ルーヴルの怪人の紹介:2001年フランス映画。ルーヴル美術館の怪奇伝説を基に、亡霊にとり憑かれた女性の恐怖と運命を描くホラー&ミステリー。実際にルーヴル美術館で長期の撮影が行われたことでも話題を呼んだ。ルーヴル美術館の地下収蔵室から謎のミイラが発見されて以降、館内では不気味な現象が起こるようになる。美術館正面のアパートに住む女性リザは、偶然そのミイラに接触した際宿っていた亡霊にとり憑かれてしまった。その後リザは奇行を繰り返し、時を同じくしてルーヴル美術館に黒衣と仮面を纏った「ルーヴルの怪人」が現れる。リザに惹かれる電気技師マルタンは、どうにかして彼女を救おうとするのだが…。
監督:ジャン=ポール・サロメ 出演者:ソフィー・マルソー(リザ)、ミシェル・セロー(刑事ヴェルラック)、フレデリック・ディファンタール(マルタン)、ジュリー・クリスティ(グレンダ・スペンサー博士)ほか
映画「ルーヴルの怪人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ルーヴルの怪人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ルーヴルの怪人の予告編 動画
映画「ルーヴルの怪人」解説
この解説記事には映画「ルーヴルの怪人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ルーヴルの怪人のネタバレあらすじ:謎のミイラ
舞台は1935年、エジプト。遺跡探索中の考古学者デフォンテーヌ教授は、3000年以上前の墓とそこに眠るミイラを発見しました。ミイラは石棺ごと船に載せられ、フランスのルーヴル美術館を目指します。ところが船内で船員達が次々と自殺し、デフォンテーヌ教授も突然ミイラ化して死亡しました。
それから約60年後のフランス。大規模な拡張工事を行うルーヴル美術館で、地下収蔵室からデフォンテーヌ教授が発見したミイラが偶然見つかります。石棺の塗装は王家のもののようですが、奇妙なことに名前が消されており、護符がひとつもありません。美術館内研究所で首を傾げる館長達。その時ミイラから黄金に光る亡霊が飛び出し、コンセントを通じて電気回路を故障させました。亡霊の姿は誰の目にも見えていないようです。
一方、ルーヴル美術館の正面に建つアパートでも停電が発生していました。祖母と一緒に暮らす女性リザは、電気技師のマルタンを呼んで故障を直して貰います。安心したのも束の間、その夜の内に祖母が倒れ死亡してしまいました。たった1人の家族の死に、リザは深く悲しみます。
その頃、ルーヴル美術館ではミイラ学の権威スペンサー博士に協力を仰いで詳しい調査が始まっていました。包帯の下から現れた青銅の仮面を見たスペンサー博士は、有り得ないことだと驚きます。スペンサー博士はミイラ化する儀式の際に着せる黒い衣装を復元させ、そこに仮面を取り付けました。
ルーヴルの怪人のネタバレあらすじ:黒衣の怪人
リザはアパートで停電が続くため、再びマルタンを呼んで地下に降りました。そこでアパートとルーヴル美術館が地下で繋がっていることが分かり、2人はこっそり夜のルーヴルに忍び込みます。しかし当然守衛に見つかり、マルタンと別々に逃げたリザは偶然研究室にたどり着きます。横たわるミイラを覗き込んだ瞬間、突如亡霊にとり憑かれてしまいました。
翌日からリザの様子が目に見えておかしくなります。視覚や聴覚に異常が出たり、頻繁に苦しみ出したり。手や視線を向けるだけで電気回路に影響を及ぼす能力まで身についてしまいました。リザに惹かれるマルタンは頻りに心配しますが、リザは自分でも詳しいことが分かりません。夜になると夢遊病のようになり、毎晩地下を通ってルーヴル美術館へ侵入していましたが、彼女には自覚も記憶もありませんでした。
一方、ルーヴル美術館でも奇怪な現象が起きていました。守衛達が、例のミイラの黒衣と仮面を纏った何者かを目撃するようになったのです。誰ともなしに囁き出す「ルーヴルの怪人」の伝説。ルーヴル美術館には、亡霊がさまよい怪奇現象をもたらすという怪談が古くから伝わっていました。
スペンサー博士は石棺と共に発見されたデフォンテーヌ教授の発掘日誌を読み、失われた指輪の存在を知ります。指輪に入った刻印さえ解読出来れば、ミイラの正体も判明するだろうと考えました。
ルーヴルの怪人のネタバレあらすじ:亡霊と怪人の謎
夜な夜なルーヴル美術館に現れる黒衣の怪人。それは何かを探しているかのように館内を移動しています。怪人の目を見た者は最も恐れるものの幻覚を見せられ、自殺に追い込まれました。館長からの要請で捜査に乗り出したのは、引退した元刑事ヴェルラックです。彼はルーヴルの怪人を「ベルフェゴール」と呼びました。「悪魔だよ 人間に乗り移る恐ろしい悪魔だ」と。
ヴェルラックの若い頃にも1度、ルーヴルの怪人は現れていました。1人の守衛が亡霊にとり憑かれ、黒衣を纏って怪人となっていたのです。仮面を外すと彼はミイラ化して死亡し、亡霊はその後沈黙しました。スペンサー博士はミイラの正体を解くため、館内で墓の形状を再現する作業に入ります。どうやらミイラは王家の親族で、位の高い神官だったようです。しかし護符と名前が戻らない限り、彼の魂は永遠に現世をさまようことになります。
一方のリザは更に常軌を逸した行動を取るようになり、心配するマルタンを超常的な力で拒絶していました。マルタンはリザが描いたヒエログリフを解読して貰うため、スペンサー博士の講義に紛れ込みます。ヒエログリフは、魂が冥界に行こうとしたがどうしても川を渡れなかった、という意味でした。
ルーヴルの怪人のネタバレあらすじ:失われた名前
スペンサー博士から、亡霊が冥界へ行こうとして生きている者の肉体に宿ることがあると聞かされたマルタンは、リザに現在起きている異常と結びつけます。亡霊にとり憑かれたリザは夜な夜な黒衣を纏ってルーヴルの怪人となり、奪われた護符を集めていたのでした。
マルタンはヴェルラックと協力し、亡霊の魂を冥界に渡らせてやる怪人の使命を全うさせることにします。しかし指輪だけがなかなか見つかりません。その上リザは捕らえられて軍人病院に入れられてしまいました。彼女の頭の中で、亡霊が名前を呼んでくれと訴えています。
そんな折、資料を見ていたペンサー博士がついに指輪の手がかりを掴みました。指輪をはめているデフォンテーヌ教授の写真を見つけたのです。早速デフォンテーヌ教授の墓を掘り起こして調べてみると、やはり指輪は彼と共に埋葬されていました。指輪にはファラオの刻印があり、偉大な預言者の名前が記されています。
ルーヴルの怪人の結末:冥界の扉
これで必要な物は揃いました。あとは魂が無事冥界へ行けるようにする、葬儀のような通過儀礼を行う必要がありました。リザが軍人病院を脱走したと聞いたマルタン達は、今夜儀式を行うことにします。
墓を再現した部屋に現れたルーヴルの怪人。スペンサー博士が儀式の進行を務め、亡霊は無事リザから離れていきました。目を覚ましたリザは、覗き込むマルタンに優しく微笑みます。
非科学的な事態を前に呆然とするスペンサー博士は、冥界の扉を開けたは良いが閉じ方を知らないと呟きました。すると大勢の亡霊が館内の絵画から飛び出して来ます。亡霊が飛び交う空の下でリザとマルタンはキスを交わし、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ルーヴルの怪人」のあらすじと結末でした。
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