残像の紹介:2016年ポーランド映画。第二次世界大戦後、ポーランド史に残る画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの体制に抗い闘い続けた生涯を描いています。ストゥシェミンスキが亡くなるまでの数年間に焦点を当てています。一方、芸術に全てを捧げるストゥシェミンスキの人間としての弱さも描いています。本作は「地下水道」「灰とダイヤモンド」など、数々の名作で知られる巨匠ワイダ監督の遺作となります。
監督:アンジェイ・ワイダ 出演者:ボグスワフ・リンダ(ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ)、ゾフィア・ヴィクラシュ(ハンナ)、クシシュトフ・ピチェンスキ(ユリアン・プシボシ)、ブロニスワバ・ザマホフスカ(ニカ・ストゥシェミンスカ)、シモン・ボブロフスキ(ヴウォジミェシュ・ソコルスキ)ほか
映画「残像」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「残像」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
残像の予告編 動画
映画「残像」解説
この解説記事には映画「残像」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
残像のネタバレあらすじ:起・闘う芸術家
第二次大戦後、ソヴィエト連邦の影響下にあるポーランド。有名なポーランド人画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキは、第一次世界大戦で左手と右足を失いながらもウッチ造形大学で教鞭をとっています。
アヴァンギャルドなストゥシェミンスキのスタイルは、芸術を志す学生たちの支持を集めます。
一方、些細な事で党と小競り合い起すストゥシェミンスキに大学は手を焼いています。
残像のネタバレあらすじ:承・不屈の闘志
大学を訪れた文化大臣は、社会主義的価値観を芸術の上に置くことについて熱弁します。ひとり立ち上がったストゥシェミンスキは、表現の自由を主張し社会主義リアリズムを推し進める党に断固抗議します。
そんなストゥシェミンスキの行為は、学生たちの指示を集めていきます。
しかし、業を煮やした大学側は彼を糾弾します。
残像のネタバレあらすじ:転・儚い現実
ストゥシェミンスキには、別れた妻の間に儲けたニカという10代の娘がいます。寮生活をしているニカは、病に伏せっている母と独り暮らしの父を気遣うしっかり者です。
いつものように大学に出勤したストゥシェミンスキは、大学側の糾弾により解雇を言い渡されます。ストゥシェミンスキを支持する学生たちは、密かに彼を支援する行動を始めます。
そんな中、ニカの入院中の母が亡くなります。
残像の結末:彼の残像
党は、体制への協力を拒んだストゥシェミンスキと彼を支持する学生たち追い込んできます。しかし、ストゥシェミンスキに心酔する学生ハンナは、党の弾圧に屈することなく彼の「視覚理論」の執筆を手伝うことになります。
母を失い気持ちが不安定なニカは、必要以上に父に接するハンナを嫌悪します。
生きていくためストゥシェミンスキは意に添わぬ芸術関連の仕事をしますが、自身の経歴がバレてしまい仕事を失います。ストゥシェミンスキは、画材も購入することができなくなった上、食糧配給も受けられなくなります。
1952年12月26日。病院に駆け付けたニカは、抵抗の末に不遇な死を迎えた父と対面します。
以上、映画「残像」のあらすじと結末でした。
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