名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊の紹介:2023年アメリカ映画。第二次世界大戦後の1947年、水上の迷宮都市と称されるイタリアのベネチアで、隠居生活をしていた名探偵エルキュール・ポアロ。ある霊能者のトリックに興味を持った彼は、ハロウィーンの日に子供の霊が現れるという屋敷でのパーティと降霊会に参加する。集まったのは秘密を抱えた客ばかり。そんな中、招待客の1人が人間には不可能な方法で殺される。やがてポアロ自身の命も狙われ、事件は思わぬ末路へ…。原作は“ミステリーの女王”アガサ・クリスティの『ハロウィーン・パーティ』。ケネス・ブラナー監督・主演の≪名探偵ポアロ≫シリーズとしては、『オリエント急行殺人事件』、『ナイル殺人事件』に続く3作目。
監督:ケネス・ブラナー 出演:ケネス・ブラナー(エルキュール・ポアロ)、リッカルド・スカマルチョ(ヴィターレ・ポルトフォリオ)、ティナ・フェイ(アリアドニ・オリヴァ)、カミーユ・コッタン(オルガ・セミノフ)、ケリー・ライリー(ロウィーナ・ドレイク)、ジュード・ヒル(レオポルド・フェリエ)、ジェイミー・ドーナン(フェリエ医師)、ミシェル・ヨー(ジョイス・レイノルズ)、エマ・レアード(デズデモーナ・ホランド)、カイル・アレン(マキシム・ジェラード)、アリ・カーン(ニコラス・ホランド)ほか
映画「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」解説
この解説記事には映画「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のネタバレあらすじ:起
第二次世界大戦後、1947年のイタリア・ベネチア。名探偵エルキュール・ポアロは、ナイルでの事件を解決した後、ベネチアで隠居生活を送っていました。
一線を退いたあとも訪れる大勢の依頼希望者たちをボディガードのヴィターレに追い払わせていたポアロでしたが、ある日、好奇心旺盛な旧知の作家アリアドニ・オリヴァが訪ねてきました。
オリヴァはハロウィーンの日に元オペラ歌手のロウィーナ・ドレイクの屋敷で行われるという怪しげな降霊会にポアロを誘います。いやいやながら参加することにしたポアロですが、その目的は霊能者のペテンを見破ることでした。
名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のネタバレあらすじ:承
屋敷には子どもの亡霊が出るという噂がありました。ロウィーナ主催のハロウィーン・パーティが開かれたあと、謎の霊能者ジョイス・レイノルズによる降霊会が始まりました。最愛の娘アリシアを失ったロウィーナは死者と対話できることを望んでいました。
しかしポアロはこの降霊会に助手の姉弟による仕掛けがあることを見破ります。やがて降霊会が終わると、突如招待客の1人が不可解な死を遂げました。犠牲となったのは霊媒師ジョイスでした。
亡霊の仕業だと言う人もいて一同混乱に陥るなか、天候は悪化。ポアロたちは屋敷に閉じ込められてしまいます。ポアロは推理を巡らせ、犯人捜しを開始しました。
名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のネタバレあらすじ:転
ポアロはひとりひとりに事情聴取するためまずロウィーナを呼び出しました。彼女はアリシアを事故で亡くして悲しみに暮れる日々を過ごしていましたが、ある日ジョイスから突然手紙が届いたとのことでした。そこにはロウィーナだけが彼女を呼ぶときに使う愛称「アスパシア」と記されていたことから、降霊会を依頼するに至ったと言います。
さらにロウィーナはポアロとオリヴァを屋上の庭園へ連れていき、アリシアとの思い出とともに、彼女はマキシムに婚約を破棄されたことで病に侵されることとなったと明かしました。
家政婦のオルガは元修道女で、霊能者の力を疑うというより神に背いた邪悪なものだと考えていました。このオルガの聞き取り中、ポアロは女の子の歌声をかすかに聞きました。
続いてポアロはアリシアの担当医であったフェリエ医師にジョイスの検視結果を尋ねました。ジョイスの遺体には子どもの亡霊の話で知られる“復讐の印”がつけられていました。しかし、ポアロに死亡時刻のミスを指摘されるとフェリエ医師は錯乱しかけます。
息子レオポルドによって発作は治まりましたが、彼は戦争時従軍医として惨状を目撃してから精神に問題を抱えていることを明かしました。一度は医師を離れたフェリエでしたが、恋するロウィーナの依頼でアリシアの病を診てあげていたのでした。
ポアロはジョイスの助手だったホランド姉弟にも話を聞きました。かつてドイツの森で過酷な生活を送っていた姉弟は、渡米する夢を叶えるべくお金のためにジョイスの助手をやっていたのでした。
謎の解明に苦戦するポアロは再び少女の歌声を聞きます。さらに少女の姿を感じもしましたが、ふとした瞬間に幻のように消えてしまいます。さらには、隠されていた黒電話が突然鳴り出し、ヴィターレが出ると相手は無言でした。
名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊の結末
やがて嵐は強くなり地震のような地響きに驚いたフェリエ医師は、再び発作を起こしてマキシムに殴りかかってしまいます。レオポルドの言葉で正気に戻りましたが、音楽室で休ませることにしました。安全のため部屋は施錠し鍵はポアロへ託されました。
ポアロはアリシアの元婚約者マキシムにも話を聞きました。フェリエ医師のせいで死んだと思っている彼は、結婚を控えた頃に撮影された幸せそうなアリシアの写真を持っていました。ポアロはそんなマキシムに対し、財産目当ての結婚などではなく、彼女を心から愛し続けていたことを指摘しました。それにも関わらず彼が婚約を破棄したのは、母ロウィーナの過干渉だったことが原因でした。
ボディガードのヴィターレにも聴収をするポアロは、家人にしか分からない場所にあった黒電話をすぐ見つけた彼を、以前もここへ来たことがあるはずだと指摘しました。
さらに、自身のボディガードとして部外者の接触を一切許していなかったにも関わらず、オリヴァが彼を通って訪ねてきたことへ疑念を向けました。ヴィターレはかつて、アリシアが亡くなったときに現場へ駆け付けた警官のひとりだったとのこと。運河へ転落した彼女の亡骸を引き揚げた翌日、警察に嫌気がさして辞職したのでした。
ポアロに詰められて観念したオリヴァは、小説を書くためにネタ作りで降霊会を計画したことを白状しました。しかし、ジョイスの殺害はしていないとのこと。
そんな中、音楽室前でロウィーナの呼び声がしました。ポアロが持っている鍵で入ると、何者かに刺殺されたフェリエ医師の遺体がありました。息子レオポルドはショックを受け、一同騒然となります。
ポアロは犯人を暴きはじめました。
一連の事件の真犯人はロウィーナであることを告げました。
娘アリシアを溺愛していたロウィーナはシャクナゲの花の蜜に幻覚性の毒があることを知り、屋上の庭園で蜂と共に育てシャクナゲのはちみつを手に入れました。
婚約破棄後のアリシアに毎日少量のはちみつを摂取させ、自らの保護から離れないように幼子の状態に陥らせたのでした。しかしある日、アリシアが錯乱した際、ロウィーナに代わって看護していたオルガが多量のはちみつを飲ませてしまったのです。アリシアは睡眠中に死んでしまい、第一発見者のロウィーナが落下死を偽装。その際に、熊手でアリシアの遺体に“復讐の印”を付けたのでした。フェリエ医師は偽装に気付いていませんでしたが、あるときから毒殺を示唆する脅迫状が届いたことで、霊能者やフェリエ医師を計画的に殺害したのでした。
追い詰められて上階へ行ったロウィーナでしたが、何者かに引っ張られるようにしてバルコニーから落下し絶命しました。それはアリシアのような影でした。
長い夜が明けました。
レオポルドはオルガが引き取ることになりました。ポアロはロウィーナを脅迫していたのはレオポルドだということを見抜いていました。父のために手にしたお金も今となっては不要なので、ポアロの提案でホランド姉弟の渡米資金として提供することに。
ポアロは今回の件をきっかけに、探偵業を再開させたのでした。
以上、映画「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」のあらすじと結末でした。
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