アメリカン・バーニングの紹介:2016年アメリカ映画。「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」のオビ=ワン・ケノービ役でお馴染みのユアン・マクレガーによる長編監督デビュー作。マクレガーは主演も兼ね、複雑な人生に翻弄される主人公を熱演している。アメフトの花形選手でカリスマ的人気を誇っていた青年が、ミス・コンテストの女王と結婚。美しい娘も授かり、誰もがうらやむ完璧な人生を歩んでいた。しかし60年代の激動の波にのまれ、一家は想像もつかない悲劇に見舞われる。原作は、現代アメリカ文学を代表する作家の1人、フィリップ・ロスの「American Pastoral」(1997)。共演はジェニファー・コネリー、ダコタ・ファニングほか。
監督:ユアン・マクレガー 出演者:ユアン・マクレガー(スウィード)、ジェニファー・コネリー(ドーン)、ダコタ・ファニング(メリー)、デヴィッド・ストラザーン(ネイサン)、ルパート・エヴァンス(ジェリー)、ピーター・レガード(ルー)、ウゾ・アブダ(ヴィッキー)、ヴァロリー・カリー(リタ)、モリー・パーカー(シーラ)ほか
映画「アメリカン・バーニング」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アメリカン・バーニング」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アメリカン・バーニングの予告編 動画
映画「アメリカン・バーニング」解説
この解説記事には映画「アメリカン・バーニング」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アメリカン・バーニングのネタバレあらすじ:起
人気作家のネイサン・ザッカ―マン。62才になって初めて、高校の同窓会に出席するため故郷へ戻って来ました。1951年卒の旧友たちの中に、懐かしい親友ジェリーの顔を見つけて話しかけるネイサン。ジェリーの兄シーモアはアメフトの花形選手で、ネイサンにとって憧れの存在でした。スウェーデン人と間違われるほど色白で青い目だったことから、シーモアのあだ名は “スウィ―ド”。恋人はミス・ニュージャージーに選ばれた美女のドーンで、のちに2人は結婚。スウィ―ドは父親の経営する婦人用手袋会社を継ぎ、メリーという娘も誕生。高級住宅街に住み、絵に描いたような人生を今も送っているはずです。ところが、スウィ―ドを懐かしがるネイサンにジェリーは言います。「兄は死んだ。葬儀は明日だ」。信じられないと驚くネイサン。ジェリーは、スウィードの身に何が起こったのかを語り始めます。
アメリカン・バーニングのネタバレあらすじ:承
メリーが誕生して数年後、都会を離れて田舎に越したスウィード一家。メリーは吃音症で言葉がうまく出てこず、それを心配したスウィードとドーンは精神科医のシーラに相談します。シーラは、メリーの吃音症は一種の戦略で、美しい母親を持つプレッシャーが原因だと指摘。ドーンはそんなはずはないと憤慨しますが、事実、メリーはつねに母親と自分を比較しがちで、また感受性も強く情緒不安定でした。16才になったメリーは、反戦運動や黒人差別問題に興味を持ち始めます。そして世の中の出来事に無関心なドーンに対し、反抗的な態度を取るようになります。革命を起こすため、ニューヨークの全寮制学校に入りたいと言うメリーに、スウィードは猛反対します。ある日、家族ぐるみで仲良くしていたハムリン夫妻の経営する郵便局が、何者かに爆破されるという事件が起きます。警察が容疑者として挙げたのはメリー。そしてメリーは、事件直後から行方不明になっていました。スウィードとドーンは必死で娘の行方を捜しますが、何の手がかりもないまま1年が過ぎます。
アメリカン・バーニングのネタバレあらすじ:転
ある時、スウィードの会社にリタという若い女性が訪れ、スウィードを夜の駐車場へ呼び出します。リタはメリーの仲間でした。メリーの居場所に関して口を閉ざすリタに従うしかないスウィードは、次にホテルの一室に呼び出されます。リタはスウィードを誘惑し、スウィードが用意した1万ドルを手に逃走します。一方、娘の身を案じるドーンは、ついに精神に異常をきたして入院。新しい人生を始めるため、スイスで整形手術を受けたいと言います。スウィードはドーンの願いを聞き入れ、再び美しさを手に入れたドーンは元気を取り戻し、夫婦の日常に平和が戻ったかのように見えました。ところがある晩、スウィードは偶然にリタと遭遇。リタはしぶしぶメリーが勤めている動物病院へスウィードを連れて行きます。再会したメリーは布で口を覆い、異様な形相です。メリーはインドのジャイナ教徒になったと話し、服装もボロボロで、水を守るために体を洗わないと言うのです。
アメリカン・バーニングの結末
スウィードは、朽ちた建物にあるメリーの住処に言葉を失います。驚いたことにメリーは、郵便局爆破事件の直後、精神科医シーラの紹介で地下組織の人間と繋がり、監禁されレイプを受けたと言うのです。スウィードは家に帰ろうと説得しますが、メリーは首を横に振るばかり。スウィードは、メリーを見つけたことをドーンに話せません。ドーンは娘のことをすでに諦めていました。さらにドーンは、知り合いの画家と浮気までしていたのです。その事実を知って怒りに駆られたスウィードはメリーの住処へ向かい、「二度と離れたくない。家に帰ろう」と訴えます。しかしメリーは、私を愛しているならこのままでと告げ扉を閉めてしまいます。それが娘を見た最後となりました。メリーは姿を消したのです。以来、スウィードはメリーが住んでいた建物の前に佇み、年月だけが過ぎ去ります。ジェリーの話はそこで終わりました。ネイサンはスウィードの葬儀に自分も参列していいかと尋ね、ジェリーはもちろんと答えます。翌日の墓地では、大勢の人間がスウィードの柩を囲んでいました。ネイサンは、柩に近づく1人の女性の後ろ姿に気づきます。それはメリーでした。ドーンも驚きメリーを凝視しますが、メリーは完全に母親を無視し、まっすぐ父親の柩に向かうのでした。
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