女の紹介:1948年日本映画。主要な登場人物がわずか2人、上映時間も67分という小品だが、サスペンスに満ちた佳作。叙情的なドラマを得意とした木下恵介としては異色作で、米国で流行したフィルム・ノワールを思わせる。
監督:木下恵介 出演:水戸光子(敏子)、小沢栄太郎(町田正)、ほか
映画「女(1948年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「女(1948年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「女(1948年)」解説
この解説記事には映画「女(1948年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
女のネタバレあらすじ:起
その東京の劇場では今日も華やかなショーが行われています。その舞台裏の階段を片足を引きずった男が登ってきました。
彼の名前は町田正。ショーに出ているダンサーの1人、敏子の恋人です。ただカタギではなく、いかにもヤクザっぽい雰囲気でした。
町田は「明日の朝、箱根湯本駅まで来い」と命令するように言うと、すぐに帰っていきます。敏子は舞台があるので出かけるのが億劫でしたが、町田の言いつけには従わざるを得ません。
女のネタバレあらすじ:承
翌朝、始発には間に合わず、次の列車に敏子は乗り込みます。途中で乗り換えた小田原駅では町田の友人2人に出会いましたが、彼らは思わせぶりな笑顔で敏子を見ていました。
箱根湯本駅で降りて改札を出ると、町田はもう来ています。町田によると目的地はここではなく、さらに西の浜松でした。
敏子は明日の舞台までには帰ると言ってきたので、そんな遠くまで行くのは嫌でした。ただ「嫌だ」と返事してもいつものように町田は執拗です。仕方なく敏子は彼の後をついていきます。
女のネタバレあらすじ:転
小田原駅まで戻ってベンチで待っていると、町田はある新聞の記事を声を出して読み始めます。「覆面の三人組強盗現る 食事中の一家五人を縛りあげ」という見出しのもので、町田の声は妙にうれしそうです。
その三人組は現金5万5千円、衣類、時計や装身具を奪った後、路上で尋問してきた警察官をナイフで刺して逃亡していました。
その時に警察官が銃で相手を撃ったと知り、敏子はハッとします。よく見ると町田の脚から血が滴っていました。間違いなく、その犯人の1人は町田です。
女の結末
さすがに敏子は町田から逃げ出そうとします。しかし彼とは腐れ縁で、どれだけ自分が苦労してきたか町田が話し始めるとつい情にほだされてしまいます。真人間になるという約束を信じて熱海まで行きますが、突然旅館の一つで火事が発生。
町田がその騒ぎの隙に貴金属店から宝石を盗んだのを見て、敏子は激怒。町田からその宝石を奪って店に返そうとします。町田がナイフを見せて止めようとしますが、敏子は聞き入れません。町田は怒り狂って敏子を刺そうとしますが、火事場にいた消防団員に取り押さえられます。
その後、敏子はようやく彼と別れられました。そして町田に刺された傷を気にしながら、また舞台で踊り始めるのです。
以上、映画「女」のあらすじと結末でした。
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