大阪の宿の紹介:1954年日本映画。水上滝太郎の代表作を五所平之助が映画化。旅館を舞台とした様々な人間模様が巧みに描かれる。脚色に当たったのは五所自身と八住利雄。監修として水上の親友だった久保田万太郎がクレジットされている。
監督:五所平之助 出演:佐野周二(三田)、乙羽信子(うわばみ)、水戸光子(おりか)、川崎弘子(おつぎ)、三好栄子(おかみさん)、藤原釜足(おっさん)、左幸子(お米)、多々良純(野呂)、安西郷子(おみつ)、細川俊夫(田原)、恵ミチ子(井元貴美子)、ほか
映画「大阪の宿」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「大阪の宿」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
大阪の宿の予告編 動画
映画「大阪の宿」解説
この解説記事には映画「大阪の宿」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
大阪の宿のネタバレあらすじ:起
戦後間もない大阪。大手生命保険会社に勤めるサラリーマンの三田は、それまでいた下宿がイヤで飛び出してしまい、新しい落ち着き先を探していました。
そんな時、飲み屋で会った貧相な爺さんから、醉月荘という宿屋兼下宿を紹介され、そこに引っ越すことにします。
彼は坊ちゃん育ちで生真面目すぎるところのある青年で、大阪へも東京本社で上司を殴るという不始末を仕出かしたために左遷されてきたのです。学生時代からの親友・田原と交流する以外は楽しいことも少なく、鬱屈した毎日でした。
大阪の宿のネタバレあらすじ:承
醉月荘で女中を勤める女性たちは皆不幸な者ばかり。おりかにはコックをしている男がいますが、彼は勤め先を変えてばかりでいつも彼女にカネをねだっています。おつぎは田舎に中学生になった子供を残していて、何年もその顔を見ていません。
そしてお米という1番若い女中は、三田と同じようにここを下宿として使っている野呂という男の情婦になっていました。おかみさんはかなりの強欲者ですが、やはり夫を早くに亡くした苦労人です。
大阪の宿のネタバレあらすじ:転
三田は飲み屋で会った貧相な爺さんが実は醉月荘の下働きだということを知ります。女中たちから”おっさん”と呼ばれるこの爺さんはおかみさんの兄でした。
彼から買った洋服の布地が偽物だということが分かり、三田は売り主の少女おみつに会いに行くのですが、彼女は病気の父親を抱えて大変な生活を送っていました。
やがておみつはカネのために野呂と一夜をともにし、三田を複雑な気持ちにさせます。
大阪の宿の結末
三田は田原を通してうわばみという芸者とも仲良くなり、彼女は三田に惚れてしまいます。しかし三田は通勤途中にすれ違う女性に心を惹かれていました。偶然彼女は大学の大先輩・井元の娘貴美子だということを知りますが、支店長の冷酷な取り立てのせいでその大先輩が自殺し、娘と結ばれる夢は壊れます。
その事を知ったうわばみが支店長の頭に酒を浴びせかけ、彼は激怒。それがキッカケで三田は再び東京へ転勤することになります。
田原、親しくなった女中、おっさん、そしてうわばみが顔を揃えた送別会の後、三田は列車で東京へ去っていきます。
以上、映画「大阪の宿」のあらすじと結末でした。
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