アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポンの紹介:1991年日本映画。興信所に勤めるトキオが、ゴミ置き場にバナナを捨てに行ってフィリピン女性のバナナと知り合います。バナナがトキオの父を殺したゲリラメンバーであることを知らずに愛し合うようになったトキオ。そのころ、アジア系外国人不法就労者ばかりを狙う右翼団体「故郷の会」がバナナの入居先を狙っていたのでした。日本、台湾、シンガポール、タイ、マレーシア、香港のアジア六カ国の若手監督たちがくりだす「アジアンビート」シリーズ第一弾で、東京を舞台に不法就労外国人と日本人青年の繋がりを描いた作品です。
監督:天願大介 出演者:永瀬正敏(トキオ)、ルビー・モレノ(バナナ)、鰐淵晴子(女帝)、ヒロ・アライ(モリタスミオ)、ユキオ・ヤマト(オオツキ)ほか
映画「アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポン」解説
この解説記事には映画「アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポンのネタバレあらすじ:起
興信所に勤めるトキオは、不法就労外国人とのつながりが強く、仕事の斡旋もしています。ある日、八百屋でバナナをかわされたトキオが事務所に帰ると、バナナ箱がたくさん積まれていました。金髪マニアの社長がもらったというものの、当然二人では食べきれず「どっかに始末して来い」と言われます。
生ごみ収集場に持っていくと、若いフィリピン女性が「バナナもらっていいですか?」と声をかけます。トキオは「いいよ」と言って名前を聞くと、女性は「私はバナナ、これでお酒を造るの」と言って持って帰りました。
とある会場では、アジア外国人の不法就労者を一掃する目的の右翼団体『故郷の会』が集会をしています。会長のオオツキの説法にメンバー達の士気が上がります。行動隊長のスミオ達は、不法就労者の職場や入居先を次々襲い、暴行をかさねアジア系外国人を捕まえて行きます。
そんなある日、トキオが金を貸していたヤンが逃げてしまいます。アパートに乗りこむと、大家も「家賃を4か月払わず逃げた」と言いながら金目のものを探しています。トキオも便乗してダンボール箱を持ち帰ったのでした。中には河童の手のミイラのようなものが入っていて、外へ捨ててしまいました。
アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポンのネタバレあらすじ:承
麻雀仲間の老人たちから『故郷の会』の話を聞いたトキオが、社長に話しますが、金髪女しか興味のない社長は聞き流します。トキオがパチンコを打っているとバナナがやってきます。バナナは合鍵で台を開け、一発台に玉を入れボロ勝ちします。
バナナは「お酒が出来た」とトキオを呼びます。バナナの入居先は不法就労外国人ばかりのタコ部屋でした。皆が集まって酒を飲みます。バナナはトキオを外へ連れ出し二人で酒を飲み話しこみます。その後、トキオは『故郷の会』のメンバーに襲われ暴行を受けてしまいます。社長は「故郷の会は危険だからかかわるな」と注意します。
バナナのいる入居先に『故郷の会』のスミオらが乗りこみます。バナナはとっさにファイルを持って窓から飛び降り逃げ出します。スミオは全員を捕まえたつもりでしたが、バナナがいない事にオオツキが怒りだし、スミオに暴行します。そしてフィリピン人のゴンザレスを紹介し「二人でバナナを探し、ファイルを取ってこい」と命じたのです。バナナの持っているファイルに日本企業の何かがあるのです。
純日本人としての教育を受けたスミオが拒みますが、オオツキは有無を言わさず行かせました。ゴンザレスとどうしても馴染めないスミオは別行動をとります。しかし、不法就労者たちに囲まれリンチを受けてしまいます。そんなスミオを助けたのはタイ人女性テレサでした。
アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポンのネタバレあらすじ:転
トキオが部屋に帰るとバナナがいました。そこへ大家がやって来て「中に入っていた手はどうした。あれは中国幻の媚薬だ」と教えます。「捨ててここに無い」と言うと大家が帰ります。トキオは手を拾ってきて、削って粉にして薬にします。そして「オレの父はフィリピンでゲリラに殺された」と話します。やがて二人は愛しあいます。翌朝、バナナは「I LOVE NIPPON」の書置きを残しいなくなっていました。
トキオは企業を仕切る裏の女帝に呼ばれます。女帝は「バナナはあなたのお父さんを殺したゲリラのメンバーだ。バナナが持っているファイルを持って来なさい。持ってこないとあなたが殺される」と脅します。
トキオは断り事務所に戻ります。すると社長が、本物の太めの金髪女性と意気投合しています。「興信所をやめて二人で英会話教室をやる。さっきバナナという女性が来て待っていると言っていた」と言いました。
トキオは慌ててバナナを探します。バナナを見つけると「これを預かってほしい」とファイルを渡します。バナナは「私は、あなたのお父さんを殺したゲリラのメンバーです。日本に来たのはテロじゃない、お金を稼ぐためだ」と言います。トキオは「君を信じる」と言って抱き寄せますが、知らぬ間にオオツキらに取り囲まれていました。
アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポンの結末
ゴンザレスがバナナを捕まえると、バナナは「裏切り者」と言いながら、ナイフで自分の腹を刺し首を切り裂いたのです。トキオもオオツキに捕まり殺されようとしています。そこへやってきたのはスミオでした。スミオがオオツキらを倒すと、トキオに「オレはこいつと結婚してタイ人になる」とテレサを紹介します。
トキオはファイルを持って、バナナを抱えますがすでに死んでいました。そしてオオツキを殴り飛ばし去っていきます。しかしトキオはバナナ殺しの容疑者として指名手配されたのです。
女帝が動き出します。オオツキを拷問し、「トキオには手出しをするな」と言います。女帝はトキオを拉致し「スミオとテレサを殺した。あなたはもう死んだことにした。私の下で働きこの名前で生きるのよ」と言います。トキオは「オレはオレで生きていく」と言って飛び出します。
しつこいオオツキがトキオをつけまわし、ショッピングセンターのバナナ売り場で追い詰めます。トキオはオオツキを叩きのめすと、慌てて港の韓国船に飛び乗ります。飛んだときパスポートを落としてしまい、「パスポートを落とした」と船長に話しますが言葉が通じません。諦めたトキオはそのまま船で進みました。
以上、映画「アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポン」のあらすじと結末でした。
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