ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡の紹介:2010年コンゴ民主共和国・フランス映画。ポリオで下半身不随になった車椅子ミュージシャンとメンバーに拾われたストリートチルドレンからなるバンド、「ベンダ・ビリリ」が、段ボールで寝ている所からヨーロッパツアーに至るまでを描いた感動の音楽ドキュメンタリー。
監督:フローラン・ドゥ・ラ・テューレ 、 ルノー・バレ 出演:スタッフ・ベンダ・ビリリ
映画「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡の予告編 動画
映画「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」解説
この解説記事には映画「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡のネタバレあらすじ:ベンダビリリ。
リンガラ語で「外側を剥ぎ取れ=内面を見よ」の意味。
コンゴ民主共和国、首都キンシャサ。アフリカ大陸の中でも最悪の国の一つに数えられるコンゴ民主共和国。外務省からも常に警告が出されていて、内戦からの混乱でいまだ立ち直っていないこの国。ロクなインフラも整っておらず、根本的な治療が受けられない事からポリオ(小児まひ。基本的にワクチン接種で治る。)の患者が多い事でも知られる。またストリートチルドレンが車から生きる為に金品を奪い生活し、絶望的な状況しか無いような国で活躍するとあるミュージシャンに焦点を充てる所から映画が始まる。彼らはポリオで下半身不随になった車椅子ミュージシャンとメンバーに拾われたストリートチルドレンからなるバンド。そのバンドが「ベンダ・ビリリ」だ。
ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡のネタバレあらすじ:段ボールで寝ていた彼ら
彼らは、戦争による混乱、そして貧困で家を失くした。動物が全く居ない動物園(国がお金を持っていない為経営が出来ない。)の敷地で眠り、演奏をする。バンドのリーダーはリッキー。車椅子(手で回すハンドルのような物がついている)を使い、ストリートチルドレンに話しかけ、皆の面倒を見ている。その彼が才能を見出した、缶に弦を一本通すだけの手作り楽器(1弦ギター、サトンゲと言う。)を演奏する少年がロジェ。ロジェは言う。「僕には音楽がある。これで食べて行けるからスリやかっぱらいをしなくていい。これこそ支えなんだ」と。
ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡のネタバレあらすじ:歌に込められたメッセージの、半端ない強さ。
ストリートチルドレンの子らがマットレスを買えず、段ボールしか買えない状況を見て即興で作った歌が「トンカラ(段ボールの意味)」。こういう状況も全て歌詞に変えてしまうのが凄い。
「俺はかつて段ボールで寝ていたが、ツキに恵まれマットレスを買えた。人間に”再起不能”なんて事はない。”遅過ぎる”と言う事もない」と歌う。そして舞台での熱狂的音楽。障害はあれど魂は自由であり、内側を見てくれと言う彼らの強いメッセージがある。コンゴのストリートで寝起きしていた彼らが、フランス人の音楽プロデューサーに見いだされ、全世界でツアーを行い、数多くの人の胸を打つ。ただの音楽映画じゃない、メッセージが沢山つまった本当に見栄えのある映画である。
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