アナイアレイション -全滅領域-の紹介:2018年アメリカ映画。灯台に隕石のようなものが落ちたこときっかけに、シマーという謎の空間が生まれました。そこに多くの人間が調査へと入ったが、戻ってきたのはレナの夫ケインだけでした。夫に何があったのか真相を解明するために調査隊に志願をし、レナはシマーに入ります。そこで待ち受けていたのは・・・。
監督:アレックス・ガーランド 出演:ナタリー・ポートマン(レナ)、ジェニファー・ジェイソン・リー(ヴェントレス)、ジーナ・ロドリゲス(アニャ)、テッサ・トンプソン(ラデック)、ツバ・ノボトニー(シェパード)、オスカー・アイザック(ケイン)ほか
映画「アナイアレイション 全滅領域」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アナイアレイション 全滅領域」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アナイアレイション 全滅領域の予告編 動画
映画「アナイアレイション 全滅領域」解説
この解説記事には映画「アナイアレイション 全滅領域」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アナイアレイション 全滅領域のネタバレあらすじ:起
レナは生物学者の教授として働いています。かつては陸軍に所属しており、そこで現在の夫ケインと出会いました。ケインは機密調査に派遣されたっきり1年帰ってきません。
ある日、ケインが突然家に帰ってきました。泣いて喜ぶレナでしたが、ケインの様子がおかしかったのはすぐに分かりました。話を聞いてみると、どうしてここにいるのか記憶がなく、気付いたらレナが目の前にいたと言います。ケインが水を飲むと吐血をし、救急車に運ばれます。その途中、ケインとレナが乗っている救急車が警察に囲まれて、レナは鎮静剤を打たれて意識を失います。
目が覚めると、独房のような薄暗い空間にレナは隔離されていました。そこには心理学者のドクター・ヴェントレスという女性がいました。その人について外に行ってみると、よくわからない物体が一面を包み込んでいました。
この現象は3年前に港の灯台に隕石が落ちたことが原因で現れ、機密調査を行っているそう。この物体はどんどん広がっており、いつかは都市を飲み込むと考えられています。その物体が包み込まれている空間、通称シマーに入って戻ってきたのはケインのみでした。しかし、現在はこの施設におり危篤状態です。数日後、ヴェントレスを含めたアニャ、シェパード、ラデック4人の女性調査隊が、シマーに行くことが予定されています。そこにレナも加わります。
アナイアレイション 全滅領域のネタバレあらすじ:承
シマーの中は、記憶が朝にリセットされてしまい、前日の記憶が無く、通信もできなく、コンパスも使えない状況でした。植物や動物も今まで見たこと無いものばかりでした。一つの球根から様々な種類の花が咲いていたり、白い獰猛なワニがいたりしました。川を船で渡るとき、レナはシェパードから、シマーに入ったものはみんな訳有りだと聞かされます。日常生活がうまくいっている人がこのシマーに入るわけがない、と。それではなぜケインがこの調査に参加したのか。それはレナが不倫をしていたからでした。その罪を償うために、レナはこの調査隊に志願しました。
しかし、ケインが夫であることを知っているのは、この調査隊の中でヴェントレスだけでした。そして、アマヤ要塞を見つけます。そこは前の調査隊が使用していた形跡がありました。彼らが残したであろうメモリカードが置いてあります。それを再生してみると、ケインが仲間のお腹をナイフで切り、その仲間のお腹の中にヘビのような物体が動いていました。これを見て全員が動揺します。その施設の中のプールに行ってみると謎の物体がありました。その物体の近くに、お腹を切ったと思われるナイフが落ちていました。
アナイアレイション 全滅領域のネタバレあらすじ:転
その夜、謎の生物がシェパードを連れて行ってしまいます。これにより引き返したいと提案するアニャでしたが、ヴェントレスは一人でも進むことを選びます。レナは戻りたいと言いましたが、戻るまで6日間、灯台まで2日間かかるなら灯台を目指すほうが安全だと提案します。それに仕方なくアニャは同意します。その途中、レナはシェパードを見つけて死んだことを確認しました。ラデックは「シマーは全てを反射させるプリズム。光や通信の反射だけでなく、動物や植物、全てのDNAを反射する」と導きだしました。
アニャはこの数日間のストレスと、この環境のせいで疑心暗鬼になっていました。そんな時、レナの旦那がケインであると突き止めます。それをきっかけにアニャは3人を縛り付けて殺そうとします。すると、「助けて!」とシェパードの声が聞こえてきます。急いでアニャが助けに行くと、その正体はシェパードではなく謎の生物でした。その生物にアニャは殺されてしまいます。残りの3人は何とか無事でした。それをきっかけにヴェントレスは、自分の頭がおかしくなる前に灯台に着きたいと言い、夜なのに一人で行ってしまいました。翌朝、「殺されたときにシェパードの心の一部がその生物に吸収された。」とラデックは推測しました。私はそうなりたくないと言い、ラデックはレナを置いてその場を後にします。それを追うレナ。そこにはラデックの姿はなく、人間の形をした植物しかありませんでした。
アナイアレイション 全滅領域の結末
レナは一人で灯台に到着すると、その中にはビデオカメラが置いてありました。そこの映像にはケインが爆弾で自殺するところが映っていました。それを撮影していたのは、別のケインでした。レナは灯台に開いていた怪しい穴に入ると、そこにはヴェントレスがいました。ヴェントレスの口から強烈な光が出てきて、その光がやがて謎の物体となります。その物体にレナの血液が入り細胞分裂を始めます。やがて人間らしい形の何かが生まれました。その物体はレナの動きを模倣します。レナはその物体に爆弾を持たせると走って逃げます。
その物体をきっかけに灯台に燃え広がっていきました。レナはこの現象の正体はエイリアンだったと推測します。シマーが消えると、ケインの意識は正常になりました。しかし、そのケインは本当のケインではありません。クローンのケインに「君はレナ?」と聞かれると、レナはそれに応えませんでした。その二人はハグをしてこの映画の幕は閉じます。
以上、映画「アナイアレイション 全滅領域」のあらすじと結末でした。
ストーリーが進むにつれ恐さの種類が変化する映画でした。シマーに潜入してから、未知の生物に襲われる恐怖、自らが得体の知れない何かに変わる恐怖、何かに存在を乗っ取られ成り代わられる恐怖…
シマー自体はおそらく善も悪もない存在なのでしょうが、心や感情さえも反射/反映する世界は、他者と自己はまったく違うと認識する人間にとっては恐ろしい世界だと思います。
作中のラデックのように自身への他者からの反射を受け入れ、心穏やかに変容するなんてことは、例え自身がそう望んだにせよなかなかその境地には達することができないと感じました。
映像のみならず音楽もインパクトあり、とても面白い映画でした。