恐竜100万年の紹介:1966年イギリス映画。恐竜や天変地異と闘いサバイバルする紀元前1,000,000年の人々。『紀元前百万年』(1940年)の、イギリスのハマー・プロによるリメイク。最初こそ実写のイグアナが登場しますが、その後の巨大ウミガメや恐竜は全てレイ・ハリーハウゼンがストップモーション・アニメーションによって創造しました。ビキニ風衣装のラクエル・ウェルチのポスターは公開当時非常に強いインパクトを与え、彼女を世界的セックスシンボル、大スターにしました。
監督:ドン・チャフィ 出演者:ラクエル・ウェルチ (ロアナ), ジョン・リチャードソン (トゥマク), マルティーヌ・ベズウィック (ヌポンディ)、ロバート・ブラウン(アコバ)、パーシー・ハーバート(サカナ)ほか
映画「恐竜100万年」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「恐竜100万年」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「恐竜100万年」解説
この解説記事には映画「恐竜100万年」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
恐竜100万年のネタバレあらすじ:部族からの追放
地球が若かった頃、動物たちがエサを得ようと待ち構えているなか、ずるがしこさだけが取り柄である人間は、まだ数が少なく、部族に分かれているが、自分たち以外の部落の存在を知ることもなく生きていた。
岩場を住処とする黒髪のロック族の族長のアコバにはサカナとトゥマクという二人の息子がいるが、弟のトゥマクの方が勇敢で、落とし穴に落ちたイノシシを一人で倒してしまう。
彼らの食事では、獲物に火が通るとまずアコバが食べ、次に狩りをする男たちが食べ、その後で女子供が食べる。老人は残り物にありつこうとする。だが、その晩はアコバがトゥマクの肉を横取りして、親子げんかになり、トゥマクは断崖の上から落ちてしまう。
気を失って草の上で目覚めたトゥマクは、故郷を捨てて荒野をさまよう。恐竜や巨大クモを逃れて、歩き続ける。
恐竜100万年のネタバレあらすじ:もう一つの部族
トゥマクは放浪の末、生まれて初めて海を目にするが、腹ペコでそこで倒れてしまう。彼を、魚を獲りに来たシェル族の女たちが発見する。だが、大ウミガメ・アーケロンが現われる。シェル族の娘ロアナは勇敢にトゥマクを引きずって助けた。
トゥマクはシェル族の洞窟に引き取られる。金髪の彼らは、トゥマクのいた部族よりも文化的に進んでいて、絵の具や槍等、トゥマクの見たことのない物をもっていた。そして皆が仲良く暮らしていた。
一方、トゥマクの部族では、獲物を追って崖に上り、崖から落ちそうになったアコバを、サカナが崖から落とし、族長の地位を奪う。だが、死んだと思われたアコバは大けがをして洞窟に戻ってくる。
恐竜100万年のネタバレあらすじ:部族を離れる二人
トゥマクはロアナがするのをまねて、池で銛をつかって魚を獲ろうとする。女たちに笑われながら初めて魚を獲ったとき、アロサウルスが襲来する。
トゥマクは女の子を助けようと青年アホートの槍を取ってアロサウルスに立ち向かう。他の男たちも続くが、恐竜にとどめを刺したのはトゥマクだった。シェル族にとって初めてアロサウルスを倒す体験だった。
トゥマクはアロサウルスに殺された男の葬儀が行われている間に、アホートの槍を奪おうとする。アホートがその現場をつかまえ、二人は争いになり、結果として族長からトゥマクは追放を申し渡される。ところがロアナはトゥマクについていくことを選ぶ。トゥマクはアホートから槍を譲り受けて荒野に去った。
恐竜100万年のネタバレあらすじ:新しい族長
トゥマクとロアナは洞窟に入るが、そこは凶暴な猿人たちの住居で、彼らから隠れなければならなかった。さらにトリケラトプスとティラノサウルスの闘いに遭遇して、ロアナはトゥマクとはぐれてしまう。ロアナはサカナはじめ、ロック族の男たちに囲まれる。ロアナの窮地にトゥマクが間に合い、トゥマクはサカナと闘って勝ち、族長の地位を得る。
トゥマクはロアナを連れて洞窟に帰り、彼の両親らに迎えられる。かつてトゥマクの女だったヌポンディがロアナに敵意をむき出しにし、二人は闘い、ロアナが勝利する。
恐竜100万年のネタバレあらすじ:翼竜襲来
トゥマクの権威を認めないサカナとその一派は洞窟を去っていったが、トゥマクとロアナは槍作り等、シェル族の進んだ文化を人々に教える。ロアナは池で水浴びをすることも皆に教えたが、その時に翼竜プテラノドンが襲来し、ロアナをつまんで赤ちゃんの待つ巣に飛んでいった。
その巣に別種の翼竜プテロダクティルスが来て闘いになり、ロアナは海に落ちて助かるが、ロアナの捜索に来たトゥマクは巣に戻ったプテラノドンが赤ちゃんにえさをやるのを見て、ロアナは食べられたと思ってしまう。
恐竜100万年の結末:大地震
ロアナはシェル族の洞窟に行った。アホートたち何人かの男女がロアナをロック族の元へ送り届けることになる。彼らは負傷した仲間といたトゥマクを見つけ、トゥマクとロアナは互いに駆け寄った。
ところが直後に、サカナ一派から離脱した少年が、サカナたちがロック族の洞窟を襲うことを伝える。サカナたちが洞窟への攻撃を始めたところにトゥマクやシェル族の人々が現れ、サカナ一派との戦いが始まる。
戦いのさなかに火山が大噴火し、大地震が起きる。アコバやその妻は洞窟に埋まり、ヌポンディ等、多くの人々が割れた地面の中に飲まれていった。サカナはトゥマクの槍に刺されて死んだ。地震が止んだ朝、トゥマク、ロアナを始めとする、二つの部族の生き残りは新天地を求めて旅立った。
以上、映画「恐竜100万年」のあらすじと結末でした。
このラクエル・ウェルチが出演した、今やカルト映画として名高い「恐竜100万年」は、原始時代のお話で、当時、地球の主として暴れていたと想像される恐竜、その他の巨大な怪獣が、十種類くらい登場して活躍するのだから、いわば正統派の作品と言える。
この種の映画では、先行作品として「ロスト・ワールド」があったが、この映画はヴィクター・マチュアが主演した「紀元前百万年」の再映画化作品。
だが、再映画化といっても、この映画の方がはるかに大規模で、特殊技術も段違いに良くなっている。
山に住む全く未開の部族の若者ジョン・リチャードソンが、海辺に住む文化の高い部族に近づき、そこの娘ラクエル・ウェルチと仲良くなり、色々な冒険をするというお話の間に、あれやこれやの巨獣怪鳥が現われる。
その特殊技術は、人形アニメーションをはじめ、いくつかの方法が用いられているようで、人形との合成や遠近感には不満な点もあるが、誠に堂々たるもので、興味をそそるスペクタクルを繰り広げる。
そして、火山の大噴火や大地震などの場面も、なかなか見応えがある。
登場するのが、原始時代の人間で、部族同士の言葉も通じないので、アーとかウーとか、せいぜい名前を呼び合う程度なので、字幕がなくても愉しむことができる。