素粒子の紹介:2006年ドイツ映画。奔放な母の元生まれた異父兄弟、ブルーノとミヒャエル。真逆の願望を抱く彼らが苦悩と悲劇の末に行き着いた愛の形とは。ミシェル・ウエルベックの同名ベストセラーを映画化、ヨーロッパでセンセーションを起こした問題作。
監督:オスカー・レーラー 出演:モーリッツ・ブライブトロイ(ブルーノ)、クリスティアン・ウルメン(ミヒャエル)、マルティナ・ゲデック(クリスティアーネ)、フランカ・ポテンテ(アナベル)、ニーナ・ホス(ジェーン)、ほか
映画「素粒子」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「素粒子」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「素粒子」解説
この解説記事には映画「素粒子」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
素粒子のネタバレあらすじ:起・ブルーノとミヒャエル
生殖行為をせずに子供をもうける方法について研究していたミヒャエルは研究途中のまま、研究所を辞めることにした。帰宅すると、道路建設のために祖母の墓の移設を求める手紙が来ていた。彼は好きな女の子のアナベルと踊る勇気もなく、一緒に出掛けた先でも問題集を解いている青年時代を過ごしていた。ボードレールの授業をする兄のブルーノは、熱心な生徒に少なからず好意を持っていた。彼は自宅での執筆活動の最中に赤ん坊があまりにも泣くので、ミルクに睡眠薬を入れた。彼の書くものは差別主義的で出版はできないものだった。異父兄弟の二人はバーで会っては、愚痴をこぼした。ある日ブルーノは熱心な女生徒に迫り、拒絶されてしまう。錯乱したまま車に乗った彼は、病院で家へ帰れないと泣き、帰らないでいいとなだめられそのまま入院し、カウンセリングで、性に対して開放的だった母についてのトラウマを話した。父親の違う弟ミヒャエルは母のヒッピー生活が生んだものだった。
素粒子のネタバレあらすじ:承・アナベルとの再会
祖母の墓地の移設に立ち会ったミヒャエルはアナベルと再会し、昔の写真を見ながら、二人はキスをした。そして病院のブルーノを訪れると、母親が危篤状態という。彼女はヒッピー達と暮らし、蝋燭の灯る部屋でうなされていた。夜中に、酔っ払たブルーノが歌う中、母は亡くなった。アナベルと家で食事をとると、まだ独身の彼女は宝物だと言って自分の恋の悩みが乗った新聞の貼ってあるスクラップブックを見せてくれた。ミヒャエルは未経験だと明かし、子供の頃からずっと想っていた二人は結ばれた。一方、妻に離婚の準備をされているブルーノは、休暇を取りキャンプに行こうとしていた。アナベルに空港で見送られアイルランドの研究所に戻ったミヒャエルは、三年前に辞めたのは、計算式が間違えだと証明されることを恐れたからだだと告白した。しかし仮説も計算もスーパーコンピューターで100%正しいことが証明されていた。彼の復帰を研究所の一同は歓迎した。
素粒子のネタバレあらすじ:転・アナベルと、クリスチアーネ
キャンプに着いたブルーノ。テントの場所や、セミナーに苦戦しながらも、夜のプールで出会ったクリスチアーネとねんごろになった。そしてキャンプの後も一緒に住み始め、乱交パブに連れて行かれたりするも、一緒に暮らしたいと告白した。ミヒャエルが講義をしていると、それまでつながらなかったアナベルの母から電話が来た。急いでドイツへ帰ると、アナベルは子宮がん検診をしなかった上にピルを辞め、妊娠したせいで中絶し、子宮を摘出していた。一緒に食事をしながら、アナベルは両親を誠実で円満な夫婦だと話した。その夜アナベルと寄り添って寝るミヒャエルは、治るまで一緒にいる事と、一緒にアイルランドへ行こうと言った。
素粒子の結末:悲劇の先に
クリスチアーネに湿疹が出てしまうも、再び乱交パブへ連れて行かれたブルーノ。しかし、最中にクリスチアーネは倒れてしまった。尾てい骨の壊疽が進み一生両足が動かないと搬送先の医師は言った。病室で寄り添うブルーノに、彼女はできるだけ長くいたかったから隠してた語った。しかし、車椅子で退院した彼女に改めて一緒に暮らそうと告白すると、身体障害者の世話をして過ごすことはない、本心を確かめてと断られてしまった。再び薬と酒に浸るブルーノからの電話をクリスチアーネは待ち、時にベランダから下を見下ろした。そして、彼がかけてきても彼女はその電話を切り、ブルーノも電話をしようとしては切った。そしていよいよクリスチアーネはベランダから飛び降りようとすると再び電話がかかってきた。今度は切らないブルーノだったがクリスチアーネは飛び降り、彼が車で彼女のマンションに着く頃には、鑑識が来ていた。ブルーノは再び病院に入院した。そんな彼が、ある日看護師について病室を出ると、車椅子女性がいた。クリスチアーネと呼びかけると、そこにはクリスチアーネがいた。僕のせいだと詫び、君を失いたくないと告白する、そんな幻覚を彼は見ていた。ミヒャエルとアナベルのドライブの誘いに乗ったブルーノはクリスチアーネが隣にいる幻覚みた。海辺で日光浴ではクリスチアーネの分の椅子も借り、アナベルがアイルランドに二人で来てと言うと、ブルーノはクリスチアーネとここにいると答えた。その後ミヒャエルはノーベル賞を取り、ブルーノは病院で幸せに過ごした。
以上、映画「素粒子」のあらすじと結末でした。
素粒子のレビュー・考察:愛情の行く先
ミヒャエルの研究は、生物を最小単位の素粒子にしてコピーが可能かという仮説から始まっている。それはアナベルと彼が今後彼らの子供を残せるのかどうかという事に掛けられているようにも見えるが、死亡したクリスチアーネが分解され素粒子となり、ブルーノの周り漂い彼が死ぬまで愛を注がれたのではないかとも思わずにはいられない。
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