ビューティフルドリーマーの紹介:2020年日本映画。『踊る大捜査線』シリーズや『ブレイブ 群青戦記』など本広克行が、『攻殻機動隊』『機動警察パトレイバー』シリーズなどの押井守のオリジナル脚本『夢みる人』を原案として映画化した青春映画です。とある美術大学の映画研究会が自主制作映画を作る過程が描かれ、登場人物はほぼ全員が演者のあてがき形式、台詞のほとんどが演者たちのアドリブで構成される即興劇となっています。
監督:本広克行 原案:押井守 出演者:小川紗良(サラ)、藤谷理子(リコ)、神尾楓珠(カミオ)、内田倭史(ウチダ)、ヒロシエリ(シエリ)、森田甘路(モリタ)、伊織もえ(イオリモエ)、かざり(カザリ)、秋元才加(アキモトサヤカ)、池田純矢(イケダジュンヤ)、飯島寛騎(イイジマヒロキ)、福田愛依(フクダメイ)、瀧川英次(タキガワエイジ)、升毅(マスタケシ)、斎藤工(サイトウタクミ)ほか
映画「ビューティフルドリーマー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ビューティフルドリーマー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ビューティフルドリーマーの予告編 動画
映画「ビューティフルドリーマー」解説
この解説記事には映画「ビューティフルドリーマー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ビューティフルドリーマーのネタバレあらすじ:起
先勝美術大学のキャンバスは毎年恒例の文化祭「先勝祭」を翌日に控え、慌ただしく準備に追われていました。そんな中、映画研究会だけは毎年のように出展もせず、何もせずまったりとした時間を過ごしていました。
3年生部員のサラ(小川紗良)は昨日に見た「教室の片隅に何かある」という夢をもとに部室のあちこちを探し始め、やがて古い段ボール箱を見つけました。その中には「夢みる人」と題された古い脚本と演出ノート、1本の16ミリフィルムが入っていました。この「夢みる人」は未完成であり、サラは早速部員たちにこの映画を完成させようと持ちかけました。
そこに映研OBのサイトウタクミ先輩(斎藤工)がふらりと現れました。タクミも昨日サラと同じ夢を見たといい、この「夢みる人」は撮ろうとすると必ず何か恐ろしい事が起こる“いわくつきの映画だ”と忠告しました。しかし、それでもサラは誰一人として映画を作ったことのない部員たちを鼓舞し、「夢みる人」を完成させる決意を固めました。
監督はサラ、プロデューサーはサラの親友であるリコ(藤谷理子)、撮影はカメラ機材に詳しいカミオ(神尾楓珠)、録音はムードメーカーのウチダ(内田倭史)、衣裳とヘアメイクはシエリ(ヒロシエリ)、そして助監督とその他雑用の諸々を最年長者のモリタ(森田甘路)が担当することになり、映研にとって初めての映画制作がスタートしました。
ビューティフルドリーマーのネタバレあらすじ:承
サラたちは出演者を募るべくオーディションを開きました。ノーギャラにも関わらず、元「国民的アイドルグループ(AKB48)」メンバーだった女優のアキモトサヤカ(秋元才加)、かつて「五色の戦士が戦うドラマ(海賊戦隊ゴーカイジャー)」で“6人目のヒーロー”を演じていたイケダジュンヤ(池田純矢)、かつて「ヒーローに変身する医師(仮面ライダーエグゼイド)」を演じていたイイジマヒロキ(飯島寛騎)、「女子高生ミスコン2017-2018」でグランプリを獲得した“日本一かわいい女子高生”ことフクダメイ(福田愛依)、コスプレイヤーのイオリモエ(伊織もえ)、映画コメンテーターの“赤ペン瀧川”ことタキガワエイジ(瀧川英次)など強者たちが集まってきました。
主演の“カチューシャ”役はメイ、“アタリベツ”役はイケダ、“アヤメ先生”役はアキモト、“ボンボン”役はイイジマ、“教頭”役はモリタが演じることになり、演技経験のないモエは衣装係を担当することになりました。
サラたちは早速教室にセットを組み、撮影を開始しました。ところが、部員たちが製作資金を無駄遣いしたことから、資金は残り113円しかなくなる事態に陥りました。
サラは映画に本物の戦車を使いたがっていましたが資金難により断念し、足りない資金はクラウドファンディングで募ることにしました。戦車の代わりはモリタがラジコン研究会の友人からラジコン戦車を借りてきたのですが、モリタは撮影中に誤ってラジコン戦車を踏んで壊してしまいました。
クラウドファンディング開始から5日が過ぎましたが、一向に賛同者は現れませんでした。そんな時、サラたちはインターネットで戦車のレンタルがあることを知り、モリタは汚名返上とばかりに自ら現地に出向いて撮影することにしました。
現地では元自衛官タレントのカザリ(かざり)が戦車の紹介をしたのですが、カザリの美貌に惚れ込んだモリタはカザリばかりを撮ってしまい、肝心の戦車は映っていませんでした。モリタはこれは「夢みる人」の呪いだと言って逆ギレしました。
ビューティフルドリーマーのネタバレあらすじ:転
とうとう製作費は底をついてしまいましたが、サラたちはめげずにそのまま撮影を続行しました。戦車は砲身だけの小道具で代用することにしました。部員たちはせっかくだからと、ノーギャラで出演してもらっているアキモト、イケダ、イイジマらにホットケーキをご馳走しました。追加キャストの“校長”役にはウチダの知り合いである俳優のマスタケシ(升毅)が加わり、マスは難易度の高い長台詞に挑戦しました。
撮影はなんだかんだで順調に進み、現場には一体感のようなものが生まれつつありました。しかし、この頃からリコはみんなに隠れてコソコソと電話するなど不穏な動きを見せるようになっていきました。そんなリコとは対照的に、サラはますます映画作りにのめり込んでいきました。
映画には追加キャストとしてリコとタクミも出演することになりました。サラはリコと共に台本の読み合わせをしました。その中でサラは台本にある登場人物たちの名前を自分たちの名前に置き換え、「撮影は合宿みたいで楽しい。ずっとみんなと映画を撮っていたい」と思いを語りました。リコは複雑そうな表情でサラの話を聞いていました。
撮影も終盤に差し掛かり、リコとタクミの出番となりました。二人の撮影は無事に終了しましたが、サラや部員たちが目を離している間にリコは忽然と姿を消してしまいました。
ビューティフルドリーマーの結末
リコとは全く連絡が取れなくなり、撮影は中断してしまいました。部員たちは呪いだと思い込み、それからというもの部室に全く寄り付かなくなっていました。ただ一人残ったサラは「私たちは本当に映画を作っていたのか。それとも私が夢を見ていたのか」と思い悩みました。
ある時、サラはカメラを手に学校中の様々な景色を撮り歩いていました。そこにカミオが現れ、サラとカミオは自分たちの進路について語り合いました。サラは将来については何も決めていませんでしたが、カミオは「夢みる人」を通じて撮影の奥深さに目覚めたことから将来は映画の学校に進学して本格的に撮影を学びたいと語りました。サラは「カミオが取った絵が好き」と伝えました。
カミオはサラに「みんなはまだ諦めていない」と告げ、サラを校舎の中庭に連れて行きました。そこにはウチダ、シエリ、モリタの姿があり、かなりの金がかかったという校舎の模型を準備していました。校舎の模型はラストシーンに使う予定のものであり、部員たちは製作費を稼ぐためにアルバイトに勤しんでいたのです。
そしてそこにリコが戻ってきました。父が倒れたために現場を離れてしまったというリコは自分の不在を謝罪し、ここに再び団結した映研の部員たちは最終カットの撮影に取り掛かりました。そしてサラは最後の仕上げとして、校舎の模型の時計塔のベランダに「ビューティフルドリーマー」と書かれた小さな看板を掛けました。
以上、映画「ビューティフルドリーマー」のあらすじと結末でした。
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