最後の人の紹介:1924年ドイツ映画。巨匠ムルナウ監督の代表作のひとつ。「メトロポリス」などで知られるカール・フロイントの撮影が見事な効果を上げ、ドイツの無声映画の傑作として映画史に残る作品となっている。主演はこの時期のドイツ映画を代表する名優エミール・ヤニングス。
監督:F・W・ムルナウ 出演:エミール・ヤニングス(ドアマン)、マリー・デルシャフト(娘)、マックス・ヒラー、エミリー・クルツ、ほか
映画「最後の人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「最後の人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「最後の人」解説
この解説記事には映画「最後の人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
最後の人のネタバレあらすじ:起
ベルリンにある豪華なホテル。大勢の貴紳淑女が出入りしてまるで宮殿のようです。回転ドアを抜けると、雨の降る街頭。そこでレインコートを着て働く年老いたドアマンがいます。巨漢の彼は大きな荷物も軽々とホテルの中へ運び入れ、年齢を感じさせません。レインコートを脱ぐとその下には立派な制服。彼はこの服装が自慢でした。制服に合わせるように立派な髭をたくわえ、威風堂々たる外貌。いかにもこの宮殿のようなホテルにふさわしい従業員なのです。
最後の人のネタバレあらすじ:承
仕事が終わると、彼はそのままの格好で下町の高層アパートへ。そこに彼は娘と一緒に住んでいるのです。近隣の人たちがその制服に敬意を払うため、彼にはこの帰り道も楽しい時間でした。娘は翌日結婚する予定です。彼も親としてホッとする気持ちでした。しかしこの幸福も長くは続きません。翌朝になっていつものように出勤。すると自分の代わりのドアマンがいます。驚く男。支配人に話をしにゆくと、彼は地下室のトイレ係に配置換えされていました。男が前日荷物を運んだ際、少し椅子に座って休憩を取ったのがその原因です。
最後の人のネタバレあらすじ:転
支配人にとっては、客の前で従業員が椅子に座るなど許されないことだったのです。男は支配人の前でまだ腕力があることを示そうとしますがそれにも失敗。気絶しそうな彼から、他の従業員が制服を脱がせます。しかし、その日は娘の結婚式。金ボタンの制服で出席することは彼の強迫観念と化していました。コッソリと制服の仕舞われた場所の様子をうかがい、それを盗み出す男。強い風の吹く街頭で着替えを済ますと、自分のアパートへ。ささやかな結婚式はそこで行われていました。宴も終わり、酒に酔った男は夢を見ます。自分がまたドアマンに戻り、怪力を発揮して荷物を運んでいる夢です。しかし出勤すると過酷な現実が待っています。地下室のトイレで客の世話をする仕事です。制服が自慢だった彼にとっては屈辱でした。やがてドアマンを辞めさせられた事が近所の人にバレて、彼は軽蔑の対象となります。意気消沈した彼は仕事場のトイレにゆき、そこで夜を明かします。
最後の人の結末
ところが翌日になって、彼に信じられない幸運が舞い込みます。あるメキシコの大金持ちがトイレで倒れ、彼がその最期を看取ったのですが、その遺産が譲られることになったのです。一躍金満家となった彼はホテルで友人たちと豪遊。そしてドアのところにいたホームレスの男を馬車にのせ、ホテルを後にするのです。
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