ア・フュー・グッドメンの紹介:1992年アメリカ映画。当時隣国にして敵国であったキューバ、グアンタナモ米軍基地にて一等兵が死亡する。調査の結果、米軍で禁じられていたコードRと呼ばれる兵士間懲罰が実行された気配があり、軍部上層部はその被告兵士の弁護士に、司法取引専門のキャフィを選ぶ。しかし被告は命令に服しただけだと無罪を主張、裁判となり、初めての法廷弁護でキャフィは、兵士の義務と前線勤務兵の倫理に挑む事になる。同名の舞台劇を、若手有望俳優人とベテラン俳優で映画化した軍事法廷映画。
監督:ロブ・ライナー 出演者:ダニエル・キャフィ(トム・クルーズ)、ネイサン・R・ジェセップ(ジャック・ニコルソン)、ジョアン・ギャロウェイ(デミ・ムーア)、サム・ワインバーグ(ケヴィン・ポラック)、ジョナサン・ケンドリック(キーファー・サザーランド)、ジャック・ロス(ケヴィン・ベーコン)ほか
映画「ア・フュー・グッドメン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ア・フュー・グッドメン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ア・フュー・グッドメン」解説
この解説記事には映画「ア・フュー・グッドメン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ア・フュー・グッドメンのネタバレあらすじ:第1幕
キューバ、グアンタナモ海兵隊基地で、サンティアゴ一等兵が死亡した事が軍上層部に報告されます。上層部ではコードレッド(R)が発令された節があり、その扱いに慎重になっていました。野心家の女性、ギャロウェイ少佐は、この裁判を聞き付け、自ら被告の弁護士なりたいと志願します。しかし彼女の上官達は、司法取引で済ませる裁判だとキャフィ中尉を選任し、その補佐にサム中尉をつけます。キャフィは今まで起訴を司法取引でまとめて来た男でした。無理矢理担当に割り込んできたギャロウェイとは情熱が違いました。グアンタナモ基地司令ジェセップは、半ば最前線のこの基地を任される程に軍人然とした男でした。そしていずれは、国防委員会の一員となる事を保障された大物でもありました。死亡したサンティアゴは、基地の現状と訓練の過酷さを家族に手紙で報告していました。ジェセップはその手紙を読み、不満を顕にします。サンティアゴが所属していた小隊の隊長ケンドリックは、小隊内で処理する事を確約していました。しかし、基地副司令官のマシューは、サンティアゴを転属させる事を提言していました。ジェセップは、ケンドリックにサンティアゴを鍛え直せと指示しました。被告のドーソン上等兵とダウニー一等兵がワシントンに移送されてきます。キャフィは弁護する被告兵士の名前を覚えもしていませんでした。それとは対照的にギャロウェイは、キャフィの経歴を調べる程入れ込んでいました。そして彼女は、サンティアゴの死因と死亡時刻に不審な点がある事を指摘します。更にキャフィにコードRを知っているか聞きます。ドーソンがサンティアゴを殺害したのは、ドーソンがフェンス外に発砲したのを密告されないように口封じ中に起きた事件だと報告されていました。被告と面会したキャフィとギャロウェイは、コードRについて聞きます。話は主にドーソンが対応しました。彼は、コードRは、隊規を乱した者に行われる兵士が行う非公式懲罰の事だと言います。サンティアゴは、そのコードRを受け死亡したとも見られています。死因に毒物中毒があり、キャフィはサンティアゴの口を塞いだ布に毒物を仕込んだかどうかを問います。するとドーソンは隊規に従ったまでと主張します。キャフィは検察役のロス大尉と司法取引の話を進めます。その中で、ケンドリックがサンティアゴには手を出すなと命令を出していた事を聞かされます。その話は熱心に被告と接見しているギャロウェイも知りませんでした。
ア・フュー・グッドメンのネタバレあらすじ:第2幕
キャフィ達は、グアンタナモ基地に向かいます。臨戦状態のさながらの基地に彼等は驚きます。彼等はジェセップに面会します。キャフィの父親は有名人で、ジェセップは父親を賞賛していました。同席していたケンドリックに事件の詳細を聞くと、ロスから聞いた話と同じ事を言われます。現場を見ると、枕には血反吐、クローゼットにはサンティアゴの軍服等が綺麗に整頓され居ました。ジェセップ等にサンティアゴの処分について話し合ったかを聞くと、転属させる予定だったと言われます。キャフィは要件を済ませたと退散しようとしましたが、ギャロウェイが、軍としては禁止していたコードRの事を聞きます。ジェセップは、女性蔑視を前置きにして、隊としては行っていたと答えます。キャフィは去り際、転属指令書のコピーを要求しますが、ジェセップが高圧的に丁寧に頼めと要求して来たので、キャフィは下出にでます。ワシントンに戻ると、ギャロウェイがマシューが消えたと報告してきます。状況が変な緊迫感を帯びてきた中、キャフィはまた被告達と接見します。ケンドリックがコードRを出したかを聞くと、彼等は素直に認めました。前回言わなかったのは聞かれなかった為で、ケンドリックが手を出すなと言って来たのも認めました。ロスはその二つの事実を知っていて、キャフィに司法取引を飲むように迫ってきます。キャフィは被告達に司法取引を受け入れる事を提案すると、ドーソンが拒否します。自分達は命令を受け任務を果たしただけなので、海兵隊員の誇りと名誉に掛けて有罪は受け入れられないと言います。そして、あまりにも事務的なキャフィを上官として扱わず、軽蔑します。キャフィは弁護を降りると言い出します。ギャロウェイは、彼の父親を引き合いに出してまで引き止めようとしますが、彼には荷が重いと感じていました。キャフィは一人酒を飲み、たたずみ、考えます。
ア・フュー・グッドメンのネタバレあらすじ:第3幕
法廷が開幕します。そこにはキャフィの姿もありました。罪状認否が行われ、キャフィは被告人の無罪を主張します。司法取引専門で法廷経験の無いキャフィが挑むには、無謀な裁判でした。キャフィは、被告達の命令服従性で勝負しようと考えていました。死因の調べ直しも行い、着々と裁判の準備を進めていきました。裁判が始まり、検察側の主張が始まります。死因は手足を縛り、口を塞いだ為窒息死したと言います。動機に関しては、被害者からの手紙でドーソンの違法発砲が露見した為だとしました。捜査局としても、その件で捜査は行いましたが、証拠不十分で起訴はしていません。他の証人が、ケンドリックが被害者に手を出すなと命令した事を証言しました。監察医は、被害者の死因が検察の主張どおりだと証明します。しかしキャフィは、被害者に普段は判り難い障害がある場合、口を塞いだ布を取っても窒息する可能性がある事を示唆しました。そして訓練中にその兆候は出ていたと主張します。監察医は被害者は健康だった事を譲りませんでした。サムはその日の裁判で無用に異議を唱え、裁判官の心証を悪くしたギャロウェイを非難します。彼女はどこか身の入っていないサムに、被告の二人が嫌いか訪ねます。サムは弱い者をいじめをする奴は嫌いだと答えました。ギャロウェイは、彼等は最前線で戦う勇敢な兵士だと称します。また新たな証人が呼ばれ、コードRの証言が行われます。証人は、被害者が訓練態度が悪かったがコードRは適応されなかったと証言します。それはドーソンがサンティアゴを守っていたからだとも言います。検察は、そもそもコードR自体が軍規に明記されていないと主張します。弁護側は明記されなくても存在する軍規はあると主張します。裁判は一進一退に見えて、弁護側に決め手がない為、キャフィは不利を感じていました。彼は買い物に出て車に戻ると、その隙に姿を消していたマシューが乗り込んで居ました。マシューはキャフィに転属命令は無かったと言い出します。命令書は偽造だったとも言い、キャフィは彼に証言を頼みます。
ア・フュー・グッドメンの結末:第4幕
ケンドリックが証言台に立ちます。キャフィは、ドーソンがコードRを受けた兵士をこっそり擁護してた事で、ケンドリックから不評を買っていた事を証明しようとします。そしてコードRを出した事を証言させようとしましたが、ケンドリックは出した覚えが無いと証言します。裁判は佳境に入りますが、転属命令書を偽造した客観的証拠がどうやっても手に入りません。その証拠をジェセップが隠滅してしまったようです。それはマシューにも伝えられます。マシューは翌日礼服に着替え、自ら拳銃で死を選びます。ギャロウェイはダウニーに、ケンドリックからコードRを受けたと証言させましたが、検察の反証を受け、ダウニーはドーソンから命令を受けたと証言を変えてしまいました。キャフィは、ギャロウェイのミス、マシューの死で打つ手がもう無いと完全に諦めていました。ギャロウェイは、基地司令のジェセップがコードRを出した筈だから、それを本人に証言させようと言い出します。しかしキャフィは、出来るわけが無いと激しく反対します。ギャロウェイは、そんな彼の態度に失望し、帰っていきました。残ったサムはキャフィに、彼の父親よりキャフィに弁護を頼むと奮い立たせます。キャフィはギャロウェイを追いかけ、ジェセップを証言台に立たせる事を決意したと引き止めます。キャフィがジェセップの証人喚問を開始します。開始して間もなく、ある証人を探し行ったサムが、二人の兵士を連れて入廷してきます。キャフィは彼と少し話し、ジェセップの喚問を続けます。ケンドリックが手を出すなと厳命した事、死亡日は転属する日だった筈なのにサンティアゴが荷物をまとめていなかった事等の矛盾を突きますが、ジェセップは動揺しません。キャフィはサムが連れてきた二人を見て、続いて被告の二人を見て決断します。キャフィは勝手に退席しようとしたジェセップを引き止め、彼が証拠を隠滅した事を証明すると言い出します。無論ジェセップは一笑に付します。キャフィは重ねて、基地ではジェセップの命令が絶対なのに、サンティアゴに手を出すなという命令を破っている人間がいる事を指摘、誰かが勝手にコードRを出した事も指摘します。キャフィは真実が知りたいと叫びます。ジェセップは貴様に真実がわかるかと激昂します。国の為に必死で戦う為に隊を必死になって律していると言い、コードRを自分が出したと大声で公言しました。キャフィは即座に審理終了を要求します。自体が急変した事を察したジェセップは帰ろうとしますが、その場で逮捕されました。彼は自分は国を守る為に必要な事をやったと喚きますが、キャフィは人を守るが自分の任務だと応えました。ドーソン達の裁決が下ります。殺人は無罪でしたが軍規違反で懲戒処分が下りました。呆然とするドーソンですが、ダウニーは命令に従っただけで間違っていない怒り出します。それに対しドーソンは間違っていた、弱いものを守るが義務だと彼を諭します。キャフィはドーソンを立派な軍人だと賞賛します。ドーソンはキャフィに最敬礼して応えました。ロスが、サムが連れてきた兵士達が何を証言するか聞きに来ます。キャフィは、彼等は何も覚えていなかったとハッタリを告白しました。
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