シェイクスピアの庭の紹介:2018年イギリス映画。16−17世紀に多くの悲劇、喜劇、ソネット(14行の詩)を書いたウィリアム・シェイクスピア。その劇は英語圏だけでなく世界中の多くの言語に翻訳され、上演されています。またその作品は『ウエストサイド物語』や黒澤明監督の『乱』『蜘蛛巣城』の原案になっています。そんなシェイクスピアは1616年に死去するまでの数年を故郷のストラトフォード=アポン=エイヴォン(ロンドンから約150キロ北)で過ごしています。『シェイクスピアの庭』は、シェイクスピアの晩年を故郷での亡き息子を弔う庭造りに捧げ、息子への愛情の強さゆえ姉妹の嫉妬をうけ、それを乗り越える日々を描いています。アメリカ映画批評サイト”Rotten Tomatoes” でも好意的に評価されています。
監督:ケネス・ブラナー 出演:ケネス・ブラナー(ウィリアム・シェイクスピア)、ジュディ・デンチ(アン・シェイクスピア)、イアン・マッケラン(サウサンプトン伯)、キャスリン・ワイルダー(ジュディス・シェイクスピア)、リディア・ウィルソン(スザンナ・ホール)、ハドリー・フレイザー(ジョン・ホール)、ジャック・コルグレイヴ・ハースト(トム・クワイニー)、ほか
映画「シェイクスピアの庭」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シェイクスピアの庭」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シェイクスピアの庭の予告編 動画
映画「シェイクスピアの庭」解説
この解説記事には映画「シェイクスピアの庭」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シェイクスピアの庭のネタバレあらすじ:起・故郷へ帰るシェイクスピア
シェイクスピア(ケネス・ブラナー)が、ロンドンの火災を遠くから見ています。彼は馬に乗りロンドンを去り、故郷ストラトフォード=アポン=エイヴォンで暮らすことを決意します。
自宅に着いた彼は8歳年上の妻アン(ジュディ・デンチ)に会いますが、しばらく会っていない妻から「この家のお客さんみたいだ」と言われます。シェイクスピアは1596年に11歳で死んだ息子ハムネットの墓に行きます。シェイクスピアは家族との夕食でハムネットのための庭を作りたいと言います。
シェイクスピアは野山をさまよい、庭のアイディアを考えます。ところが、彼の妻は「あんた息子のこと、よく知らないでしょ?」と言います。シェイクスピアは庭園作りを進めますが、犬以外に誰も興味を持たないと話します。
シェイクスピアは長女スザンナ(リディア・ウィルソン)の夫ジョン(ハドリー・フレイザー)と会話をしますが、スザンナはスミスという男と交際を始めます。
トム(ジョン・コルグレイブ・ハースト)は市場でワインを売るワイン商で、シェイクスピアの次女ジュディス(キャスリン・ワイルダー)に好意をよせます。ジュディスはシェイクスピアのハムネットへの強い愛情を見て「息子ばかりに強い愛情を見せる」と怒ります。
シェイクスピアの庭のネタバレあらすじ:承・庭作りを進めるシェイクスピアと娘のトラブル
スザンナはスミスと不貞行為をしていたとし、教会から追放処分されます。シェイクスピアとアンは、スザンナの事を話しますが、アンはスザンナは夫に忠実なはずと考えます。
シェイクスピアは、彼に憧れる劇作家志望の男の訪問を受けます。男は「学校を14歳で中退しているのに、なぜ素晴らしいストーリーを書けたのか?」と聞きます。シェイクスピアは「他人と話せ、自分と話せ、そして想像しろ」と話します。「なぜ、書くのをやめた?」の問いには答えずに、男に去ってくれと求めます。
父との仲がうまくいかないジュディスですが、トムからプロポーズされます。シェイクスピアはロンドンでの彼の支援者サウサンプトン伯が訪れる知らせを聞き、興奮します。しかし、アンは関心を見せません。
シェイクスピアはサウサンプトン伯から「もう一度作品を書け」と勧められますが、シェイクスピアは乗り気でありません。シェイクスピアは自分の書いたソネット29を読みます。サウサンプトン伯もそのソネットを復唱し、二人は別れます。
シェイクスピアの庭のネタバレあらすじ:転・シェイクスピアとジュディスの対立と結婚
サウサンプトン伯が帰った後、シェイクスピア、アン、ジュディスは雑談を始めます。シェイクスピアは異性に愛を感じないと言うジュディスに「お前は独身、なぜ結婚しない?」と言います。
ジュディスは再び「ハムネットが死に自分が生き残ったのは残念なことね」と言い始めます。シェイクスピアは感情的になります。ハムネットは素晴らしかったと言うシェイクスピアに、ジュディスは反発します。アンはシェイクスピアにジュディスは詩の勉強をしたと言いますが、長続きしなかったと言います。シェイクスピアはジュディスに言いすぎたことを謝罪し、詩を教えてやると言います。
シェイクスピアは庭作りを再開し、子供や犬と遊びます。ジュディスはトムとの関係を深め、結婚することにします。シェイクスピアは喜びます。結婚式でシェイクスピアは「息子は死んだが、二人の美しい娘がいる。孫も生まれる。」とスピーチして喜びを見せます。しかし、その夜、ジュディスはトムに「あなたが交際していた女性を見た」と言います。
シェイクスピアが庭作りをしていると、ジュディスとトムが現れ、妊娠したことを報告します。シェイクスピアは大喜びです。しかし、トムが昔交際していた女性が死んだことが告げられると、沈黙がながれます。
シェイクスピアの庭の結末:家族の幸せと死
シェイクスピアは、ハムネットの死亡の理由を不審に思い、記録を調べますが死因は不明です。アンはハムネットは伝染病で亡くなったと言います。しかし、ジュディスは泣き出し、ハムネットが死んだ日に彼が詩を書いた紙を近くの池で見たと言います。
ジュディスはどのようにハムネットが死んだのかはわからないと言います。ジュディスは、ハムネットは学校へ行き、自分は女性のため台所で働かされた、父の愛が欲しかったと泣きます。アンは、ハムネットは伝染病で死に、天国にいると言います。シェイクスピアは池に行き、息子の亡霊に対面します。
数日後、シェイクスピアとアン、スザンヌ、ジュディスは昔の結婚証明書を持ってきます。字の書けないアンはなんとか署名をし、シェイクスピアからうまい字だと褒められます。シェイクスピアは友人との食事で楽しく語りますが、咳をし、健康が悪化します。
シェイクスピアは1616年8月23日に亡くなりました。シェイクスピアの葬式。アン、スザンヌ、ジュディスはシェイクスピアの作品『シンベリン』の第4幕第2場の葬送歌を読み上げます。
映画の字幕で、アンが9年後に死んだこと、ジュディスは3人子供を生んだが3人とも早死にしたこと、スザンヌは子供エリザベスを生んだが、エリザベスに子供がいなかったためシェイクスピアの血統は絶えたこと、が流れます。
以上、映画「シェイクスピアの庭」のあらすじと結末でした。
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