アーカイヴの紹介:2020年イギリス映画。近未来の日本の山奥を舞台に、事故で妻を亡くしたロボット工学者が妻を甦らせるために契約違反を犯してまでアンドロイド開発に挑む姿とその顛末を描いたイギリス発のSFミステリー映画です。
監督:ギャビン・ロザリー 出演者:テオ・ジェームズ(ジョージ・アルモア)、ステイシー・マーティン(ジュールス・アルモア/J3/J2(声))、ローナ・ミトラ(シモーヌ)、トビー・ジョーンズ(ヴィンセント・シンクレア)、ピーター・フェルディナンド(ミスター・タッグ)、リチャード・グローヴァー(メルヴィン)、ハンス・ピーターソン(エルソン)、リア・ウィリアムズ(管理システムの電子音声)ほか
映画「アーカイヴ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アーカイヴ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アーカイヴの予告編 動画
映画「アーカイヴ」解説
この解説記事には映画「アーカイヴ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アーカイヴのネタバレあらすじ:起
2038年の冬。日本・山梨の山奥にあるARM社の研究施設で、ロボット工学者のジョージ・アルモア(テオ・ジェームズ)は人型アンドロイド“J2”(声:ステイシー・マーティン)の研究開発をしていました。ジョージは数年前に妻ジュールス(ステイシー・マーティン)を亡くしており、時折リビングにあるモニターに映るジュールスの顔を見つめていました。
ジョージの元にARM社の上司シモーヌ(ローナ・ミトラ)から連絡がありました。ジョージはARM社と3年契約を結んでおり、シモーヌは研究の成果を上げなければ契約を見直すとジョージに通告しました。またシモーヌは会社の機密が狙われているとしてジョージにセキュリティの強化を要求し、警備隊を向かわせると告げました。J2はそんなシモーヌのことを嫌っていました。
ジョージはARM社に内緒で、J2よりも更に人間に近い改良型アンドロイド“J3”(声:ステイシー・マーティン)を開発していました。ジョージはまだ未完成のJ3に、ジュールスに関するものらしきデータをインストールしていました。その様子を見ていたJ2は、自分より優れたJ3が完成すれば自分は捨てられるとの危機感を抱きましたが、ジョージはそんな事はしないと言い聞かせました。
ジョージは施設のセキュリティゲートがなぜか開いていることに気付き、J2と共にゲートの点検を行いました。その際、ジョージはJ2に、J3の開発のために脚を見せて欲しいと頼みました。セキュリティ装置には何者かが手を加えた跡があり、J2は自分に疑いを抱いたジョージに何もしていないと伝えました。
やがてアーカイヴ・システム社社員のシンクレア(トビー・ジョーンズ)が部下のメルヴィン(リチャード・グローヴァー)と共にジョージの施設を訪ねてきました。ジョージはアンドロイドたちの存在を隠してシンクレアたちを招き入れました。
ジョージの施設には故人の生前の記憶や意識が保存されている装置“アーカイヴ”がありました。“アーカイヴ”を通じて故人と会話することが可能であり、ジョージは“アーカイヴ”に収められたジュールスのデータと会話をしていたのですが、ここ最近は通信が途切れがちで満足に会話ができない状態でした。
シンクレアはジョージに、“アーカイヴ”に収められた故人の記憶も死に至る可能性があることを告げました。“アーカイヴ”は使用期限を迎えると故人は“休眠”と言う名の第2の死を迎え、その時は“アーカイヴ”の装置ごと丁重に埋葬されるというのです。“アーカイヴ”の点検をしていたメルヴィンはセキュリティに問題があることに気付きましたが、動揺したジョージはシンクレアたちを追い返してしまいました。
アーカイヴのネタバレあらすじ:承
シンクレアたちが去ったのを確認したジョージはJ3を再起動しました。J3は混乱状態にありましたが、ジョージと会話しているうちに落ち着きを取り戻しました。J2はその様子を黙って見つめていました。
翌日、ジョージはJ3を限りなく“人間”に近づけるべく様々なテストを受けさせました。ジョージが最初に開発したJ1の知能は5歳程度、続いて開発したJ2の知能は16歳程度、そしてJ3の知能はさらに成人程度までに進歩していました。
その翌日、ジョージはJ2にJ3の世話を任せ、セキュリティシステムの修理のため外へ出ました。途中でジョージの元にJ3から施設が停電になったとの連絡がありました。上空には謎のドローンが飛来していました。その後も不具合が続きましたが、ジョージは何とかシステムの修理に成功しました。
その日の夜、ジョージはシモーヌからセキュリティの確認としてリスク査定人のミスター・タッグ(ピーター・フェルディナンド)と会うよう指示されました。ジョージはアンドロイドのことを隠してタッグと外で落ち合い、タッグからARM社を標的にしたテロ事件があり、ジョージもテロリストに狙われており監視されていると告げられました。
タッグはジョージに何者かが隠し撮りした就寝中のジョージの写真を見せましたが、誰が撮ったかについては言及しませんでした。タッグはジョージに充分気をつけろと忠告し、緊急時に使用するトランクを渡しました。
帰宅したジョージはジュールスと共に巻き込まれた自動車事故の夢を見ていました。その時、侵入者を告げる警報が鳴り、目を覚ましたジョージが部屋を確認したところ、窓ガラスが粉々に割られており、J1とJ2こそあったもののJ3の姿が見当たりませんでした。
ジョージはタから受け取ったトランクを開けてみると、中には銃と通信機器があり、即座にタッグと通信が繋がりました。ジョージはアンドロイドの存在を隠し通すことに必死になり、タッグはトランクを開ける時は緊急時だけにしろと忠告しました。
アーカイヴのネタバレあらすじ:転
ジョージは夜明けを待って施設周辺を捜索しましたが、J3は見つかりませんでした。ジョージはかつて生前のジュールスと“アーカイヴ”について話したことを思い出していました。ジョージは万が一に備え、最大200時間故人と会話することができる“アーカイヴ”に夫婦で契約しようと提案したのですが、ジュールスは自分が箱の中に閉じこめられるのは嫌だと拒否していたのです。
ジョージは捜索の途中、J2が持っていたキーホルダーを山奥で発見しました。ジョージが帰宅すると、外ではJ1が雨の中で立ち尽くしていました。ジョージはJ1の面倒を見ていたはずのJ2に自分たちは“家族”だと告げ、侵入者を見つけたら直ちに報告するよう命じました。
J3は部品保管庫の中にいました。J3は“アーカイヴ”にいるのは何者であるかを知っており、ジョージに真実を明かすよう訴えました。ジョージはJ3にバイオ技術を投入した非常に高度なAIを搭載しており、アーカイヴ”からジュールスの膨大なデータを移植して可能な限りジュールスに近づけようとしていたのです。
J3を連れ出していたのはJ2でした。J2は自分はいつかジョージに捨てられるとの危機感を抱いたあまりJ3を“アーカイヴ”の前に連れていき、そこで真実を明かしたのです。ジョージはJ2の機能を停止し、その両足を取り外して未完成のJ3の脚部に流用しました。
そんな時、シモーヌからジョージに連絡が入りました。ジョージがアンドロイドに“アーカイヴ”の技術を応用している疑いが持ち上がり、アーカイヴ社は特許侵害にあたるとして調査を求めており、場合によっては訴訟も辞さないというのです。シモーヌはジョージが機密保持契約に反してアーカイヴ社の人間を施設に入れたことを問題視しており、ジョージを解雇することを示唆しました。
ジョージは解雇前にJ3を完成させると決意、金属製の表皮に代えて人工皮膚と毛髪を装着しました。急ピッチの作業の末、J3(ステイシー・マーティン)は限りなくジュールスに近い体を得て完成しました。
ジョージはJ2に新たな足を与えて再起動しましたが、J2は元の足を返して欲しいと訴えました。ジョージにその意思がないことを悟ったJ2は施設の外に出、バッテリー切れ寸前まで過ごした後、施設に戻った際にバッテリーが完全に切れて倒れ込みました。
アーカイヴの結末
ジョージがJ3に食物を与えていたところにJ1が現れ、J2が倒れたことを報告してきました。ジョージは急いでバッテリーを充電しましたが、J2は何も話したくないと拒絶しました。
J2はJ3と楽しく過ごすジョージの姿を見、もはや自分の存在価値がなくなったことを悟りました。J2はJ1に別れを告げて施設を去り、近くの湖の底へと沈んでいきました。J2が姿を消したことに気付いたジョージは必死でJ2を探しましたが見つけることができず、J2の思い出の品を箱に収めて丁重に埋葬しました。
そんなある夜、J3はジュールスがかつてそうしていたように、就寝しているジョージのベッドへと入り込んで寄り添いました。ところが、ジョージはアンドロイドであるJ3を拒絶してしまい、錯乱状態に陥ったJ3は倒れてしまいました。その時、J3の中に残るジュールスの記憶が蘇り、J3を再起動したジョージは事故当時にジュールスが妊娠していたことを知りました。
ジョージは“アーカイヴ”を通じてジュールスと交信しようとしましたができませんでした。そこでジョージはアーカイヴ社へ連絡を入れましたが、ジョージが知らされたのは、“アーカイヴ”内のジュールスと会話できる機会は最終段階にあること、そしてアーカイヴ社にはそもそもシンクレアという社員は在籍していないということでした。
ジョージはシンクレアの目的は何なのかと思いを巡らせていると、激怒したシモーヌから連絡が飛び込んできました。アーカイヴ社が湖に沈んでいたJ2を発見し、ARM社に対して巨額の賠償請求をしてきたというのです。シモーヌはジョージを解雇し、施設も閉鎖すると通告してきました。
ジョージはシモーヌとの通信を切り、J3を連れて施設から脱走しようとしましたが、J3はついて行こうとしませんでした。J3は“アーカイヴ”のジュールスと交信しており、“アーカイヴ”の有効期限が過ぎたら自分がジュールスの代わりにジョージの面倒を見ると約束していました。ジョージはそんなJ3にジュールスの全てをインストールしようとしたところ、施設近くにARM社が差し向けたヘリが飛来、中から保安要員が突入してきました。
J3はジョージがタッグから渡されたトランクの中から銃を取り出し、ジョージに銃口を向けて自分にジュールスを上書きするよう要求しました。ジョージは自分のせいでジュールスが死んだと釈明し、自分はJ3にジュールスをインストールすることで彼女との関係を取り戻したかったのだと語りました。
そしてジョージは遂にJ3にジュールスの全てをインストールしました。ところが、J3は意識を取り戻しませんでした。その時、襲撃が止み、確認してみるとなぜか侵入者の姿は消えていました。その直後にJ3は意識を取り戻しましたが、なぜか“アーカイヴ”から呼び出し音が鳴りました。
J3は応じてはならぬと止めましたが、ジョージは“アーカイヴ”との会話に臨みました。受話器の向こうの声はジュールス、そして事故の後に生まれた娘であり、ジュールスは“アーカイヴ”の有効期限が切れたためこれが別れの通話だと語りました―――。
―――実は事故で死亡したのはジュールスではなくジョージであり、“アーカイヴ”に収められていたのはジョージのデータだったのです。ジュールスと娘はシンクレアの立ち合いのもとジョージとの最期の会話を終え、“アーカイヴ”を葬送に出すとその場を去って行きました。
以上、映画「アーカイヴ」のあらすじと結末でした。
「アーカイヴ」感想・レビュー
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トムクルーズの『バニラスカイ』を彷彿とさせる。俳優のうまさ・CGや情感の作り込み(機械の形をしているのにエモーショナルは秀逸の対比)に対して最後の逆転劇がチープに映るのは残念だ。あれで、全て台無しだ。バニラスカイは20回以上見たが、アーカイブは見たくない。
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物語で最悪の物は何かと問われ上げ連ねると
5本の指に入るのが夢オチエンドだ
それを見事にやって見せたのがこの作品だこの夢オチのようなエンドのせいで積み上げてきたエピソードの
殆どが無意味なものになっている
それどころか関連性が全くないものが多い
アーカイブの中で研究していてそれを企業側が吸い上げていたって話なら
まだ面白みがあったんだけどねぇ
惜しい作品 -
ただどんでん返ししたかっただけで、途中までのエピソードが意味不明になってしまっている。残念。AIと人間との関係に持っていったほうが良かった。
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シックスセンスか
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続編で奥さん側のが欲しいけどね。
ジョージのアーカイブが自動作成したメモリを元に新しい技術を開発していきくみたいなのとかね。それで企業にいいようにうまく利用されて腹立てたジョージが自分の体を作って嫁に会いに行くとか -
私は、ロボットと人間の関係”興味深く良かった♪♪ また施設や環境が好きです♪♪
つまりは死んでも会社の為に貢献して金稼いで、ダメになったら解雇って事??