スパルタカスの紹介:1960年アメリカ映画。主演のカーク・ダグラスが自らプロデュース、「突撃」でコンビを組んだキューブリックを監督に起用したスペクタクル史劇の名作。キューブリック監督としては、そのキャリアで唯一の自らの企画ではない作品となった。
監督:スタンリー・キューブリック 出演:カーク・ダグラス(スパルタカス)、ローレンス・オリヴィエ(マーカス・リシニアス・クラサス)、チャールズ・ロートン(グラッカス)、ジーン・シモンズ(バリニア)、ほか
映画「スパルタカス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スパルタカス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スパルタカス」解説
この解説記事には映画「スパルタカス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スパルタカスのネタバレあらすじ:1
紀元前73年のローマ帝国。リビアの鉱山で多くの奴隷が働いていました。仲間を助けて衛兵に反抗したスパルタカスは危うく処刑されるところでしたが、貿易商のバタイアタスは彼に剣闘士の素質があることを見抜き、わざわざ彼の経営する養成所まで連れてゆきます。そこで厳しい訓練を積むうち、女奴隷バリニアとも親しくなります。やがて、名将クラサスが見学に来ます。余興としてスパルタカスは、親友の黒人奴隷ドラバと戦わされることに。真剣による試合で、どちらかが死ぬまでやめられないのです。試合に勝ったのはドラバでしたが、彼はスパルタカスにとどめを刺さず、クラサスに襲いかかります。たちまち護衛に殺されるドラバ。ローマに戻るクラサスはバリニアに目をつけ、彼女を連れて帰ります。
スパルタカスのネタバレあらすじ:2
ドラバやバリニアの件で気持ちが穏やかになれないスパルタカスは、仲間のクリクサスと話し合い、叛乱の狼煙をあげます。スパルタカスに率いられた奴隷たちは日頃からの鬱憤が一気に爆発し、次々と支配者である貴族たちの所領を襲撃し占領。そこにいた奴隷たちも加わって一大勢力となりました。ベスビアスの山腹に大きな居住地もできます。そしてスパルタカスにとって何より嬉しかったのは、売られたバリニアを取り戻せたことでした。しかし、帝国軍の反撃も凄まじく、味方としていた海賊軍に裏切られたことで奴隷軍は敗走。カプア近郊の大平原において両軍は最後の決戦に臨みますが、武器に恵まれた帝国軍の前に奴隷軍は完敗。生け捕りにされたスパルタカスは十字架にかけられることとなります。
スパルタカスの結末
バリニアは再びクラサスの奴隷になったものの、クラサスの政敵であるグラッカスが彼女を誘拐。彼女にはスパルタカスとの間に子供が生まれています。そして彼女たちを逃がすと同時に、グラッカスは毒をあおって自殺します。バリニア母子は十字架にかけられてさらし者にされているスパルタカスの元へ。まだ辛うじて生きていた彼は2人の姿を認め、息子がもはや奴隷ではないことを知るのです。やがて彼は絶命。バリニアは子供を抱いて去ってゆきます。
「スパルタカス」感想・レビュー
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本編は勿論の事、ソール・バルのオープニングタイトルバックも秀逸です。
石像の様々な体のパーツの舐めるようなアップから始まり、徐々にカメラが引いてそれが剣闘士の石像であると判明、最後は石像が砕け散る。
“3分で映画を語る男”と呼ばれたソール・バス作品の中でも、自分の中ではベスト3に入る作品です。
敵軍に追い込まれたクライマックス、クラッサスによるスパルタカス探しが行われますが、仲間が次々と「俺がスパルタカスだ!」と叫ぶシーンが有名です。どんなにひどい扱いをされても人間からは自尊心を取り去ることはできないのだと実感。スパルタカスやその仲間たちの高貴さに感激する映画です。キューブリックが関わっているものの、彼の企画作品でないというだけで観ることをためらう人がいたら、早く観て!と言いたいです。