バジュランギおじさんと、小さな迷子の紹介:2015年インド映画。底抜けにお人好しなインド人青年と、声を失ったパキスタンからの迷子の少女が、彼女を家に戻すため、インドからパキスタンまでの700kmを往く二人旅を描いた人間ドラマです。国境や宗教を超えた人間愛のメッセージをも込め、インド映画としては歴代3位となる大ヒットを記録しました。
監督:カビール・カーン 出演者:サルマン・カーン(パワン・クマール・チャトラヴェーディー / バジュランギ)、ハルシャーリー・マルホートラ(シャヒーダー / ムンニー)、カリーナ・カプール(ラスィカー)、ナワーズッディーン・シッディーキー(チャーンド・ナワーブ)、シャーラト・サクセーナ(ダーヤナンド)、メヘル・ヴィジュ(シャヒーダーの母)、ミール・サルワール(ラウフ)、ムルサレーン・クレシ(ボー・アリ)、ラジェシュ・シャルマ(ハーミド・カーン)ほか
映画「バジュランギおじさんと、小さな迷子」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バジュランギおじさんと、小さな迷子」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
バジュランギおじさんと、小さな迷子の予告編 動画
映画「バジュランギおじさんと、小さな迷子」解説
この解説記事には映画「バジュランギおじさんと、小さな迷子」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バジュランギおじさんと小さな迷子のネタバレあらすじ:起
パキスタンの山奥の村スルターンプリに住む少女シャヒーダー(ハルシャーリー・マルホートラ)は、羊飼いである父ラウフ(ミール・サルワール)について羊たちの元へ向かいました。ところが、ラウフから先に帰るよう言われたシャヒーダーは、帰り道で誤って崖から転落してしまい、その後、無事に保護されたもののシャヒーダーはショックから言葉を発することができなくなってしまいました。
シャヒーダーの母(メヘル・ヴィジュ)は村の長老の勧めで、彼女をインド・デリーのニザームッディーン廟に連れて行き、声が戻るよう参拝することにしました。ラフルは兵役経験があるためビザを取得することができず、代わりに母がシャヒーダーを連れて村から遠く離れたデリーに向かい、祈願を済ませて帰国の途につきました。
ところが、途中のインドとパキスタンの国境検問所の町ワーガ付近に差し掛かった列車は一時停車し、外に羊の群れがいるのを見たシャヒーダーは一人で列車を降りてしまいます。間もなく列車は動き出してしまい、シャヒーダーは必死に列車を追いかけますが、走り去られてしまいました。
眠りこけていた母はシャヒーダーがいないことに気付き、慌てて車内を探し回りますが、列車は既に国境を越えてしまっており、母は絶望したまま帰路につきました。
一方のシャヒーダーは貨物列車に乗ってパキスタンへ戻ろうとしましたが、列車はパキスタンとは反対の方向へと進み、ハリヤーナー州クルクシェートラに辿り着きました。
バジュランギおじさんと小さな迷子のネタバレあらすじ:承
シャヒーダーはクルクシェートラの祭りで踊るお人好しなインド人青年の“バジュランギ”ことパワン・クマール・チャトラヴェーディー(サルマン・カーン)と出会いました。デリー在住のパワンは地元警察にシャヒーダーを保護してもらおうとするも断られてしまい、かといってシャヒーダーを見捨てるわけにもいかず、彼女を連れてバスでデリーに向かい、居候先である亡き父の友人で教師のダーヤナンド(シャーラト・サクセーナ)の元に向かいました。
敬虔なヒンドゥー教徒であるパワンは、家族とはぐれたシャヒーダーを助けることは神の思し召しだと信じており、ひとまずダーヤナンドの娘で自身の婚約者であるラスィカー(カリーナ・カプール)の元にシャヒーダーを預けて家族探しをしようとしました。
しかし、かねてからラスィカーとパワンの交際を快く思っていなかったダーヤナンドは難色を示し、パワンにシャヒーダーの家族探しよりもラスィカーとの結婚条件として付きつけた「半年以内に自力で家の購入費を稼ぐこと」を最優先させるよう迫りました。
そんなある日、パワンとラスィカーはシャヒーダーを連れて街に買い物に出かけましたが、途中でシャヒーダーは姿をくらましてしまいます。パワンとラスィカーは街中を探し回ったところ、シャヒーダーはイスラム教のモスクで礼拝しているところを目撃しました。シャヒーダーがムスリム(イスラム教徒)であることを知って激怒したダーヤナンドを、パワンは何とかなだめますが、今度はインド対パキスタンのクリケットの試合のテレビ中継を見ていたシャヒーダーはただ一人パキスタンを応援しました。
シャヒーダーがパキスタン人だと知ったダーヤナンドは大のパキスタン嫌いであり、パワンにシャヒーダーをパキスタン大使館に連れて行くよう命じました。しかし、パスポートを持たないシャヒーダーは、大使館員にパキスタン人だと信じてもらえず、更には大使館前で反パキスタンの暴動が起こったことから大使館は閉鎖されてしまいました。
困り果てたパワンは、ダーヤナンドの知り合いの旅行代理店に相談すると、代理店の男はパスポートなしでシャヒーダーをパキスタンに送り届けることを条件に大金を要求してきました。しかし、代理人は実はシャヒーダーを売春宿に売り飛ばそうと目論んでおり、思い直して代理店に戻ったパワンは、男や売春宿の者から力づくでシャヒーダーを救い出しました。パワンはヒンドゥー教の神ハヌマーンに近い、自力でシャヒーダーをパキスタンまで送り届ける決意をしました。
バジュランギおじさんと小さな迷子のネタバレあらすじ:転
パワンとシャヒーダーはパキスタン国境まで辿り着き、密入国業者ボー・アリ(ムルサレーン・クレシ)に事情を説明して秘密の抜け道まで案内されました。何とか国境を越えたパワンとシャヒーダーはすぐに国境警備隊に捕まってしまいますが、パワンはハヌマーンの名に誓って懸命に警備隊長を説得、パキスタンに入国することに成功しました。
ところが、パワンとシャヒーダーはパスポートを持っていなかったことから地元警察に逮捕され、スパイ容疑をかけられますが、シャヒーダーはその際に署のカレンダーに掲載されている写真を指し示し、パワンはその写真の場所こそがシャヒーダーの故郷であると気付きました。
パワンはシャヒーダーを連れて警察署から脱走し、特ダネ目的で自分たちに近づいてきたテレビリポーターのチャーンド・ナワーブ(ナワーズッディーン・シッディーキー)と共にバスに乗り込みました。パワンから事情を聞いたナワーブは彼の姿勢に心を動かされ、二人に協力する決意をしましたが、警察は街中に検問を敷いていました。
パワンとシャヒーダーはバスの乗客の協力で難を逃れ、途中のモスクに身を隠して一夜を明かしました。パワン・シャヒーダー・ナワーブは宗教学者アサド(オム・プリ)に協力を求め、カレンダーの写真の場所がアザド・カシミール付近ではないかと聞かされました。三人は早速現地に向かうことにし、ナワーブはテレビ局社長のシャムシェール・アリ(ハルッシュ・A・シン)に自分の取材内容を報道してシャヒーダーの両親探しに協力させようとしましたが、取るに足らない内容だと却下されてしまいます。それでもナワーブはパワンとシャヒーダーの様子を録画し、YouTubeにアップロードして全世界に配信しました。
その後、パワンとシャヒーダーはナワーブがアップした動画にシャヒーダーの母が映っていることに気が付き、彼女が乗ったバスの路線を割り出すことに成功しました。ところが、ナワーブの同僚が警察に情報を流しており、途中で三人を乗せたバスは警察の検問に引っかかってしまいます。そこでパワンが囮となって警察に捕まり、ナワーブはその間にシャヒーダーを無事スルターンプリに送り届け、彼女を両親と再会させることに成功しました。
バジュランギおじさんと小さな迷子の結末
パワンをインドのスパイだと疑う警察は彼を拷問にかけますが、調べれば調べるほどパワンの身の潔白が明らかになっていきました。ナワーブも動画を通じてパワンの無実を訴え、その動画を見たインドやパキスタンの人々はパワンを釈放するよう求めました。
それでもなおパキスタン当局はパワンにスパイの罪を着せようとしますが、警察幹部のハーミド・カーン(ラジェシュ・シャルマ)は当局の命令に反発して、独断でパワンをインドに帰す決断をし、ナワーブに協力を依頼しました。
ナワーブはインドやパキスタンの人々に動画を通じて、パワンをインドに帰国させてあげるため国境検問所に集まるよう呼びかけ、賛同した人々は次々と国境検問所に集まってきました。その中にはラスィカーやダーヤナンドの姿もありました。
パワンはハイミドら警察によって国境検問所に送り届けられ、集結した人々は国境ゲートを開放してパワンを称える。パワンはナワーブたちに別れを告げてインドへと向かいましたが、その時両親と共に来ていたシャヒーダーがフェンス越しに「おじさん!ラーマ万歳!」と言葉を発しました。パワンはパキスタン側に駆け寄ってシャヒーダーを抱きしめました。
以上、映画「バジュランギおじさんと、小さな迷子」のあらすじと結末でした。
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