ブラッド・アンド・ゴールド ~黄金の血戦場~の紹介:2023年ドイツ映画。長く続く戦争にうんざりしたドイツ兵のハインリヒは、脱走を試みるも失敗。ナチス親衛隊によって絞首刑にされるも、ある女性によって救われます。そんなナチス親衛隊は、とあるユダヤ人が生み出した金塊が眠っていると噂される村で、ヒトラーに捧げるため金塊探しを開始。なかなか金塊が姿を現さない中、醜い金塊の奪い合いが水面下で行われます。
監督: ペーター・トアバルト 出演: ロバート・マーサー(ハインリヒ)、マリー・ハッケ(エルザ)、アレクサンダー・シェーア(シュトレンフェルト中佐)、フロリアン・シュミッケ(デルフラー)、ヨルディス・トリーベル(ソーニャ)、ほか
映画「ブラッド・アンド・ゴールド ~黄金の血戦場~」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブラッド・アンド・ゴールド ~黄金の血戦場~」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ブラッド・アンド・ゴールド ~黄金の血戦場~」解説
この解説記事には映画「ブラッド・アンド・ゴールド ~黄金の血戦場~」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブラッド・アンド・ゴールド ~黄金の血戦場~のネタバレあらすじ:起
1945年春ドイツにて。ナチス親衛隊から逃げるドイツ兵の脱走兵ハインリヒ。眼鏡をかけ、顔半分は仮面に覆われているシュトレンフェルト中佐が指揮をとり、ハインリヒを拘束します。
ハインリヒを優秀な兵士だと評価したうえで、なぜ脱走を試みたか中佐は訊ねます。それに対してハインリヒは、「戦争が嫌だから逃げた、無意味な6年だった、ドイツは人殺しの国だ」と発言。その後、ハインリヒは首吊りをされ、その姿を見ながらナチス親衛隊はその場を立ち去ります。首を吊られたままハインリヒは家族の幻覚を見ていると、ある女性によって救助されます。
シュトレンフェルト中佐が率いるナチス親衛隊がゾンネルベルク村にやってきます。ナチスの姿を見た村民はざわつきます。
ハインリヒが目覚めると、目の前にはエルザと名乗る女性が。彼女がハインリヒを救ってくれました。彼女はダウン症の弟パウルと農業をしながら暮らしています。
村にやってきた中佐は、村長にヨハネス・レーベンシュタインについて尋ねます。彼はここに住んでいた唯一のユダヤ人でした。村長に彼の家へ案内するよう中佐は命じます。訪れると、レーベンシュタイン家の家は燃やされ廃墟となっていました。
村長と中佐のやり取りを遠くの隅からある女が眺めています。その女ソーニャは、ナチスが立ち去ると、村長に、彼らは金塊を探しにこの村に来たに違いないと忠告。ここを出て新しい生活を始めようと誘うソーニャでしたが、妻子がいるからそんな単純な話ではないと、村長に冷たくあしらわれます。
ブラッド・アンド・ゴールド ~黄金の血戦場~のネタバレあらすじ:承
ナチス親衛隊は村でとても横柄な態度を取り、まるで王様気分です。彼らはすぐに、レーベンシュタインの家の捜索を開始。しかし、目当ての金塊は見つかりません。
エルザはナチス親衛隊に父親を殺されたことにより、ドイツ兵を恨んでいると話します。すると、ハインリヒは体が癒えていないうちから立ち去ろうとします。エルザは回復してないからだめだと引き止め、ここを手伝ってほしいと伝えます。そんな中、ハーゲン空襲で妻と息子を亡くしたと、子どもたちの写真を見せるハインリヒ。現在は娘しか生き残っておらず、娘を早く迎えに行きたいことが、ここをすぐにでも立ち去りたい理由でした。
そうこうしているうちにナチス親衛隊がエルザの家にやってきます。ハインリヒはすぐに隠れます。
彼らの目当てはエルザたちが世話をしている家畜でした。大切に育てていたため、パウルは動物を奪われることを悲しみます。
ナチス親衛隊の1人、曹長のデルフラーがエルザを見ると、突然襲いレイプをしようとします。隠れていたハインリヒはいても立ってもいられなくなり、攻撃。親衛隊員を次々と殺し、デルフラーのみ逃げ切ってしまいます。
追われる身となったハインリヒ、エルザ、パウルは、この家を出て逃げることに。パウルは牛が心配で家を出たくありませんでしたが、エルザがなんとか説得してパウルを連れ出します。
その道中、ハインリヒは娘についてエルザに話します。娘と会ったのは一回だけで、彼女は自分のことをきっと覚えていない。身を引いたほうがいいだろうかと弱気な態度です。そんな彼をエルザは勇気づけます。
朝起きると、パウルの姿はなく、エルザは焦ります。パウルは家に戻って牛の世話をしていました。
デルフラー率いるナチス親衛隊がエルザの家で戻ってきます。パウルを低能呼びし、虐待しながら、ハインリヒたちの居場所を聞き出します。パウルはその虐待に耐えます。その後パウルはナチスに連れて行かれ、その姿を見たエルザは泣き崩れます。
結局金塊は見つからず、中佐はこの家に31個の金塊があるはずだとご立腹。ナチスは金塊の数まで把握していました。中佐は村民を疑い、全員広場に集めるように村長に指示を出します。
ブラッド・アンド・ゴールド ~黄金の血戦場~のネタバレあらすじ:転
村長が指示通り村民を教会の広場に集めます。ナチスは「生きるに値しない命」と書かれたボードをパウルの首にかけて、ケラケラと笑っています。それを見兼ねた神父が、その行動に反発すると、ナチスに殴られてしまいます。
パウルは教会の塔の上に連れていかれ、ナチスに突き落とされそうになりますが、隙を見たパウルはナチスの1人を突き落とし、銃を奪います。興奮したパウルは塔の上から銃を乱射。広場に集まった人々はパニック状態となります。そんな中、中佐は冷静に銃でパウルに狙いを定めてパウルを撃ち殺します。それを見たエルザは、中佐に銃弾が無くなるまで連射し、玉切れになるとその場で泣き崩れます。その姿をみた中佐は、エルザに何か感情が芽生えたかの表情を見せます。
ハインリヒはエルザと行動を共にしていたため、デルフラーに見つかってしまい、ナチスに追われます。激しい戦いの末、逃げ切ることはできましたが、太ももには酷い刺し傷が。近所の村民イルムガルトが助けてくれ、ハインリヒを看病してくれます。そこに神父が現われ、エルザはナチス親衛隊の宿に連れていかれたと説明。ハインリヒは、なぜナチスがこの村にやってきたのかと訊ねると、彼らは金塊を探しに来たと神父が言います。神父もまた金塊の存在を知っていました。
かつてこの村に住んでいたレーベンシュタイン家は、村のために働いて周りから大変慕われていました。しかし、戦争が始まり、ユダヤ人迫害の流れになった際、ロベルト村長を筆頭に、村民たちがレーベンシュタイン家に暴力を振るって追い出そうとします。あまりのショックな村民の行動に、神父は立ち尽くすしか術がなかったそう。すると、家の中から大量の金塊が出てき、その場にいたロベルト村長とソーニャ、ラインコバーとウィルによって隠されました。
このままでは自分の命が危ないと、ロベルト村長はナチスに金塊の隠し場所を打ち明けようと決意をします。それに反対したソーニャ、ラインコバーとウィルは村長を殺します。
ナチス親衛隊の基地に連れていかれたエルザは、中佐から、かつて愛した女レベッカに似ていると言われます。レベッカはユダヤ人で、収容所に連れて行きたくなかったという理由で中佐自ら撃ち殺したとのこと。その話の後、中佐はレベッカに渡すはずだった婚約指輪をエルザに渡し、「一生守る」と伝えます。
ソーニャとラインコバーとウィルが隠した金塊を掘り起こすと、そこには金塊はなく、その代わりに、“汝盗むなかれ”の部分に線が引いてある聖書がおいてありました。ソーニャたちは、すぐに神父の仕業だと思いつきます。
神父は残酷な暴動を見た後、人殺しに金塊を渡してはならないと、正義感から金塊を隠す行動を取りました。
エルザが中佐の隣で寝ている間に、中佐の指輪から毒物を発見。それをこっそり盗み出すと、中佐にホレたフリをしてキスをし、口移しで薬を飲ませ、中佐を毒殺します。すぐにエルザは脱走を図ります。
ブラッド・アンド・ゴールド ~黄金の血戦場~の結末
米軍が前線を抜けてこの村に来るとの噂が。ドイツ敗戦が色濃く出てきます。
ハインリヒは神父から託された金塊をナチスの基地に投げ込み、エルザと金塊を引き換えるよう要求。ハインリヒの脚はまだ完治しておらず、一人で挑むには危険な状態です。
中佐が毒殺したとわかったデルフラーは、中佐の代わりにここを仕切りはじめます。基地にはすでにエルザの姿は無かったため、別の女を寄越して、その隙にハインリヒを捕らえる作戦を実行。
一方エルザは自力で脱出し、イルムガルトのところへ。ハインリヒはエルザを助けにナチスの基地に行ったとの知らせを聞いて、エルザは引き返そうとします。そんなエルザにイルムガルトは銃を託し、自分も銃を抱えてナチスの基地へと向かいます。
ハインリヒはナチスに捕まり、手当を受けます。そして、ハインリヒの子供を人質に金塊のありかを聞くデルフラー。仕方なくハインリヒは金塊の隠し場所の教会へと、ナチスたちを案内します。
ソーニャたちは、神父に金塊の在りかを聞き、教会でたくさんの金塊を発見。それに手を伸ばすと、手榴弾を仕込まれていたため爆発。ナチス親衛隊とソーニャたちの撃ち合いが始まり、神父は撃たれて亡くなってしまいます。
エルザもすぐさま教会へと駆けつけ、教会にナチス親衛隊から盗んだダイナマイトを撃ち込みます。
イルムガルトとともに教会へと忍び込み、神父が撃たれた姿を目にしたイルムガルトは悲しみます。怒りに満ちたイルムガルトが撃つ銃弾はデルフラーに当たり、デルフラーは倒れます。その間に、イルムガルトは他のものに撃たれてしまいます。
エルザも肩を撃たれてしまいます。撃たれたデルフラーは再び立ち上がり、エルザたちに攻撃を。ハインリヒは脚の怪我によって全く戦えない状態でしたが、最後の力を振り絞って、金塊で殴ってデルフラーにとどめを刺します。
生き残ったエルザとハインリヒは金塊にも目をくれずその場を後にします。
しかし、1人のナチス親衛隊が生き残っていました。たくさんの金塊を一人占めできると笑みがこぼれます。しかし、その背後で生き残っていたソーニャがそのナチスを目掛けて銃を発砲し殺します。
ヒトラーが死んで戦争終了というラジオ放送が流れる中、ソーニャは笑顔を浮かべて優雅に運転をしています。しかし、ドイツ兵と間違えられ、連合国軍から攻撃を受けます。派手に転倒した車から金塊がこぼれ落ちます。そのすべては連合国軍によって回収されます。
娘と再会できたハインリヒは、娘を強く抱きしめて、この映画の幕は閉じます。
以上、映画「ブラッド・アンド・ゴールド ~黄金の血戦場~」のあらすじと結末でした。
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