立ち去った女の紹介:2016年フィリピン映画。フィリピン映画界で怪物的映画作家と呼ばれるラヴ・ディアス監督、7時間や8時間の作品をたくさん作る彼にとっては短いと言える3時間48分の重厚な作品です。無実の罪で30年間も服役させられた女の、自分を陥れた元恋人への復讐劇が描かれています。第73回ベネチア国際映画祭では金獅子賞を受賞。
監督:ラヴ・ディアス 出演:チャロ・サントス(ホラシア/レナータ/レティシア)、ジョン・ロイド・クルーズ(ホランダ)、マイケル・デ・メッサ(ロドリゴ)、シャマイン・センテネラ=ブエンカミーノ(ペトラ)、ノニー・ブエンカミーノ(バロット売り)、ほか
映画「立ち去った女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「立ち去った女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
立ち去った女の予告編 動画
映画「立ち去った女」解説
この解説記事には映画「立ち去った女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
立ち去った女のネタバレあらすじ:起
30年もの間、無実の罪で服役していた元小学校教師ホラシア(チャロ・サントス)に告げられたのは、彼女の罪は冤罪であり釈放になるという事でした。これは同じ監獄で親友のように過ごしてきたペトラが、犯行はホラシアではなく自分がやったのだと自供したためでした。
別れ話を恨み、ホラシアを陥れたというペトラは罪を告白後、刑務所内で自殺してしまいます。
さらにペトラの告白によって、ペトラにホラシアを陥れるよう指示していた男が判明します。それはホラシアの元恋人で今は富豪になっているロドリゴ(マイケル・デ・メッセ)だったのです。
立ち去った女のネタバレあらすじ:承
出所になったホラシアは、当時まだ幼かった娘のもとを訪れ、夫が亡くなった事、息子が行方不明だという事を知ります。ホラシアは怒りと悲しみを胸に家を引き払い、ロドリゴに復讐するべく旅に出るのでした。
ロドリゴを探す旅に出たホラシアは、ロドリゴの住所を調べ動向を探ります。そこで得た情報を頼りに、場所を変え、身なりを変え、時には暴力も辞さない方法で情報を得て、ついには武器を手に入れました。
立ち去った女のネタバレあらすじ:転
ホラシアの復讐への準備は着々と進んでいくのです。その道中でホラシアは様々な人達と出会います。生まれつきの病のため周りに疎まれながらも教会に通い続ける女性、裏通りでアヒルの卵を売り、少ない稼ぎで大家族を養っている初老の男性、そして心に傷を負った性同一性障害の踊り子ホランダ(ジョン・ロイド・クルーズ)。
復讐という言葉と対極するように、彼らに救いを与える事が彼女の復讐劇の方向を変えていくのでした。
立ち去った女の結末
中でもホランダはホラシアに救われた人の一人。ホラシアと酒を酌み交わして、つい、気を許してしまったホラシアが自らの正体、30年もの間投獄されていた事、それが嵌められた上での冤罪だった事をホランダに話してしまいます。そしてそのせいで家族を失った彼女が冤罪事件の犯人を手引きした黒幕ロドリゴという男に復讐を果たしたいという事を知ってしまうのです。すっかり酔いつぶれたホラシア。
そして翌朝、ホランダがロドリゴを殺したという事が明らかになります。ホランダにはホラシアから受けた恩を返す方法が、これしか思い浮かばなかったのです。ホランダはロドリゴを殺害した罪で逮捕されてしまいます。複雑な気持ちの中、意外な形で復讐を果たす事ができたホラシア。
とある噂で、行方不明の息子がいると言われるマニラに向かうことになったホラシア。「さよなら、もう会わない」と馴染みの顔にも別れを告げ街を立ち去って行くのでした。
以上、映画「立ち去った女」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する