アバウト・ア・ボーイの紹介:2002年アメリカ映画。ニック・ホーンビィのベストセラーを映画化したヒューマン・コメディです。主演は英国出身で人気スターのヒュー・グラントです。精神未熟な独身男が悩み多き12歳の少年との交流を通じて、人生の意味を知り成長していく感動作になっています。
監督:クリス・ワイツ、ポール・ワイツ 出演者::ヒュー・グラント(ウィル・フリーマン)、レイチェル・ワイズ(レイチェル)、ニコラス・ホルト(マーカス)、トニ・コレット(フィオナ)
映画「アバウト・ア・ボーイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アバウト・ア・ボーイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
の予告編 動画
映画「アバウト・ア・ボーイ」解説
この解説記事には映画「アバウト・ア・ボーイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アバウト・ア・ボーイのネタバレあらすじ:起
ノース・ロンドンに住む38歳のウィル・フリーマンは定職に就かず、亡き父がヒットさせたクリスマスソングの印税収入で何不自由なく暮らしていました。彼の日常は、適当に女性と遊んだり、外食や趣味のビリヤードを楽しんだり、家で音楽を聴いたり、テレビを観たりしていました。そんなウィルは周囲の人たちから、精神的に成長していないと指摘されていました。彼は何事も自分中心で考えるため、女性とデートしても関係は2ヶ月以上もったことがなく、別れ話のたびに自己中心的と罵られていました。しかしウィルは懲りずに次の相手を探していました。そんなある日、ウィルはアンジーという女性と交際するようになります。実は彼女はシングルマザーであり、子どもが苦手なウィルは子ども好きなフリをして交際をしていました。しかしやっぱりそれがネックとなり、別れを切り出そうかと迷っていると、アンジーが泣きながら別れ話を切り出してきました。彼女がウィルを素晴らしい人と賞賛し、すっかり気分がよくなったウィルは、シングルマザーとの交際に興味を持ち始めます。ウィルは罪の意識のない別れ方をしてくれる女性を求めて、シングルペアレントの会に潜り込みました。そしてネッドという名前の架空の2歳の男の子を作り上げ、シングルファーザーを装いました。ウィルはシングルペアレントの会でスージーという女性に目をつけ、デートを取り付けました。
アバウト・ア・ボーイのネタバレあらすじ:承
12歳で男子中学生のマーカスは、うつ病で自殺癖のある母親のフィオナと暮らしていました。マーカスは学校でいじめられていましたが、精神不安定な母親に心配させないように振る舞っていました。フィオナとスージーはシングルペアレントの会で知り合った友人であり、ある日スージーの元に預けられていたマーカスは、ウィルとのデートに同行することになります。ウィルはスージーたちと公園を歩きながら、自分が無職であることと父の印税で生活していることを打ち明けました。それからしばらくした後、マーカスがフィオナの作ったパンの硬さに辟易して池に放り投げると、パンがカモに命中して死なせてしまいます。マーカスが公園の管理人に咎められそうになっていたところを、ウィルが巧みな言葉使いで切り抜けます。これによりマーカスはウィルに対して好感を抱くようになります。その後3人がマーカスの家に行くと、フィオナが自殺を図って倒れていました。急いで彼女を病院へ運び、どうにか一命を取り留めます。そしてフィオナが無事に退院した頃、マーカスはフィオナの自殺を抑止する見張り役、そしてもしフィオナが死んでしまった場合の自分の世話役が必要であると考えていました。そこで思い付いたのが、無職で時間に余裕のあるウィルでした。お金を持っているウィルとフィオナが結婚すると、結果的に自分たちが救われるのではないかと考えたマーカスは、ウィルを誘って3人で食事をします。しかしウィルはマーカスの企みに気づき逃げようとします。マーカスは諦めずにウィルを尾行して自宅を突き止め、彼に子どもがいないことを知ります。そこでマーカスはスージーへの口止め料として自分の母親と付き合うように迫りますが、ウィルはきっぱりと断ります。しかしそれからマーカスは、毎日ウィルのアパートを出入りするようになります。マーカスは学校が終わるとウィルのアパートへ行き、一緒にテレビを観るのが習慣になり、2人は次第に打ち解けていきました。
アバウト・ア・ボーイのネタバレあらすじ:転
ある日、マーカスは上級生にキャンディーを投げつけられながら、ウィルのアパートへ逃げ込んできました。ウィルは個性的な身なりのマーカスに新品のスニーカーを買い与えました。マーカスは大喜びしましたが、翌日スニーカーは学校で盗まれてしまいました。マーカスは雨の中靴を履かずに帰宅し、フィオナの前で涙を流しました。フィオナがスニーカーの入手方法を問い詰めると、マーカスは渋々ウィルとの関係を告白しました。クリスティーンとレストランでディナーをしていたウィルの前に、激怒したフィオナが現れます。彼女はウィルを小児性愛者と誤解しており、ウィルは事情を説明しますが、2人は口論になります。そしてカッとなったウィルはマーカスとの関係を終わりにしようとしますが、フィオナは学校でのいじめの話が本当なら、マーカスを助けるために側にいてあげるべきだと主張しました。それからしばらくして、マーカスがウィルに教えてもらったラップ音楽を口ずさみながら校内を歩いていると、パンクガールの上級生エリーに声をかけられます。音楽という共通の話題でエリーと親しくなったマーカスは、いじめっ子からも一目置かれるようになりました。一方ウィルは、パーティーでシングルマザーのレイチェルと知り合います。ウィルは彼女に何か運命的なものを感じ、仲良くなるために自分もシングルファーザーで12歳の息子がいると嘘をついてしまいます。ウィルはマーカスに助けを求め、2人でレイチェルの家を訪問しました。レイチェルの息子はなんとマーカスをいじめている同級生で、彼は異常なほど母親を愛していました。そのため彼はマーカスにウィルを母親に近づかすなと脅迫しますが、ウィルが子どもたちを和解させました。ウィルはレイチェルとデートを重ねるうちに、自分がついている嘘に耐えられなくなり、マーカスが自分の子どもではないことを打ち明けます。それに対してレイチェルは、初めて会ったときからウィルが空っぽな人間であることを見抜いていたと語りました。初めて失恋を経験したウィルは、今までの人生がどれほど無意味なものだったのかを思い知らされます。
アバウト・ア・ボーイの結末
マーカスはうつ病で苦しむフィオナを元気づけるために、スクールロック大会の出場を決意します。一方悩み続けるウィルは、これまでの無意味な人生の中でマーカスとの出会いは唯一意味のあるものだと気づきます。そんな大切なマーカスを苦しめるフィオナの悩みを解決するために、シングルペアレントの会に参加中のフィオナを突撃します。フィオナは間もなく開催されるスクールロック大会でマーカスが自分の大好きな歌を歌ってくれるのだと話しました。その時ウィルは、このままではマーカスが社会的自殺することになると考え、彼を救うために急いで学校に向かいました。一方マーカスは本番直前で、伴奏を任せた生徒に裏切られてしまいます。仕方なくマーカスは一人で舞台に立ち、アカペラで歌を披露します。マーカスはとても音痴だったため会場ではブーイングが起こりましたが、ちょうどその時にウィルがギターで伴奏しながら登場しました。そしてマーカスと一緒に歌うと会場から拍手が巻き起こりますが、ウィルが調子に乗って歌い続けたので再びブーイングが起こり、客席から物を投げられてしまいます。しかしそれが見事にウィルの頭に命中し、その場にいた全員が笑います。それから何日か経ち、またクリスマスがやってきます。ウィルのアパートには、マーカス、フィオナ、レイチェル、エリーたちが集まっていました。ウィルは自分中心という考え方を変え、一方マーカスはエリーにさえも強気な態度に出るほど男らしくなっていました。
以上、映画「アバウト・ア・ボーイ」のあらすじと結末でした。
人とかかわると傷つくこともたくさんあるけれど、それでもかかわり続ける方が人生が豊かになると教えてくれる映画です。
イギリス映画らしく淡々と進行しますが、子役も含め、巧い俳優ばかりで飽きさせません。