駅馬車の紹介:1939年アメリカ映画。巨匠ジョン・フォードの代表作のひとつ。当時衰退していた西部劇をこの一本だけで復興させた傑作。オーソン・ウェルズはこの映画を何度も見て研究し、処女作「市民ケーン」を作ったという。クライマックスの襲撃シーンは圧巻。
監督:ジョン・フォード・出演:リンゴ・キッド(ジョン・ウェイン)、ブーン医師(トーマス・ミッチェル)ほか
映画「駅馬車」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「駅馬車」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「駅馬車」解説
この解説記事には映画「駅馬車」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
駅馬車のネタバレあらすじ:起
1880年、ニューメキシコ州ローズバーグに向かうひとつの駅馬車に様々な人が乗り込みます。婦人連中に街を追い出された娼婦のダラス、酒を飲むためなら何でもやる医者ブーン、妊娠中の若妻ルーシー、ウィスキーのセールスマンのピーコック、さらに賭博師ハットフィールド。彼らに御者のバック、ウィルコック保安官を加えた計7人。
駅馬車のネタバレあらすじ:承
途中で銀行家のゲートウッドが乗り込みますが、彼は金を横領し、そのまま高飛びするつもりです。そして最後にもう一人、馬が足を折ったため立ち往生していたリンゴ。父と兄弟がプラマー兄弟に殺されたことを知り、その復讐をするために脱獄して、兄弟のいる街に向かう途中でした。保安官は彼に好意を持っていて、返り討ちになるのを防ぐためにもリンゴを拘束状態に置きます。馬車は最初の中継地アパッチウェルズに到着。名高いジェロニモがアパッチ族とともに馬車を襲う可能性があり、保安官と御者は乗客の多数決でこのままローズバーグに向かうかどうか判断しようとします。全員街へたどり着きたい事情があったので、このまま前進することに決定。
駅馬車のネタバレあらすじ:転
さらに続く道中で、ハットフィールドは身重のルーシーへの献身を示し、リンゴは皆に冷たい態度を取られているダラスに同情、そしてアル中のブーンはピーコックから酒瓶をせびって飲み続けます。次の中継地ドライフォークでは、軍人の夫が負傷したと聞かれたルーシーがショックで倒れ、産気づきます。酒でボロボロだったブーンも医者らしい態度に戻り、何とかルーシーから赤ん坊を取り上げます。女の子でした。騒動のあと、リンゴは同情を寄せていたダラスへ恋情をつのらせ、結婚して一緒に住もうといいますが、ダラスはハッキリした返事を与えません。
駅馬車の結末
アパッチの狼煙を見た一同は回り道をして馬車を進ませますが、やがてアパッチは駅馬車を襲撃してきます。リンゴを中心に乗客たちは必死の応戦。ピーコックとバックが負傷、ハットフィールドが死亡しますが、騎兵隊が到着したことで何とか他の乗客は助かります。行き着いたローズバーグで、結局ゲートウッドは逮捕。ルーシーも夫が軽症だった事を知り安堵します。リンゴはプラマー兄弟と決闘。彼らを倒します。保安官はわざと見知らぬふりをし、リンゴを解放。リンゴは一緒に暮らすことを決意したダラスと2人、馬車に乗って去ってゆきます。
危険な旅の途中で騎兵隊将校の妻に無事に誕生した赤ん坊。出産を助けたクレア・トレヴァーがその子を抱きあげた姿が美しい。一方、男たちが赤ん坊を見つめる中で、ジョン・ウェインの視線の向きだけが違います。その、未来の自分の妻、未来の自分の子供の母親を見るでれーっとした顔が最高です。駅馬車の一行の中で自分が一番蔑まれていると思っている二人の間の慎ましい恋。