アフター・アースの紹介:2013年アメリカ映画。試験に落ち念願のレンジャーになることが出来なかったキタイは父の勧めである任務へと同行する。任務地へと向かう宇宙の旅の途中、キタイ達の乗る船に小惑星の嵐がぶつかる。ワープを使い難を逃れるもボロボロになってしまた船では、これ以上の航海は無理だった。そして目の前にある一つの星へと緊急着陸することになる。それはかつて人類が住んでいた星、地球だった。ウイル・スミスが原案を作り、さらに自身の息子ジェイデン・スミスと共に共演したアメリカのSF映画です。またSF要素だけでなく、住むことができなくなった未来の地球を舞台に、様々な生物や環境、またモンスターを出現させるサスペンスにしてホラー映画でもある異色の作品です。
監督:M・ナイト・シャマラン 出演:ウィル・スミス(サイファ・レイジ)、ジェイデン・スミス(キタイ・レイジ)、ソフィー・オコネドー(ファイア・レイジ)、ゾーイ・イザベラ・クラヴィッツ(センシ・レイジ)、リンカーン・ルイス(ボー)、サッシャ・ダーワン(パイロット)、クリス・ギア(航法士)、イザベル・ファーマン(レイナ)、クリストファー・ヒヴュ(警備主任)、デヴィッド・デンマン(マッカリー兵士)、ダレル・フォスター(兵士指導官)、ほか
映画「アフター・アース」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アフター・アース」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アフター・アースの予告編 動画
映画「アフター・アース」解説
この解説記事には映画「アフター・アース」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アフターアースのネタバレあらすじ:起
人類自らが行った環境破壊によって、地球は人類を「殺す」星となってしまいました。そのため、人類は他の星に移住せざるを得なくなりました。ですが、ノヴァ・プライムという惑星に移住したたものの、そこに住む先住民によって作られた「アーサ」という黒く恐ろしいモンスターが人類を襲い、殺戮を繰り返しました。そのアーサは、見ることも臭いを嗅ぐこともできないモンスターです。しかし、人間の恐怖心を察知することで攻撃が可能だった為、人類にとってアーサを倒すことは非常に困難でした。
そこに救世主が現れます。そのアーサに恐怖心を悟られる事のない戦士、サイファ・レイジ(ウィル・スミス)です。彼はアーサを倒すレンジャー部隊の司令官であり、恐怖心を消せる能力を持つことから「ゴースト」とも呼ばれる伝説級のレンジャーでした。人望がありレンジャーとしても司令官としても優秀な彼でしたが、キタイ・レイジ(ジェイデン・スミス)に対しては、父としての役割を果たせずにいました。
サイファ本人もキタイに対して不器用な父であると自覚があったものの、その関係はギクシャクしたままで、うまくいっていませんでした。時に「司令官として」冷たくあたる事も多くありました。サイファの妻にしてキタイの母、ファイア・レイジ(ソフィー・オコネドー)はサイファに諭しました。「あの子に必要なのは、司令官ではなく父親である」と。
息子キタイは、父親への尊敬や憧れがあるものの、反抗心も強い少年でした。キタイもまたレンジャー候補生となり、成績上は優秀でした。しかしながら、精神面に未熟さがあった為に候補生止まりで、レンジャーへの試験の結果は「不適格」でした。
アフターアースのネタバレあらすじ:承
サイファは家族の為、父親としての役目を果たす為にも、最後の任務を期に引退を決断しました。そして、その最後の任務には息子キタイと共に出発し、宇宙船に乗り込みました。しかし思いがけず、宇宙船が小惑星嵐に巻き込まれてしまいます。その為、船は不時着…というよりも墜落に近い形でとある星に漂着する事になってしまいました。
そしてそのとある星というのが、人類が住めなくなった地球だったのです。現在の地球は、立入が法的に禁止されていました。それは人類にとって、最高レベルの危険地帯となっていたからです。
船は2つに割れ、別々の場所に墜落します。サイファとキタイ父子の乗る側の船は、彼ら以外の乗組員が墜落の衝撃で全員死亡。サイファも自身で歩く事が困難な程の重症を負ってしまいます。もう片方は不時着はできたものの、訓練用に船に乗せていた捕虜のアーサが、不時着時の衝撃で檻が破壊され逃亡してしまいます。その逃げたアーサにより、そちら側の乗組員は全員殺されてしまいました。
サイファとキタイは生き残る為、救難信号を送る必要がありました。しかしその通信装置が墜落の衝撃で壊れてしまっていました。その為、もう片方の墜落した船に備え付けられた通信装置を見つけ出し、それを使って救難信号を送られなくてはいけませんでした。しかし、その装置のある船に行くのはキタイ一人です。サイファは父親というよりも司令官として、キタイに命じ向かわせます。
アフターアースのネタバレあらすじ:転
二人の間では通信は可能で、サイファはキタイの動きをしっかり映像として見ることができました。また的確な命令をすることも可能でした。ところが、キタイは時に恐怖心や自らへの過信から、それらの命令に背きます。例えば獰猛な野獣が現れた時、サイファは「攻撃するな」と言いました。しかし、キタイは追い払おうと攻撃してしまいます。そうしてしまった為に集団で彼らに追いかけられる事もありました。そういった危機が訪れる度にキタイは父の命令に背き、苦労します。ただ、父の言っている事の正しさも理解してはいるのです。
他にも人類が住めなくなった地球は、短時間で環境が変化しました。数時間のうちにまるで氷河期のごとく気温が低下してしまいます。その為、その気温低下を避ける為にホットスポットという場所に時間内に行く必要がありました。そういった様々な過酷な条件の中、やっとキタイは船にたどり着きます。
ですが、そこで見つけた通信装置はなぜか救難信号を送れませんでした。そのためキタイは絶望します。ここに来るまでの過程でサイファとの通信もできなくなっていました。つまりキタイは、1人で全てを考え実行し問題を解決しなくてはいけませんでした。勿論、孤独と恐怖に耐えなくてはなりませんでした。
通信ができないものの、サイファの方では彼の行動を見ることはできました。ただ何も助言できません。サイファはそのもどかしさと、自身の墜落時の怪我の重症化が進んでいき弱っていきます。ですが、父の思いが通じたのかキタイは一歩ずつ問題を解決し、救難信号を送れる場所を探しに行きます。
アフターアースの結末
その場所とは火山活動をしている山の中腹でした。しかしそう簡単には行きません。なんと逃亡したアーサがキタイの恐怖を察知して追いかけてきました。キタイは必死で逃げます。ですがアーサは猛スピードでキタイに近づいてきます。山の狭い洞穴の中にもアーサは追いかけてきました。洞穴の先は山の中腹です。何とか振り切ったと思ったキタイですが、アーサが狭い洞穴を破壊しながら追いかけてきました。
そしてついにアーサが追いつきました。キタイは死を悟ります。ですが、小さい頃アーサに襲われた記憶を思い出します。そしてその時アーサから救ってくれたのは、姉センシ・レイジ(ゾーイ・イザベラ・クラヴィッツ)でした。センシは身を挺してキタイを守った為、アーサに殺されてしまったのです。幼少のキタイは為す術もなく、その光景を見ることしかできませんでした。その姉の記憶を思い出すと、キタイはついに恐怖を捨て去ることができる「ゴースト」になりました。
アーサは死を悟った仰向けの彼の上を通り過ぎます。彼の恐怖を察知することができなかったのです。キタイは反撃し、唯一の武器でもある刀剣でアーサに切りかかり、ついに倒すことに成功したのです。
そして通信装置で救難信号を送り、その電波は遠い宇宙に広がって、念願の救助が来ることとなりました。サイファの怪我は重症ではありましたが、一命をとりとめました。治療の最中ではあるものの、キタイの無事を確認したサイファはベッドから起き上がって敬礼し、キタイを抱きしめました。そしてサイファは、これからは家族一緒である事を告げ、キタイと涙するのでした。
以上、映画「アフター・アース」のあらすじと結末でした。
ウィル・スミス親子×M・ナイト・シャマランという組み合わせから、得体の知れない作品に仕上がっていて面白いと思います。ウィル・スミス演じるサイファが息子であるキタイに結構厳しいので、観ていてキタイが可愛そうになってきました。またかつて人類が住んでいたという設定の地球の描写が、思いの外美しくここになぜ住めないのか?という疑問が湧いてきました。ジェイデン・スミスの演技が、思いの他良かったです。