オーレリ・デュポン 輝ける一瞬にの紹介:2010年フランス映画。パリ・オペラ座でエトワールだったオーレリ・デュポン。バレエ学校時代から、エトワール任命、出産を経て復帰公演するまで、各演目のリハーサルから公演に至るまでの姿を追う。
監督:セドリック・クラピッシュ 出演者:オーレリ・デュポン、マニュエル・ルグリ、マリ=アニエス・ジロ、クロード・ベッシー、ほか
映画「オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オーレリデュポン 輝ける一瞬にの予告編 動画
映画「オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に」解説
この解説記事には映画「オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オーレリデュポン 輝ける一瞬にのネタバレあらすじ:起・パリ・オペラ座のエトワール
1998年、25歳の時にエトワールに任命されたオーレリ・デュポンの舞台デビューは12歳の頃で、まだパリ・オペラ座バレエ学校に所属していた時だった。
学校を卒業するまで、厳格なフランス派のスタイルを守ることを叩きこまれたが、頭の固さと学校の保守性は無縁。今でも朝のレッスンは一時間、10歳の頃と同じ基礎練習を欠かす事はない。この朝の練習は、けじめでもあり、その規則正しさは習慣となり、身体に染みついていく。
個人練習では不満足だった白鳥の湖の30回転ピルエットも、三日後には修整をしてくるオーレリは、エマニュエル・ルグリとのデュエットの練習に入り、公演のためにオーストラリアへ飛んだ。現地で演技指導が行われ、準備不足を危ぶんだオーレリだったが、舞台は大成功だった。
オーレリデュポン 輝ける一瞬にのネタバレあらすじ:承・バレリーナの妊娠と出産
ノイマイヤー振付の椿姫のリハーサルで、安定しないリフトの練習を続けるオーレリ。リフトの練習が不完全なまま本番を迎えるが、この作品で一番大変なのは14回に及ぶヒロインの衣装替えで、袖に入る度に着替えを行った。
その九ヶ月後、二週間後に出産を控えたオーレリはオペラ座を訪ね、今後の事を話し合った。とにもかくにも出産が先で、復帰に関してはそのあと考えようという事になった。そしてその五ヶ月後、無事に出産を経て復帰、演目はライモンダ。
復帰後初舞台は、パートナーの怪我による降板があり、ほぼぶっつけ本番。ベビーシッターへの電話も欠かさず、足の傷みを薬で抑え、早く舞台で踊ることを楽しみたいと願うオーレリ。ブランクは一年以上だったが舞台は大成功し、周りも復帰を喜んだ。
オーレリデュポン 輝ける一瞬にのネタバレあらすじ:転・古典とコンテンポラリー
バレエの古典は自由に踊れるようになると、技術や表現の面で踊りにアプローチの違いが見えてくる。
またコンテンポラリーは、振付家との出会いがダンサーとしての価値を引き出し、多くを学び、人として成長する事ができる。
コンテンポラリー作品の「PARK」では、曲かけの練習から、曲と踊りの兼ね合いを振付家と確認しながら、振付を完成させていく。この作品では遠心力に任せる振りつけのリスクを取るか、作品としての面白さを取るかなどの話し合いが行われた。
オーレリデュポン 輝ける一瞬にの結末:引退について
長年パートナーとしても踊っていたルグリの引退をを一か月後に控え、一緒に歩み続けた旅の道ずれのような彼の引退に、オーレリは寂しさを感じていた。
しかしパリ・オペラ座の引退は42歳半と決められており、楽屋は後進に引き継がれる事になっている。バレエダンサーにとって、引退後の生き方は不安を含んでいる。
2009年5月15日のルグリ引退公演は、オーレリも共に迎えた。
以上、映画「オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に」のあらすじと結末でした。
オーレリデュポン 輝ける一瞬にのレビュー・考察:パリ・オペラ座の未来
現在、自身の引退を経てパリ・オペラ座の芸術監督を務めているオーレリ・デュポン。革新的なコンテンポラリーを多く演目に持ち、世界でも名高いバレエ団であり続けるその根底にあるのは、けして崩さないフランス流の基礎が根底に流れている。それはパリ・オペラ座のアイデンティティであり、けして保守的と揶揄されていい点ではない。なぜなら、バレエは基礎が無ければ、クラシック演目の解釈を深める事もコンテンポラリーバレエの新しい演目に対応することもできない。基礎があり、踊れるダンサーが揃っていてこそ、パリ・オペラ座の豊富な演目のバリエーションがあり、新しい振付家の活躍の場にもなっている。パリ・オペラ座のバレエ学校で学び、団員になりエトワールに任命され、人生を共に過ごして来たオーレリ・デュポンだからこそ、その未来を描けるのだと思う。
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