クリード 過去の逆襲の紹介:2023年アメリカ映画。ボクシング映画の金字塔『ロッキー』シリーズでロッキー・バルボアのライバルであり親友だったアポロ・クリードの息子アドニスを主人公にしたスピンオフ『クリード』シリーズの第3作です。本作ではアドニス役のマイケル・B・ジョーダン自らメガホンを執って映画監督デビューを果たし、ボクサーとして名声全てを手に入れて一度は引退したアドニスとかつての親友の再会を軸に、今まで語られなかったアドニスの過去が明かされていきます。アドニスの元親友役は『マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)』で征服者カーンを演じるジョナサン・メジャースが演じています。
監督:マイケル・B・ジョーダン 出演者:マイケル・B・ジョーダン(アドニス・クリード)、テッサ・トンプソン(ビアンカ・クリード)、ウッド・ハリス(リトル・デューク)、フロリアン・ムンテアヌ(ヴィクター・ドラゴ)、ミラ・デイヴィス=ケント(アマーラ・クリード)、フィリシア・ラシャド(メアリー・アン・クリード)、ホセ・ベナビデス・Jr(フェリックス・チャベス)、セレニス・レイバ(ローラ・チャベス)、アンソニー・ベリュー(“プリティ” リッキー・コンラン)、テレンス・クロフォード(本人役)、タデウス・J・ミクソン(アドニス・クリード(15歳時))、スペンス・ムーア2世(デイミアン・アンダーソン(18歳時))、ジョナサン・メジャース(“ダイヤモンド” デイミアン(デイム)・アンダーソン)ほか
映画「クリード 過去の逆襲」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クリード 過去の逆襲」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「クリード 過去の逆襲」解説
この解説記事には映画「クリード 過去の逆襲」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クリード 過去の逆襲のネタバレあらすじ:起
2002年、アメリカ・ロサンゼルス。ある日の夜、当時15歳だったアドニス・クリードは家を抜け出し、幼馴染で兄貴分の18歳のデイミアン・“デイム”・アンダーソンと共に車で地下の賭博ボクシング場へと向かいました。
アマチュアながら天才的な才能を持つデイミアンは選手としてリングに上がり、アドニスはセコンドとして参加しました。試合はデイミアンが圧巻のKO勝ちに終わり、賭け金を分けてもらったアドニスはお礼として1974年のジョージ・フォアマンvsモハメド・アリ戦、通称“キンシャサの奇跡”の半券チケットをプレゼントしました。デイミアンはアドニスに、将来プロに転向して世界チャンピオンになるとの夢を語りました。
アドニスとデイミアンは食事をしようとダイナーに立ち寄りましたが、そこでアドニスはレオンという1人の中年男を見かけるなり殴りかかりました・・・。
・・・2018年。プロボクサーとして成功を収めていたアドニスは、かつて黒星を喫した相手であるリッキー・コンランを相手に引退試合に臨んでいました。アドニスはかつてデイミアンから教わった「肉を切らせて骨を断つ」戦い方を実践し、見事KO勝ちを収め、チャンピオンとして現役生活を終えました。
クリード 過去の逆襲のネタバレあらすじ:承
アドニスの引退から3年後の現在。アドニスは長年セコンドを務めたリトル・デュークと共にボクシングジム「デルファイ・アカデミー」を立ち上げ、後継者の育成に努めていました。アドニスは聴覚障がいを持つ愛娘アマーラの子育てをしながら、ジム所属選手で現役ヘビー級チャンピオンにまでのし上がったフェリックス・チャベスの面倒も見ていました。音楽プロデューサーである妻ビアンカや養母メアリーとの関係も良好でした。
そんなある日、アドニスのもとをデイミアンが久しぶりに訪ねてきました。デイミアンはとある事件で18年もの間刑務所で服役しており、つい最近出所したばかりで今もなお保護観察状態にあるとのことでした。
アドニスとデイミアンはダイナーで食事を共にし、互いの近況を語り合いました。デイミアンは服役中に何度もアドニスに宛てて手紙を書いたというのですが、アドニスには1通も届いていませんでした。それでもアドニスは再びボクシングに挑戦したいというデイミアンの願いを聞き入れ、まずはジムのスパーリングパートナーとして迎え入れることにしました。その後、アドニスはデイミアンを自宅に招待し、デイミアンはかつてアドニスと同じ孤児院で暮らしていたことを明かしましたが、ビアンカは今までそのことを聞かされていませんでした。
デイミアンはアドニスのジムでフェリックスのスパーリングの相手をすることになりました。ところが、フェリックスから挑発されたデイミアンはカッとなってしまい、反則紛いのラフファイトを繰り広げて乱闘状態になりました。リトル・デュークはもう二度とデイミアンをリングに上げないと怒り心頭で、アドニスはひたすたなだめることしかできませんでした。
アドニスはメアリーがデイミアンの出現に表情を曇らせ、手紙の件について心当たりがあるのではないかと感じたアドニスはそのことを訊こうとしましたが聞き出せませんでした。アドニスは心臓を病んでいたメアリーに同居を勧めましたが、メアリーはこれを断りました。
クリード 過去の逆襲のネタバレあらすじ:転
フェリックスの次回のタイトル防衛戦の挑戦者はかつてアドニスと死闘を繰り広げたヴィクター・ドラゴに決定しました。ところが、レセプションパーティーの最中、ドラゴは突然現れた何者かに襲撃されて腕を負傷してしまいました。アドニスはリトル・デュークの反対を押し切り、デイミアンをドラゴの代わりの挑戦者に据えることにしました。
王者フェリックスと挑戦者デイミアンのタイトル戦が始まりました。デイミアンはフェリックスの腕関節を集中的に攻め、足で蹴ったり肘で目の下をカッティングするなどの反則ギリギリのラフファイトを繰り広げ、デビュー戦でまさかのKO勝ちを収めていきなり新チャンピオンとなりました。しかし、この試合内容はアドニスにとっては決して褒められたものではありませんでした。
試合の帰り、アドニスにメアリーから連絡がありました。実はデイミアンが書いた手紙は全てメアリーが隠していたのであり、これはアドニスが決して誤った道を歩まないようにと考えてやったことだったのです。手紙を見せてもらったアドニスは、その中にかつて自分がデイミアンにあげた“キンシャサの奇跡”の半券が入っていたことを知り、思わず口を荒げてしまいました。
アドニスは他の手紙の中に、デイミアンがある人物と一緒に写っている写真を見つけました。それは以前にドラゴを襲撃した人物でした。仕組まれたと感じたアドニスはデイミアンのもとへ向かいましたが、デイミアンは「お前はあの時俺を置いて逃げた。これからはお前の全てを奪ってやる」と宣戦布告してきました。
アドニスはビアンカに、今まで話してこなかった自分とデイミアンの過去を全て打ち明けることにしました。かつてアドニスとデイミアンは孤児院で兄弟であるかのように育ってきましたが、二人は同じ施設にいたレオンという男から暴力を受け続けてきました。
あの日、あのダイナーでレオンの姿を見かけたアドニスは彼に復讐しようとしましたが、レオンの仲間に取り囲まれてしまいました。そこでデイミアンは持っていた銃で脅しながらアドニスを助けようとしましたが、アドニスは隙をついてひとりで逃げてしまい、デイミアンは駆けつけた警察に逮捕されたのでした。未だにデイミアンを見捨てたという後悔の念に駆られるアドニスに、ビアンカは自分を赦すよう促しました。
その矢先、メアリーの体調が急変しました。病院に駆けつけたアドニスは先日メアリーに辛く当たってしまったことを謝りました。メアリーは亡き夫アポロを想いながら、アドニスに看取られて息を引き取りました。
過去を清算する決意を固めたアドニスはスポーツ番組に生出演し、3年ぶりに現役復帰するとともにデイミアンへの宣戦布告を行いました。デイミアンもこれに応じ、二人の対決はアドニスが挑戦者となるタイトルマッチとなることが決定しました。
世間の声は3年のブランクがあるアドニスの不利の予想が圧倒的でしたが、アドニスはリトル・デュークの助けを借りてトレーニングを開始し、ドラゴや元ライト級王者のテレンス・クロフォードもスパーリングパートナーを買って出ました。最初は勘をなかなか取り戻せず苦闘するアドニスでしたが、それでも不屈の精神力で何とか食らいついていきました。
クリード 過去の逆襲の結末
そして迎えたロサンザルスのドジャースタジアムでのタイトル戦当日。3年ぶりにリングに上がったアドニスは序盤にデイミアンに腕関節を執拗に責められて苦戦するものの、次第に勘を取り戻して応戦していきました。ラウンドは刻々と進んでいき、二人は拳を交えるうちにそれぞれ少年時代の思い出がフラッシュバックしていきました。
試合はとうとう最終の12ラウンドまで進みました。アドニスはデイミアンの強烈なボディブローを食らいダウンを奪われてしまいましたが、見守っていたビアンカの声援を受けて10カウント寸前で立ち上がりました。そしてアドニスは渾身のストレートをお見舞いして反撃、ダウンを取られたデイミアンはもはや立ち上がる力はありませんでした。
試合はアドニスの劇的なKO勝ちに終わり、アドニスはチャンピオンベルトを手にしました。試合後、アドニスはデイミアンの控室を訪れ、二人は互いの健闘を讃え合うとともにあの事件は誰も悪くなかったと和解を果たしました。そしてアドニスは観客の帰ったドジャースタジアムのリングに立ち、改めてビアンカやアマーラと勝利の喜びに浸りました。
以上、映画「クリード 過去の逆襲」のあらすじと結末でした。
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