悪い子バビーの紹介:1993年オーストラリア, イタリア映画。薄暗い部屋に閉じ込められ、一般社会とかけ離れた過酷な環境で35年を過ごした男バビー。身のまわりの全てを母親が管理し従うだけの日々を送っていた。ある日、父親を名乗る男が突然帰ってきたことをきっかけに、バビーの人生は動き出す。小さな作品ながらもヴェネチア国際映画祭に出品、審査員特別賞ほか全3部門を受賞し、20ヵ国以上で上映された。
監督:ロルフ・デ・ヒーア 出演:ニコラス・ホープ(バビー)、クレア・ベニート(母フローレンス)、ラルフ・コッテリル(父ハロルド)、カーメル・ジョンソン(エンジェル)、ほか
映画「悪い子バビー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「悪い子バビー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「悪い子バビー」解説
この解説記事には映画「悪い子バビー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
悪い子バビーのネタバレあらすじ:起
「ドアの外に出れば汚染された空気の猛毒で命を落とす」
そんな母親の教えを信じて、35年間薄暗く不衛生な部屋に閉じ込められていたバビー。時折出かける母親はガスマスクをし、ドアに施錠をして外出します。母親が留守の間は動くなと命令されれば、何時間も椅子に座ったままトイレにも行かずに従います。
常に「神はいつもお前を見ている」とヒステリックに言う母親でしたが、毎晩バビーを犯すときだけは「グッド・ボーイ、バビー」と優しい声になります。
彼が母親に従順なのは、これまでに監禁されてきたことで知力や知識を与えられなかったためです。母親だけの世界で生きてきたバビーは言葉を持っていないため、他人の話し声を真似することしかできません。
バビーは軒下に住み着いたのら猫を飼っていました。しかし、ふと疑問がよぎります。
「外の世界は汚染されているのに、この猫はどうやってきたの?」と。母親はぶっきらぼうに「息をしなければいい」と答えます。
翌日、バビーは猫を汚染から守ろうとしたためか、ラップをぐるぐるに巻きつけます。あっけなく猫は窒息死してしまいますが、バビーには何が起こっているか分かりません。動かなくなった猫を大切そうになでました。
悪い子バビーのネタバレあらすじ:承
そんなある日、突然誰かがやってきます。「おいっ!フローレンスいるんだろ!?」声の主はバビーの父親でした。突然消えた夫の帰りを35年待ち続けた母親は歓喜に震え、夜にバビーを必要としなくなりました。
父親が帰ってきたことで、自分が必要とされていないことに気付いたバビーは暴れて、両親をラップで窒息死させてしまいます。死についての知識がないバビーは、母親が食事を作ってくれないことを不思議に思いながらも腹を空かせて外の世界へ出ていきました。
そこは毒などない世界でした。バビーはおもむくままに歩き出しました。
途中、広場で歌う軍楽隊に出会い、ピザをごちそうしてもらいました。初めての美しい歌やピザの味に心躍らせるバビー。
ひょんなことからツアー中のロックバンドと出会います。荷物の運搬やライブ設営の手伝いなどをして、バビーは仲間と過ごす楽しさを知っていきます。バンドのメンバーも彼のユニークさを楽しみ、歌を作って聞かせました。
悪い子バビーのネタバレあらすじ:転
しかし楽しいことばかりではありませんでした。人との関わり方を知らずに聞いたことのある言葉を真似するしか話すことができないバビーは、レストランで見かけた女性の身体を触り警察に捕まり、留置所で男に犯されてしまいます。
釈放されたあとも、女性に袋叩きにされるなど散々な目に遭い、家に戻ったバビーは「結局、ママの言う通りになった。僕に外の世界は合わない」と落胆するのです。しかしそこにあるのは、現場検証で人型に貼られた白線の枠だけ。母親に二度と会えないことを悟ったバビーは絶望感にうなだれました。
しかしバビーは思いつきました。亡き父が持っていた牧師の襟ローマンカラーを着用し、父親になろうとするのです。バビーは捨てて、パパになる!と。
新しい出会いもありました。障がい者施設のグループと遭遇したバビーは、言葉を話すことができない少女レイチェルと意思疎通できたことで、グループに迎え入れられることになったのです。バビーはヘルパーのエンジェルに恋をし、エンジェルもパパを名乗るバビーをバビーとして認めてくれました。しかし、それによって彼に恋していたレイチェルを傷つけることにもなりました。バビーは彼女のために涙を流しました。
愛を学ぶ一方で、死についての学習は追いついていないバビー。エンジェルの両親と会った際、彼女を激しく罵り叱責する両親の姿に耐えられずラップで静かにさせてしまいます。
悪い子バビーの結末
しかし、以前と違うのは受け入れてくれる人々がいることでした。バンド仲間はバビーが思いつくままに覚えた言葉をシャウトすることに伴奏を付け、ライブでは大盛り上がり。ライブにはエンジェルの姿もありました。みんながバビーを愛していました。
ついにバビーはエンジェルと結ばれ、新たに生命を授かりました。
やがて3人の子供たちに恵まれ、工業地帯の一角にたたずむ家の庭では子供たちとはしゃぐバビーの姿がありました。
以上、映画「悪い子バビー」のあらすじと結末でした。
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