原子力戦争 Lost Loveの紹介:1978年日本映画。田原総一朗の小説を映画化したサスペンスで、一部にゲリラ撮影によるドキュメンタリー風手法も用いられています。情婦の死の真相を追う若いやくざが、やがて町全体に影を落とす原発の利権に関わる抗争に巻き込まれていきます。
監督:黒木和雄 出演者:原田芳雄(坂田正首)、山口小夜子(山崎明日香)、風吹ジュン(青葉翼)、佐藤慶(野上)、岡田英次(神山教授)ほか
映画「原子力戦争 Lost Love」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「原子力戦争 Lost Love」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「原子力戦争 Lost Love」解説
この解説記事には映画「原子力戦争 Lost Love」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
原子力戦争 Lost Loveのネタバレあらすじ:起
東北のとある寂れた港町。ある日、浜辺に二人の男女の遺体が打ち上げられているのが発見されました。当初は二人は心中したものとみられていました。数日後、港町の駅に東京から若いやくざの坂田正首(原田芳雄)がやってきました。坂田はこの町に帰ったまま行方をくらました情婦の青葉望(能登智子)を追っていたのです。望は町を出て東京の大学に行っていましたが中退し、風俗嬢になったところを坂田と出会い、坂田は彼女のヒモとなっていたのです。坂田は望の実家を訪ねますが、彼女の父で元市議の繁(浜村純)や兄で漁業組合長の守(石山雄大)は口を閉ざしたままで坂田は冷たく追い返されます。しかし、坂田は玄関にかつて望にプレゼントした傘があるのを発見していました。
原子力戦争 Lost Loveのネタバレあらすじ:承
地元の支社に左遷されていた新聞記者の野上(佐藤慶)は、心中事件の裏側に関するスクープを探していました。そこで野上は坂田と地元のバーで接触を持ち、心中死体の男の方は地元の原子力発電所の技師だった山崎という男だと話します。山崎には妻がいましたが、死体の女は山崎の妻ではありませんでした。もしかしたら死体の女は望ではないかと感じた坂田は改めて地元住民から話を聞き歩き、やがて望の妹である翼(風吹ジュン)の証言から死体の女が望であることを突き止めます。
原子力戦争 Lost Loveのネタバレあらすじ:転
坂田にとってはどうしても望が心中する理由が見当たりませんでした。一方の野上は坂田の行動を利用しながら、地元が抱える原発絡みの闇を追っていました。ある日、坂田は、山崎の未亡人・明日香(山口小夜子)を訪ね、その不思議な魅力に翻弄されながらも事情を聞こうとしますが、突然踏み込んできた警官に坂田は逮捕されてしまいます。ほどなく釈放された坂田でしたが、町の若い衆に囲まれて金をつかまされると、帰れと駅まで連れて行かれます。しかしどうしても真相が知りたい坂田は密かに町に舞い戻り、翼に隠れ場所を提供されます。
原子力戦争 Lost Loveの結末
坂田は山崎の友人で電力会社の組合員・小林(和田周)に会いますが真相はわからぬままでした。その直後、坂田は数人の暴漢に襲われて負傷します。坂田は再び明日香に会い、謎の書類を受け取ります。それを野上に見せると、どうやら原発内部で起きた不具合に関するものだというのです。その頃、原子力研究の権威であり御用学者の神山教授(岡田英次)がこの町を訪れていました。野上は神山に取材しますがはぐらかされてしまい、さらには新聞社の上層部からも取材を中止するよう求められます。どうやら山崎は原発の不祥事を知ってしまったために口封じで殺害され、心中に偽装された模様です。やがて、小林は林の中で首吊り死体となって発見されます。野上は坂田にこれ以上深追いしないよう警告し、この件から降ります。しかし坂田は納得できず、単身原発に乱入しようとしますが制止され、数日後、遺体となって浜辺に打ち上げられます。翼は望の傘を差して出かけていきました。
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