アルマゲドン・タイム ある日々の肖像の紹介:2022年アメリカ映画。1980年のニューヨーク。公立学校に通うユダヤ系アメリカ人のポールは芸術家志望で、お祖父さんのアーロンが彼の理解者だった。ポールは新学期に黒人のジョニーと友だちになる。先生にとって問題児の二人。だが一つの事件をきっかけに二人はアメリカ社会の不公平に直面することになる。『リトル・オデッサ』、『アド・アストラ』等のジェームズ・グレイ監督が100パーセント自身や家族を投影させていると語る自伝的作品。ジェシカ・チャスティン演じるマリアン・トランプはドナルド・トランプ氏のお姉さんです。
監督:ジェームズ・グレイ 出演者:アン・ハサウェイ(エスター・グラフ)、ジェレミー・ストロング(アーヴィング・グラフ)、バンクス・レペタ(ポール・グラフ)、ジェイリン・ウェッブ(ジョニー・デイヴィス)、アンソニー・ホプキンス(アーロン・ラビノウィッツ)、ライアン・セル(テッド・グラフ)、ジョン・ディール(フレッド・トランプ)、ジェシカ・チャスティン(マリアン・トランプ)ほか
映画「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」解説
この解説記事には映画「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アルマゲドンタイム ある日々の肖像のネタバレあらすじ:新しい友だち
1980年、ニューヨーク市クイーンズ区。11歳のポール・グラフの公立学校6年生の新学期の初日。教室で先生が名簿の名前を読み上げる。クラスには様々な人種・民族の子供がいる。先生が出欠を取り始めてすぐに、先生の似顔絵を描いて級友を笑わせたポールは教室の前に立たされてしまう。
続いて、黒人で、落第して6年生が2回目のジョニーもふざけていたせいで教室の前に立たされる。反抗的な彼は先生に目の敵にされていた。罰として体育の時間に教室に居残りになったポールとジョニーは音楽の話をして親しくなる。
お母さんはPTA会長でぼくの家はスーパーリッチだとポールはジョニーに言う。でも、お祖母さんと暮らすジョニーよりはるかに金持ちでも、4人家族のポールの家は普通の中流家庭。兄のテッドこそ私立学校に通っているが、父アーヴィングは技術者としてけんめいに働いて家族を支えている。教育熱心な母エスターは公立学校の教育をよくしようと教育委員会への立候補を予定していた。
ポールの親族は食卓をいっしょに囲むことが多い。ポールのよき理解者は母方の祖父アーロンで、芸術家になると言うポールにまず自分の描いた絵にサインをしろとアドバイスする。アーロンの母はウクライナに住んでいたが、ユダヤ人であるためにロシア兵に両親を殺された。ウクライナを出て各国をめぐり、イギリスのリバプールで結婚し、子供だったアーロンを連れてアメリカに渡ったのだった。
ポールのクラスはグッゲンハイム美術館に社会科見学に行く。参加費のないジョニーにポールが母の宝石箱の中から盗んだお金を渡し、ポールは祖母の許可のサインを偽造して見学に参加する。カンディンスキーの抽象画を見てポールは画家として成功する自分を夢見る。
だが、結局ジョニーと二人で美術館からセントラルパークへ逃げ出し、ゲームセンターやレコード店に遊びに行くのだった。地下鉄の中でジョニーは宇宙飛行士になりたいという夢を語るが、黒人の青年に黒人が宇宙飛行士になどなれるわけがないと言われる。
アルマゲドンタイム ある日々の肖像のネタバレあらすじ:友と引き離される
美術の時間、ポールは課題を無視してカンディンスキーばりの絵を描いて先生にこれはコピーだと叱られる。ポールに味方して先生に抗議したジョニーに罰則が与えられ、それをポールが手伝う。
二人はトイレでジョニーがいとこからもらったものに火をつけて吸うが、それは実はマリファナで、二人はハイになったところを見つかってしまう。校長は母エスターにポールを「鈍い」子供のための補修クラス入れるように勧めるが母は怒って息子を連れ帰る。
ポールは家では父に強くたたかれ、ジョニーと付き合うことを禁止された。しかし夜、職員室でこっそり住所を調べたと言うジョニーがポールの部屋の窓の下にやってくる。ポールはお父さんがポールのために裏庭に作ってくれた部屋をジョニーに見せた。
アルマゲドンタイム ある日々の肖像のネタバレあらすじ:新しい学校
ポールはお兄さんと同じ私立学校に転校しろと言われる。転校したくないポールは、祖父アーロンなら自分の味方になってくれると期待したが、アーロンは転校が彼自身の希望であることを言う。アーロンはラビノウィッツという姓のせいで、ユダヤ人の学生はもうたくさんいるからと、大学への門戸を閉ざされた思い出を語る。孫には高い教育を受けてほしいと期待しているのだった。
制服に身を包んでポールはフォレスト・マナー校へ通い始める。転校初日、廊下でおどおどしているポールに一人の老人が学校の伝統である朝の集会に出るように指示する。その老人は多額の図書を寄付したトランプ氏だった。その日の集会ではトランプ氏の娘で卒業生の連邦検事補マリアンが、ただで成功は得られない、努力しろ、女子もがんばりなさい、とスピーチをするのだった。
休み時間、校庭にいたポールに金網フェンスの向こうからジョニーが話しかける。その日はいっしょにコンサートに行こうと約束した日だった。ジョニーは里親に引き取られることになっていたが、それを嫌って逃げていると言い、ポールの裏庭の部屋を使っていいかときいた。
ジョニーが去った後、級友がお前はニガーと話すのかとポールに話しかける。ジョニーが親友であると言うことがポールにはできない。
帰宅したポールは裏庭を見たがジョニーはいない。でもジョニーが大事にしていたNASAのアポロ計画のステッカーが落ちていた。
アルマゲドンタイム ある日々の肖像のネタバレあらすじ:祖父の教え
休日、母の運転する車でポールは公園に祖父アーロンに会いに行った。アーロンはしばらく旅に出ると言う。ポールは、黒人を差別する級友に何も言えなかったことを話す。アーロンは差別に立ち向かって高潔な生き方をしろと孫を励ます。ポールはアーロンからプレゼントされたロケットの模型を発射してみせて、アーロンと別れた。
数日後、ポールは早朝、父に起こされて病院に行く。骨の癌で手術をしたアーロンが昏睡状態に陥っていた。結局アーロンは帰らぬ人となる。
アーロンの葬儀の日、墓地で母を待つ間、車の中で父アーヴィングはポールと兄のテッドに、彼の父親が配管工であることを知ってエスターの家族は皆さげすんだが、アーロンだけは力になってくれたことを話す。
アルマゲドンタイム ある日々の肖像の結末:父の教え
葬儀から帰ってポールは、裏庭の部屋にジョニーが隠れていることを知る。祖母が施設に入れられたジョニーは相変わらず、自分を里親に預けようとする当局から逃げていた。
ポールは、自分の学費を祖母に頼っていること、父がポールの将来性に不安をもっていることを知る。そしてフォレスト・マナー校も公立校と同じで、課題を生徒に厳しく課していた。二人でフロリダに行こうと言うジョニーにポールは、一つの計画をもちかける。鍵のかかっていない窓からポールの学校に侵入してコンピューターを一台盗んで金にしようというものだった。
ジョニーと家を忍び出たポールは夜の学校にもぐりこんでコンピューターを盗む。ジョニーが知っている質屋に盗品を持ち込むのを見ながら、宇宙飛行士になったジョニーと画家として活躍する自分を思い描くポール。しかし、質屋に通報されてパトカーが来てジョニーを逮捕する。ポールは逃げたが、彼の前にパトカーが停まる。
警察でポールは全て彼の計画であることを白状する。だが、警察に来た父と担当の警官が話し合った後、父の車でポールは帰ることができた。父はこのことは父親を亡くしたばかりのお母さんに話すなと言う。
ポールは本来少年鑑別所に送られるところだが、父と担当の警官には共通の友人がいて、昔警官の家の湯沸かし器を父がタダで修理したことがあったのだった。ジョニーは助けてくれる大人がいない。不公平だと思うのはわかるが、お前は自分の幸運の責任を引き受けなければならい、という父のことばをポールは受け入れる。
その秋、レーガンが当選した大統領選挙の結果にポールの一家は落胆するが、その時もポールは部屋で宿題に取り組んでいた。
感謝祭にフォレスト・マナー校では恒例のダンスパーティーがあり、ポールもそれを楽しみにしていた。だが来賓のトランプ氏の君たちはエリートであり、その自覚をもてというスピーチを聞い
以上、映画「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」のあらすじと結末でした。
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