ブラック・クランズマンの紹介:2018年アメリカ映画。KKKとはアメリカ南北戦争(1861年−1865年)以後に発足した白人至上主義を唱え黒人やユダヤ系を差別し敵視する団体で、そのメンバーはクランズマンと呼ばれます。KKKの全国組織は1920年代に崩壊し、その後は各地で小さな組織が活動を続けています。『ブラック・クランズマン』は1970年代のアメリカで黒人警官がKKK系団体の調査のため、白人になりすまし、その組織の悪と爆弾テロと戦う物語です。実在のロン・ストールワースの原作をもとに、見ごたえのあるストーリーになっています。また、アメリカを代表する黒人監督スパイク・リーの、現代アメリカに残る人種差別主義への批判も込められた映画です。
監督:スパイク・リー 出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン(ロン・ストールワース)、アダム・ドライヴァー(フリップ・ジマーマン)、ローラ・ハリアー(パトリス・ダマス)、トファー・グレイス(デビッド・デューク)、コーリー・ホーキンズ(クワメ・トゥーレ)、ライアン・エッゴールド(ウォルター・ブリーチウェイ)、ヤスペル・ペーコネン(フェリックス)、アシュリー・アトキンス(コニー)ほか
映画「ブラック・クランズマン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブラック・クランズマン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブラッククランズマンの予告編 動画
映画「ブラック・クランズマン」解説
この解説記事には映画「ブラック・クランズマン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブラッククランズマンのネタバレあらすじ:起・新人警官ロンとパトリスの出会い
1972年のアメリカ、コロラドスプリング、ロン・ストールワース(ジョン・ディヴィツド・ワシントン)は黒人の青年、警察で採用面接を受けています。ロンは面接で気に入られて採用されます。ロンの最初の仕事は書類整理、そこで他の白人警官から嫌がらせを受け、嫌気がさしたロンは配置替えを希望します。
上司はロンを過激とされている黒人活動家カーマイケル(コーリー・ホーキンズ)のイベントに潜入させることを計画、他の白人警官フリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)とイベント会場に向かわせます。イベント会場に到着したロンは黒人学生グループのリーダーのパトリス・ダマス(ローラ・ハリアー)に会います。ロンはパトリスと仲良くなりイベントに向かいます。カーマイケルはクワメ・トゥーレとアフリカ風に名前を変え、黒人であることの誇りと白人との戦いを演説します。
イベント後にロンはパトリスと再び会います。パトリスは白人警官による人種差別を話しますが、ロンは警官であることを言えませんが、二人は気が合います。署に帰ったロンはクワメには危険性がないと報告します。
ブラッククランズマンのネタバレあらすじ:承・クランズマンになりすますロンとフリップ
ロンは新聞を読んでいるとKKK系団体の広告を見つけます。ロンは団体の調査のため白人のふりをして電話をし、黒人の批判をします。ウォルター(ライアン・エッゴールド)という団体幹部はロンと会合を持ちたいと話します。ロンは同僚に報告、KKKに会うと黒人であることがバレるので、他の白人を会合に送ることにします。そこで、ユダヤ系で黒人に好意的なフリップがロンになりすますことにします。電話ではロンが話し、フリップがウォルターとの会合に出席することにします。
フリップはKKKメンバーとの会議に向かい、ロンは後から追いかけます。フリップはKKKで黒人の悪口を言い、団体の会員になります。ロンはパトリスと会い、白人警官の危険性を話しますが、同意しないロンを警官ではないかと疑います。署ではデビッド・デューク(トファー・グレイス)というKKKの大物の動向が話し合われます。フリップはKKK会員のフェリックス(ヤスペル・ペーコネン)の家に行き、ロンは遠くから見ています。フェリックの妻コニー(アシュリー・アトキンス)は黒人の危険性を呼びかけます。疑い深いフェリックスはフリップを別室に連れていき、ユダヤ人かどうか確かめようとします。ロンはフリップの安全を懸念し、物をフェリックスの家に投げます。フェリックスは逃げるロンを捕まえようとしますが、フリップはロンを銃撃します。
署では、ロンとフリップは上司に銃撃の件で怒られますが、KKKの調査は続けられます。ロンはデュークに電話し、KKKの会員証とイベントへの参加を頼みます。フリップはKKKの会員として銃を持ち黒人を殺す練習をします。デュークは電話でロンと話し、彼を気に入ります。ロンがパトリスと自宅にいると、フェリックスが訪れます。フリップがKKKの会合を訪れると、フェリックスはフリップの住所に黒人(ロンとパトリス)がいたことを問い詰めますが、フリップはうまくごまかします。
ブラッククランズマンのネタバレあらすじ:転・KKKのパトリス襲撃計画
ロンはKKKの会員証を受け取ります。デュークはロンと電話で話し、気が合い、ロンの正式なイニシエーション(入会の儀式)のためにコロラドスプリングまで会いに行くと言います。KKKの会合でフリップは、KKKのコロラドスプリング地区の次期会長として推薦されます。しかし、フリップに不信感を抱くフェリックスは異議を唱え、フリップの過去の発言の矛盾を指摘します。フリップはうまくごまかし他の会員の信頼を集めます。
フェリックスとコニーはパトリスを狙う爆弾テロを計画します。デュークがコロラドスプリングのイベントに来ることになり、ロンが警備担当になります。パトリスは黒人のイベントを組織します。ロンはパトリスを訪れますが、パトリスはロンの言動に不信を持ちます。ロンは自らを警官だと告白しますが、パトリスは怒り、ロンから去ります。
デュークがイベント会場を訪れますが、黒人のロンが警備担当と知り驚きます。ロンはデュークに警官として警備をすると説明します。KKKのイニシエーションが始まり、フリップは正式にメンバーになります。デュークらKKKメンバーは「国民の創生」(KKKを英雄化する映画)を見て歓声を上げます。イベントも終わりに近づくと、コニーが会場を去るのをロンは目撃、後を負います。パトリスが組織した黒人イベントも盛り上がり、パトリスも会場を去ります。
ブラッククランズマンの結末:爆弾テロを防ぐロン
パーティでフェリックスらKKK会員はフリップを警察のスパイと見破り、フリップと本名で呼び始めます。デュークは不信に思いますが、そこにコニーから緊急の電話が入りフェリックスは席を外します。コニーは警官が多いため爆弾テロはできないとしますが、フェリックスは計画変更、パトリスの自宅のテロを命じます。
自宅に帰るパトリス、コニーが爆弾を仕掛けますが、ロンがコニーを捕まえます。しかし、警官が駆けつけ私服のロンを警官とは思わず逮捕します。その後フェリックスがパトリスの車を爆発させます。フリップが駆けつけ警官に事情を話しロンは解放されます。
後日、署に帰るとロンは英雄扱いされます。ロンは署の仲間のいる前でデュークに電話します。ロンは電話でデュークに事の真相、すべては警察によるKKKの調査であったと話します。仲直りしたロンとパトリスは、自宅で将来のことを話し合います。すると突然、ドアをノックする音がしてロンとパトリスは銃を持ちながら廊下を歩きますが、扉の向こうはKKKの儀式でした。
以下は実際のニュース映像で2017年8月11,12日のバージニア州シャーロッツビルで起きた白人の人種差別主義者グループによる集会とそれに反対するグループの対立が紹介されます。人種差別主義者の車が暴走し、一人の女性を殺害します。トランプ大統領は人種差別主義者を非難しません。デュークは67歳、白人の権利の復活を演説します。
以上『ブラック・クランズマン』のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する