虚構の錬金術:セントラ・テック詐欺の紹介:2024年アメリカ映画。幼いころから犯罪者になることに憧れていたレイモンド・トラパニことレイ。お金に対する執着が高く、一攫千金を狙う日々。ある日、友人が暗号資産市場の抜け穴を発見し、それを悪用し、投資家から多額の資金を巻き上げる詐欺を実行します。
実際に起こった詐欺事件に迫った、犯罪ドキュメンタリー映画です。
監督: ブライアン・ストーケル 出演:レイモンド・トラパニ、ロバート・フォーカス、アンドリュー、ケリ、ジェイコブ・レンセル、マーティン、フィリップ、ラサニエル・ポッパー、ウィリアム・ハグナー、ロバート・コーエン、サム・エンザー、ほか
映画「虚構の錬金術:セントラ・テック詐欺」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「虚構の錬金術:セントラ・テック詐欺」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「虚構の錬金術:セントラ・テック詐欺」解説
この解説記事には映画「虚構の錬金術:セントラ・テック詐欺」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
虚構の錬金術:セントラ・テック詐欺のネタバレあらすじ:起
2017年、ビットコインで成功したものが続々と現れ、暗号資産がブームとなっており、ニューヨーク・タイムズ紙のラサニエル・ポッパーは当時、暗号資産についてよく調査をしていました。
ICOの登場により、誰でも銀行口座なしで金融商品を売ることが可能になったため、詐欺事件が横行。セントラ・テックもその1つで、共同創業者のレイモンド・トラパニことレイは、嘘をついて大勢を騙して大儲けをしました。それにより、懲役100年以上を求刑されます。
レイは幼い頃から犯罪者に憧れており、お金に異常に執着していました。彼は3人兄弟で母親はシングルマザーです。
2009年、レイの出身地アトランティック・ビーチにて、レイと幼馴染のアンドリューはオキシコドンにはまっていました。2人はオキシコドンの処方箋を120枚書き、薬局へ。それで無限に金を稼ぎ、いい時は1日に5000ドルを稼ぎました。
しかし、レイがヘマをして逮捕され、すぐにアンドリューをはじめ、仲間のことをレイは警察に売ってしまいます。それにより、アンドリューは2年間、裁判所を行き来することになりましたが、警察に協力したレイは何もお咎めなしでした。アンドリューはインタビューでレイを「クソやろう」と評価します。
虚構の錬金術:セントラ・テック詐欺のネタバレあらすじ:承
レイは友人で車に詳しいバートと、高級車を貸し出す『マイアミ・エキゾチックス』設立を計画します。その際に、サム・ソルビーも事業仲間となります。
会社を設立するにはお金が必要です。そこでレイは祖父のポップに相談をします。レイにとって祖父は父親代わりで、彼はレイと同じくお金に執着をしています。シングルマザーで生活が厳しいなか、祖父が金銭面で支えてくれていました。相談後、ポップはレイのために自宅を担保にして、25万ドルのローンに署名をしてくれました。
これにより、無事会社を設立し、毎月約6万ドルの利益を上げました。しかし、レイを含めた事業仲間は、会社のお金でバカンスやカジノなど私的なものに多くを出費をし、会社を維持するため、さらにレイの家族に借金を負わせることになります。借金を背負っていたのはレイの家族だけでした。それからレイは精神的におかしくなり、ドラッグに溺れていきます。
このままでは会社が立ち行かなくなってしまうところに、起死回生案として、ソルビーから暗号資産の話を持ちかけられます。
その当時の暗号資産の問題点は、どれだけ儲けてもそのビットコインの使い道がなかったこと。そこに注目したソルビーは、時と場所を気にせず暗号資産を自由に使えるデビットカード、『セントラカード』を考えつきます。しかし、これは実現することが難しく、ソルビーたちはICOを活用し、投資家から多額の資金を集めてお金をだまし取る詐欺として、この事業を進めていくこととなります。
ロバート・フォーカスを交えて、レイ、ソワーズは共同創業者となります。しかし、3人とも若すぎるため説得力に欠けるとのことで、貫禄のある年配者マイケル・エドワーズをCEOに迎え入れます。
セントラ・テックはハイテクなホームページを作成し、多くの人が彼らの事業に注目をしました。
虚構の錬金術:セントラ・テック詐欺のネタバレあらすじ:転
2017年7月30日、セントラ・テックはトークン販売を開始。最初は思うように資金が増えず期待外れでしたが、ある時を境に急激に増えていきました。その理由は、暗号資産に詳しくSNSで人気を博するクリフ・ハイが、投資家にセントラ・テックを勧めたためでした。
多くの資金が集まったセントラ・テックは、投資家にアピールをしてさらに資金を集めるため、オフィスを構えます。そして、約50人を雇います。
さらなる資金を集めるため、宣伝を工夫する必要があるとセントラ・テックは考えます。そして、メイウェザーに依頼をし、その宣伝は大成功。他の有名人にも宣伝を依頼し、資金を順調に増やしていきます。
ニューヨーク・タイムズ紙の記者、ラサニエルは、セントラ・テックについて調べ、多くの矛盾を暴き出し取材を申し出ます。この取材を受ければ、さらに会社の名前が世の中に広がると考えたセントラ・テックは、特に深く考えることなく取材を快く承諾します。
ラサニエルがセントラ・テックのオフィスへとやってくると、基本情報は嘘でしたが、最初は詐欺で始めた事業は、今は本気でビットコイン用のデビットカードを作ろうとしているということがわかりました。
セントラ・テックは、VISAやパン・コープ銀行から承認を得ているとうたっていましたが、ラサニエルが各社に確認をとると、その会社の申請記録がないという答えでした。
さらに、クリフ・ハイは自分の情報収集が間違っていたと気づき、セントラ・テックを疑い始めます。追い込まれたソルビーたちは、弁護士に相談すると、サイトから承認を得ていない企業のロゴを消せば、証券取引法違反には問われないというアドバイスをもらい、その通りに進めます。
それでも、セントラ・テックの疑念が晴れることはなく、多くの投資家がCEOのマイケル・エドワーズの説明責任を求め始めます。そもそもマイケル・エドワーズは存在するのかという噂も飛び交います。
実は、マイケル・エドワーズは存在せず、「白人 年配」で画像検索し、そこから拾ってきた画像をサイトに表示していただけでした。彼の本当の正体はアニトバ大学のアンドリュー・ハレイコという全くの別人。自分の写真が悪用されていることを、彼は知りませんでした。
困ったセントラ・テック側は、CEOのエドワーズ不慮の事故で亡くなったと発表し、 新しいCEOとして、レイの祖父の写真を使用することにします。しかし、それはレイの祖父であるとすぐにばれます。
SNSでは、セントラ・テックの矛盾点を指摘する動画が続々と上げられていきました。その行為に対してセントラ・テックは、お金を提示して動画を削除させるように提案しました。それでも次々とSNSでは動画が上がっていき、もう終わりだとレイは思いました。
そんな時に、韓国の企業ビット・テック社から興味があるから投資をしたいという連絡がやってきます。それにより、500万ドルの投資を受けました。さらに投資を促そうと、韓国で使えるように偽物のアプリを開発。ごく一般的なデビット決済を暗号資産決済に見せるアプリです。
レイは危ないことをしている自覚があったため、海外へ行くことを拒み、ソルビーは1人で韓国へと向かいます。ソルビーはプレゼン中に計画通り、アプリの操作をしましたが失敗をしてしまいます。誰もがソルビーの安否をきにしましたが、ビット・テック社は投資を決断してくれ、その日のうちに追加の1500万ドルの投資を得ることに成功します。ビット・テック社は共同して、アプリが正常に作動したかのように見せ共謀してくれました。
虚構の錬金術:セントラ・テック詐欺の結末
韓国の取引は大成功しましたが、ついに、ニューヨーク・タイムズ紙の記事で、セントラ・テックの詐欺行為が暴かれます。
弁護士に言われた通りの対策を取っていたため、セントラ・テックは証券取引委員会の規則に従っていると信じていました。しかし、その弁護士は弁護士資格を持っていないバージニアのただの大学生だということが発覚。詐欺師たちが詐欺師に騙されていました。
レイは捕まる前に、アトランティック・ビーチによって家族が負った借金を返済したいと申し出ましたが、ソルビーに拒否をされます。これをきっかけに、レイは会社を辞め、さらにドラッグに溺れていきます。
結局、証券取引法違反でソルビー、レイ、ロバートは逮捕されました。
それから4年後の2022年判決の日。レイは準備を進める中、奥さんが破水したこと知らせます。現在はドラッグをやめ、警察に協力するため、何でも正直に話してきました。
判決の結果、ソルビーは懲役8年、ロバートは懲役1年の刑が下されます。一方レイは、警察への協力が評価され、刑期は満了したものとみなされ、多くの人がこのレイの判決に納得がいきませんでした。
インタビューにて、詐欺でだまし取った資金はどうなったのか聞かれると、レイは話を濁します。
290万ドルの支払いを被害者にすることを命じられた判決から2ヶ月後、レイは新しい家を購入。その資金は一体どこから出ているのか。2023年8月現在、セントラ・テックの資金を回収した投資家はいないとされています。2017年に49億ドルが暗号資産に投資され、その78%が詐欺でした。
以上、映画「虚構の錬金術:セントラ・テック詐欺」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する