚八)」「優秀助演女優賞(=山口美也子)」ほか各賞受賞作品。監督であり作者の柳町光男が移りゆく故郷の景色に万感の思いをこめます。
監督:柳町光男 出演者:根津甚八(山沢幸雄)、秋吉久美子(順子)、山口美也子(文江)、矢吹二朗(明彦)、日高澄子(幸雄の母親)、奥村公延(幸雄の父親)、草薙幸二郎(幸雄の叔父)蟹江敬三(大尽)、佐々木すみ江(順子の母親)ほか