灰とダイヤモンドの紹介:1957年ポーランド映画。イェジ・アンジェイェフスキの小説を映画化したアンジェイ・ワイダ監督の代表作。初公開当時、マチェクのゴミ捨て場での死の場面が話題となり、以後数々の映画で模倣された。
監督:アンジェイ・ワイダ 出演:ズビグニエフ・チブルスキー(マチェク)、エヴァ・クジジェフスカ(クリスティーナ)、バクラフ・ザストルジンスキ(シュチューカ)、アダム・パヴリコフスキ(アンジェイ)
映画「灰とダイヤモンド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「灰とダイヤモンド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「灰とダイヤモンド」解説
この解説記事には映画「灰とダイヤモンド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
灰とダイヤモンドのネタバレあらすじ:起
1945年5月8日。ドイツ軍が連合軍に降伏した日です。郊外の長閑な田舎道。2人の男・マチェクとアンドルゼイが草むらに横たわっています。やがて見張りの知らせを受けて彼らは起き上がり、機銃を構えると、道を走ってきたジープに向かって発砲。乗っていた男たちを皆殺しにします。首尾よく暗殺を終えた彼らはそのまま逃げ出し、町のホテルへ。機嫌よくバーで酒を飲み始めますが、やがて太った男がホテルへ入ってくるのに気づきます。フロントで彼の名前と身分を知ると、マチェクは顔色を変えます。彼らが狙っていたのはその男、ソビエトから帰国したシュツーカ共産党地区委員長だったからです。
灰とダイヤモンドのネタバレあらすじ:承
ワルシャワ反乱の生き残りであるマチェクたちはボーランドのレジスタンスを見捨てたソ連に対してこの上ない憎悪を抱いていました。その手先であるシュツーカも殺されて当然なのです。暗殺に失敗した事を知ったマチェクはシュツーカの隣に部屋を取ります。ホテルではシュツーカの帰国を祝うパーティが町長の主催で行われることに。ナチスが降伏したこともあって出席者は羽目をはずして馬鹿騒ぎです。暗殺の機会を待ちながら、マチェクはバーの給仕女クリスチナと密かに逢引し、廃墟となった教会で戦争中の思い出を語り合います。
灰とダイヤモンドのネタバレあらすじ:転
やがてシュツーカは、マチェクと同様に反ソビエト運動家である息子に会うために外出。マチェクはその後を追って外へ。シュツーカより前に歩くことになり、マチェクは懐からピストルを取り出すと振り向き、そのまま弾を何発もシュツーカに撃ちこみます。虫の息となったシュツーカはマチェクに向かって倒れ込み、その腕に抱かれて死を迎えるのです。
灰とダイヤモンドの結末
ホテルに戻ったマチェクは血で汚れた体と服を洗い、クリスチナと顔を合わせた後、再び外へ。そのまま逃げおおせるはずが、保安隊とぶつかって不審な行動を取ったため、彼らに追われる羽目になります。洗濯物の白いシーツが翻る空き地に逃げ込んだマチェクですが、その時はすでに保安隊の撃った弾が体に命中していました。シーツを血で染めた後、マチェクは傷を押さえながら広いゴミ溜めにやってきます。そしてそこで力尽き、苦しみながら死んでゆくのです。
ポーランドのアンジェイ・ワイダ監督の名作映画です。ワイダ監督は自らが対ドイツのレジスタンス活動に加わわり、戦後は連帯を支持して民主化運動の後押しをした人物だけに、政治的テロリズムについて冷徹さと温かさの両方が混在しているためか、ラストに主人公がゴミ溜めで、もがき倒れるシーンに込められたものが、痛みとなって伝わってきます。テロが横行する時代だからこそ、見てほしい映画です。