娼婦ベロニカの紹介:1998年アメリカ映画。女性が男性の所有物とされていた1580年代のベネチアで、高級娼婦として自由に生きる道を選んだ実在の女流詩人ベロニカの波乱に富んだ半生を映画化。
監督:マーシャル・ハースコヴィッツ 出演:キャサリン・マコーマック、ルーファス・シーウェル、オリヴァー・プラット、モイラ・ケリー、ジャクリーン・ビセット、ナオミ・ワッツ、フレッド・ウォード、ジェローン・クラッベ、ほか
映画「娼婦ベロニカ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「娼婦ベロニカ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「娼婦ベロニカ」解説
この解説記事には映画「娼婦ベロニカ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
娼婦ベロニカのネタバレあらすじ:起・貞節と自由
1583年、ベネチア。商業都市として繁栄していた一方で女性は男性の所有物でしかなかったこの時代、ベロニカは人々の賞賛を浴びる華やかな高級娼婦の列を憧れの眼差しで見つめていた。その頃、貴族の友人ベアトリーチェの兄マルコがローマから戻り、再会したベロニカとマルコは愛し合うようになる。
ほどなくベアトリーチェが政略結婚、夫が親ほどの年の男と知ったベロニカは失望するが、マルコにも身分の違いからベロニカとは結婚はできないと告げられ、悲しみに暮れる。そんな娘の様子を見た母パオラはマルコを手に入れる唯一の方法はかつての自分と同様の高級娼婦になることだと告げる。母と同じ道を選んだベロニカにパオラは高級娼婦となるに必要な身のこなし、教養、男を惹きつける手練手管を教え込む。
娼婦ベロニカのネタバレあらすじ:承・高級娼婦として
やがて全てを身に着けたベロニカのお披露目としてパオラは国防大臣に紹介する。貴族らが集う場に現れたベロニカはそこでマルコのいとこマフィオと詩を披露しあう。彼女の美しさと教養は貴族の間でも評判となり、たちまち艦隊総督や司祭など有力者が顧客となる。美しく磨かれたベロニカにマルコも心を奪われ、次々と貢物をするが、身を任せて飽きられることを恐れるベロニカは彼を拒絶し続ける。そしてほどなくマルコも家の決めた名家の娘ジュリアと愛のない結婚をする。
娼婦ベロニカのネタバレあらすじ:転・愛と葛藤の中で
ある日、詩集を出版することになったベロニカがそのお披露目をしていると、マフィオがかつてベロニカに誘いをすげなく断られたこともあいまって嫉妬から貴族らの面前で彼女を侮辱する。ベロニカは剣でマフィオに決闘を挑むと、剣で負けたマフィオは腹立ちまぎれにベロニカを殴りつける。それを見たマルコが思わずマフィオを殴りつけ、ベロニカを優しく手当てする。互いに想いを残していた2人は体を重ねる。そしてベロニカは他の男と寝るなというマルコの言葉で客をとることをやめる。
ほどなくトルコとの戦争状態に入ったベネチアは、反撃のためフランスに助力を求めようとフランス王アンリ三世を招く。謁見の場で総督はえり抜きの高級娼婦たちをアンリ王の前に出すが、彼はマルコと共にいたベロニカに目をつけ、彼女を寝室に呼ぶ。ベロニカは国のためアンリ王に身を任せ、その甲斐あってフランス艦隊を出す約束を取り付けることに成功するが、マルコは耐えられず彼女から去り、そのまま戦場へと向かう。
娼婦ベロニカの結末:宗教裁判
戦争が終わるとベネチアはかつての華やかさを失い、疫病が蔓延して死の町となる。町の敗退は堕落と背徳をもたらした娼婦=魔女のせいだとされ、ベロニカも囚われ、宗教裁判にかけられる。審問官となったマフィオが一方的に罪をあげる中、ベロニカは妻の従順より娼婦の自由を選んだ罪は告白するが後悔はしていない、と言い放つ。それと聞いたマルコは自分も共犯者だと声を上げると、かつて彼女を愛した貴族の人々も名乗りを上げる。この結果に教会も手を引く。
自由の身となったベロニカは自宅を宗教裁判の犠牲者のために解放し、生涯マルコとの愛を貫いた。
以上、映画「娼婦ベロニカ」のあらすじと結末でした。
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