ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦の紹介:2016年チェコ,イギリス,フランス映画。古くはフリッツ・ラング監督の『死刑執行人もまた死す』(1943年)によってあつかわれた1942年のハイドリヒ暗殺事件。冷酷さから「金髪の野獣」とあだ名されたナチスNo.3の男の暗殺の顛末をレジスタンスの悲劇的最期に至るまで描いた実録サスペンス映画。
監督:ショーン・エリス 出演者:キリアン・マーフィ(ヨゼフ・ガブチーク)、ジェイミー・ドーナン(ヤン・クビシュ)、シャルロット・ル・ボン(マリー・コヴァルニコヴァー)、アンナ・ガイスレロヴァー(レンカ・ファフコヴァー)、ハリー・ロイド(アドルフ・オパルカ)、トビー・ジョーンズ(ヤン・ゼレンカ=ハイスキー)、ほか
映画「ハイドリヒを撃て!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハイドリヒを撃て!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハイドリヒを撃て!の予告編 動画
映画「ハイドリヒを撃て!」解説
この解説記事には映画「ハイドリヒを撃て!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のネタバレあらすじ:起・パラシュートでチェコに
1941年冬、雪積るチェコの森に二人の男、ヨゼフ・ガブチークとヤン・クビシュがパラシュートで降り立つ。ヨゼフは足にけがをしている。一晩野宿をした後、男に起こされ、男の家に導かれる。男はレジスタンスの仲間かと思われたが、ヨゼフは彼がヨゼフたちをナチスに売ろうとしていることに気づき、男を殺す。もう一人家にいた男をヤンが追うが彼は撃ち殺すことができなかった。二人は家にあった自動車でプラハへ行く。連絡係の人物は逮捕されていたが、レジスタンスに通じている獣医がヨゼフの足を治療し、レジスタンス組織に橋渡しをする。ナチス親衛隊大将ハイドリヒによって統治されるチェコでレジスタンスはほとんど根絶やしにされ、レジスタンス組織の人々も亡命政府との連絡が絶えていたため、二人がナチスのスパイではないかと警戒する。警戒が解けたとき、二人は亡命政府から託されたエンスラポイド(類人猿)作戦――ハイドリヒ暗殺作戦――の話を切り出す。それはレジスタンスのリーダーであるハイスキーやヴァネックを驚愕させる。
ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のネタバレあらすじ:承・暗殺準備
ヨゼフとヤンは求職中であるということにして、レジスタンスに協力する家庭に下宿して、ハイドリヒの行動を研究し厳重な警護の弱点を探る。彼らと同様にロンドンの亡命政府から派遣されたパラシュート隊員もレジスタンスに合流し、亡命政府との連絡は回復したが、レジスタンス捜索を警戒し集会場所でも息をひそめなければならない。そしてゲシュタポの拷問から組織を守るために各自に青酸カリのカプセルが渡された。怪しまれないために、ヤンは下宿に手伝いに来るマリーと、ヨゼフはマリーに紹介されたレジスタンスの一員であるレンカといっしょに外を歩くことにする。やがて、ヤンとマリー、ヨゼフとレンカの間に恋が芽生える。とうとう、下宿家庭の息子、アタの誕生日祝いの席上でヤンはマリーとの婚約を発表する。ヨゼフは任務に疑問をもち始めたヤンを叱咤しなければならなかった。
ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のネタバレあらすじ:転・暗殺決行
ハイドリヒが間もなく転勤してチェコを去ることがわかる。もし暗殺に成功しても、ナチスの報復によりチェコという国そのものが地図から消えてしまうのではないかと恐れるヴァネックは土壇場まで反対したが、暗殺計画の実行が決まる。 1942年5月27日。ハイドリヒの乗る自動車が徐行する時を狙ってヨゼフが自動車の前に出るが、隠し持った機関銃から弾が出ない。ピストルで撃ったがその場でハイドリヒをしとめることはできなかった。市民も銃撃戦の巻き添えになる。計画は失敗したかに見えた。ヨゼフとヤンは下宿に帰る。ラジオはハイドリヒの入院を報じる。外出禁止が始まり、市民が人質に取られる。マリーが興奮し泣きながら下宿に来る。レンカが人質にされるのを拒んで逃げて射殺されたのだ。うろたえるヨゼフを今度はヤンがなだめなければならなかった。ハイスキーの手引きでヨゼフ、ヤンたち七人のパラシュート隊員はカトリック教会の地下の納骨堂にかくまわれる。やがて彼らは神父からハイドリヒの死を知らされる。それはチェコ市民へのナチスの報復を引き起こした。
ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦の結末:暗殺後
ハイドリヒ暗殺犯の情報提供者は提供者自身の罪を問われないということばに誘われ、レジスタンスの一員だったチュルダが裏切る。ヨゼフとヤンの下宿が捜索され、アタの母親は、息子は無関係だと言ってから青酸カリで自殺する。アタも拷問に耐えかねて教会に七人がかくまわれていることを言ってしまう。霊柩車を使ってヨゼフたちを教会から移送する計画が立てられていたが、教会への道は既に通行止めになり、霊柩車は教会につけなかった。ヤンたち三人の見張りが敵に応戦する間、地下のヨゼフたち四人は息をひそめて待つ。見張りが全滅したのち、ついに地下に残りの四人がいることも発見され、チュルダが投降を説得するが、ヨゼフたちは「降伏しないぞ」と叫ぶ。自決用の最後の一発の銃弾は用意するが、脱出を目指して彼らは最後まで地下室の壁を崩そうとする。しかし、その希望も絶たれ、水攻めが続く地下室でヨゼフは自分を迎えるレンカの幻影を見ながら自ら命を絶つ。
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